第6回:独立は簡単。さあ、会社に辞表を出して大海原へ飛び出そう。
連載『こうして僕は新卒11ヶ月で会社を退職しフリーランスとして独立した』
さて、これまでサラリーマンのメリットやデメリットをお話してきましたが、それでも筆者が会社を辞めてフリーランスになると決意した経緯をお伝えしようと思います。
では、前回に引き続きフリーランスになる為に筆者自身が実践したことなどを共有していきます。
まずはやりたいことを会社員の内に見つける
会社を辞めてフリーランスになる為には、やっぱりやりたい事を見つけなればなりません。
ここに関しては以前「やりたい事はなくてもいい」と述べましたが、それはそれで自分の伸ばすべき専門分野を見つけるのが難しいです。
やりたい事がなければ、辞めてもまた同じような仕事を同じような人達とやってしまうからです。やりたい事を見つける為には、とにかく試行回数を増やす事です。
何もしなければ、当然ながら何もやりたいと思わないでしょう。とにかく人と会って、本を読んで、経験を重ねるしかないのです。
筆者の場合は、去年から話題の「仮想通貨・ブロックチェーン」という成長分野に目を付けました。
金融機関に勤めていたこともあり「金融の歴史を変える大きな技術になる」と騒がれていたこの分野で、自分も何かビジネスをしたいと考えたのです。
そこで「仮想通貨・ブロックチェーンに特化して専門性を高める」という事にフォーカスしようと考え、ライターとして自分の市場価値を上げる事にしたのです。そして不思議な事に、会社に出勤して一日中働くよりもライターの方が楽しかったのです。
「とりあえず3年」という嘘
よく、独立を志す人は「とりあえず会社で3年修行する」と言います。
筆者はその3年のレッテルをすっ飛ばして独立を決めたわけですが、なぜ3年も待つ必要があるのでしょうか?
変化のスピードが速いこの時代に「3年」という時を経た自分がどんなことを考えているか予想できるでしょうか。
会社に何年も過ごす人達と私達の時間感覚を一緒にされては困ります。特に私達の世代では電車の待ち時間ですらもすぐにスマホを取り出して隙間時間を埋めようとします。そんなせっかちな私達にとっての3年は、とてつもなく長い時間です。
このように普段少しでも待つのが嫌いな私達なのですが、なぜ会社を辞める事になるとこんなにも長く待てるのでしょうか?そしてその頃に経済の動きがどうなっているかなんも全く予想も出来ませんし、将来自分がやりたかったことがAIに取って代わられてるかもしれません。
きっと3年も待っている間に今やりたいと思ってることなんてとっくに形が変わっているでしょう。
やりたいことが見つかった瞬間、そっちにすぐに移るべきです。
3年も待ってられません!
「まずは副業で稼げるようになってから」というのも嘘
そして、「まずは副業で稼げるようになってから」と言うアドバイスも受けた事があります。
ですが、筆者はそんなものすっ飛ばして先に辞めてしまいました。
これも理由は上と同じで、時間が勿体無いからです。
しかしその結果、筆者は初月から会社員時代と同じ位の収入の見込みが立つようになりました。それに今では稼げなくなってもセーフティネットはいくらでもあります。クラウドワークスやタウンワークなどでも求人がたくさんありますし、怖いものはないのです。
そしてどの業界もプロが犇めいており、中途半端で勝てる程そう甘くはありません。ブログやアフィリエイトでも、それを専業とするプロの「ブロガー」や「アフィリエイター」達が毎日しのぎを削ってGoogleの検索エンジンで戦いを繰り広げているのです。
副業しながら成功を目指すのは、卓球をしながら剣道もして両方全国大会を目指すようなものでしょう。
身の回りの人達の信頼を蓄積すること
筆者が独立する為にもう一つ実践した事は、身の回りの人と信頼を構築する事でした。
周りの信頼関係無しでいきなり独立していると、筆者は今頃確実に路頭に迷っていたでしょう。
常に自分の興味のある事をお構い無しに発信していき、「自分」を作る図々しさが必要です。ここで言う「発信」とは、何もSNS上で自己啓発を呟いて「いいね」を稼ぐような事だけではありません。筆者はネット上で何か影響力を持つインフルエンサーでもありませんし、ネット上でいつもポジショントークをしているわけでもありません。
もちろんそうやってネット上で有名になり独立する人も中にはいますが、筆者は自分に近い人への信頼構築が何よりも独立への近道となりました。なんだかんだで、Face to Faceで人に会って信頼関係を作ることが何よりも大切です。
筆者は、たくさんの方からお仕事を頂いたり、知り合いを紹介して頂いたりもしました。
それは紛れもなく「リアルでの信頼関係」によって成り立ったものです。
そして、その人達はいずれ自分の背中を押してくれる心強い味方になってくれます。
まずは、周りの人に自分をマーケティング掛けて見てください。
人脈というのは預金残高のようなもので、コツコツと積み上げて行かなければならないのです。
そういう人達がたくさん自分の背中を押してくれるようになれば、もう怖いものはありません。
さいごに:役員からの一言
さいごになりますが、筆者が会社を出ていく時に、ある役員の方にこう言われました。
「俺は、大企業やメガベンチャーでも結果を残してきたし、今では役員にもなれた。でも、一つだけ俺が経験出来ていない事をお前はやった。それは会社を辞めて独り立ちすることや。」
この時、独立とは一体何なのかが、少しだけわかりました。
独立とは、単に覚悟と勇気だけなのです。
さあ、今すぐ辞表を出し、自由な市場で自分だけのスキルを身に付け大海原へ旅立ちましょう。
では次回は2回に分け、独立してフリーランスになる魅力と「メリット」と「デメリット」について述べていきます。
>>つづき 第7回「独立してフリーランスになる魅力とそのメリット」
著者:Kenta Fujii
アクトハウス卒業生。大手金融機関に新卒で入社するも11ヶ月で退職。その後はフリーランスのライターとして独立し、新規立ち上げのメディアに複数携わりながらキャリアを積んでいる。▶ セブ島のIT留学「アクトハウス」を詳しく見る
目次トップへ
第1回:大学生の就職活動は極めて難易度の高い自分探し
第2回:自由とはかけ離れたサラリーマンの3つのリスク
第3回:会社員のメリットは?実は魅力満載のサラリーマンというビジネス
第4回:会社に辞表を出して独立を決意するまでに考えた重要なこと
第5回:フリーランスとして独立し自由を得る為に考えた戦略とは
第6回:独立は簡単。さあ、会社に辞表を出して大海原へ飛び出そう
第7回:独立してフリーランスになる魅力とそのメリット
第8回:フリーランスになるデメリット