第5回:フリーランスとして独立し自由を得る為に考えた戦略とは
連載『こうして僕は新卒11ヶ月で会社を退職しフリーランスとして独立した』
前回は、会社に辞表を出して独立を決意するまでに考えた重要なことをお話しました。
では、今回は2回に分けて、筆者が会社を辞めてフリーランスになる為に考えた事や、会社という飼育小屋から抜け出して大海原へ繰り出す為に実践した事を共有していきます。
会社を辞めて独立するということは、実は思っているよりも全くハードルが高くありません。
ではまず、なぜフリーランスになろうと思ったのかについての自分の見解を詳しく話していきます。
会社のビジネスと自分のビジネス
まず、筆者は他人のビジネスではなく自分のビジネスをしたいと考えました。
なぜなら会社で数千万のお金を動かして1日に数百万円の売上を作るよりも、自分自身で獲得した仕事で一件5,000円の売上を作っている方が楽しいと考えたからです。
そう、それも全ては主体的になれるかどうかの違いなのです。
筆者はよく先輩社員から「お前は主体性が無い」と言われていました。
しかし、人は皆適切なインセンティブ無しには動くことができないとても弱い生き物です。
それを組織の雰囲気に合わせて、いかにも自分は主体的にそれが好きで興味があるかのように見せて働くのには限界があり、きっといつかボロが出ます。
そもそも日本的な雇用制度の上では、大きなリスクを取って会社でイノベーションを起こしても、成果に対しての適切なリワードが自分に返って来ないのです。
なので自分と正面から向き合って主体的になれる「自分にとって正しいインセンティブ」がある仕事を探さなければならないと思ったのですが、筆者はそこで報酬や信頼が全て自分に帰属する「フリーランス」という道を見つけたわけです。
そう、全てはインセンティブなのです!
サラリーマンは本当に「安定」なのか?
「サラリーマンは安定である」という言葉は筆者も少なからず会社に所属していた中で感じており、なぜならデスクで一日中座っているだけで給料を満額請求できるからです。
しかし、これに関してもいつどうなるかは全くわかりません。
基本的に私達の働く自由市場の経済では「今何か価値を生み出せるスキル」が最も評価され、使えなくなったスキルの価値は一瞬でゼロになってしまいます。
つまり、ある仕事が突然コンピュータに取って代わられるとそのスキルの価値が暴落しゼロとなるわけです。
そのような自由市場で果たして本当に「安定」というものがあるのでしょうか?
つまり「長年会社に勤め上げて苦労してきた」といったようなことは、実は本質とはかけ離れていて何の価値もないのです。
ある日突然スキルの価値が「ゼロ」になる可能性
筆者は証券会社や銀行の事業を手掛ける金融機関に勤めていたのですが、今では各金融事業にWEBマーケターやエンジニアが多く身を置いています。
今では証券会社や銀行もインターネットをベースでサービスを提供するようになっており、筆者もネット上でのプロモーションをする為にインターネット広告の知識とスキルを勉強していました。
さらに、今話題の仮想通貨関連の会社で最も求められているのはゴリゴリの営業マンではなく「WEBアプリケーションエンジニア」や「ブロックチェーンエンジニア」といった新しいスキルなのです。
このように、求められるスキルも時代と共に変化しています。
わずか数年でこんなにも労働市場は変わっていますから、安定なんてあるはずがありません。
時代の変化が早い今日の経済ではITが様々な分野に進出しており、今まで積み上げたスキルもある日突然全く使えなくなってしまう可能性もあります。
よって、変動幅の激しい労働市場において、時代のスキルを身につける為に突然古い体質の会社を出ていく事は当然と言えば当然なのではないでしょうか。
私達の労働市場の未来
今日の労働市場では、日本固有の大企業以外にも外資系企業やテック系のベンチャー企業が人材の獲得をする為に競争しており、変化のスピードが遅い大企業はもはや「安定」と呼べるかどうかもわからなくなりました。
今や多くの創業間もないベンチャー企業が大企業の既得権益をぶち壊そうとしているからです。
そして、労働市場はグローバル化し、筆者の同期にも外国人の優秀な人材が何人も一緒に入社していました。
彼らは2ヶ国語以上を平気で使いこなし、さらに海を渡って稼ぐという覚悟でわざわざ日本まで来ているわけですから、この前まで大学のサークルで遊び呆けていたような日本の新卒なんかには負けてられないのです。
私達はこの変化の早くグローバルな労働市場でどう勝って行けば良いのでしょうか?
ゼネラリストからスペシャリストへ
以上のことから、今後テクノロジーが発達しどんどんとグローバル化が進みますから、広く浅くのゼネラリストよりも深く狭くのスペシャリストの方が市場価値が高まっていくと筆者は読んでいます。
特段のスキルが無い会社員に将来訪れるのはコモディティ化だとも考えています。
それはテクノロジーの発達によって、人間の面倒臭い仕事がどんどんと代替えされて行くからです。
どんどん仕事が代替え可能になると、当然ですがそこで働く人の市場価値は下がります。
つまり、将来浅いスキルのほとんどはテクノロジーに変わって使えなくなる可能性が高くなると思うのです。
ですが、会社にいればペーパーワークをしたり、マネジメントをしたり、「何で俺がこんなことを」と思うような、本来やるべきこと以外のたくさんのことに手をつけなければなりません。
しかし、今クラウドワークスやランサーズのようなマッチングプラットフォームサービスによって、簡単に人材をアウトソーシングすることが出来ます。
広告の世界でも広告主と媒体を繋ぐマッチングプラットフォームは既に存在しています。
つまり、オンデマンド型の経済へとシフトしているのです。
オンデマンド型の経済になると、アウトソースできる仕事をわざわざ高いお金を払って社員にやらせる必要がなくなるのです。
そこで世の中から必要になる人材が「スペシャリスト」であり、発達するテクノロジーにレバレッジをかけ、代替え不可能な自分を作ることがこの先のネット社会を生き抜く近道だと考えています。
専門性が武器になる時代
今や好きなことや得意なことを専門的にとことん伸ばしていくことが重要になってきました。
昨今活躍するYouTuber達や、専門分野でインフルエンサーとなっているブロガー達を見ると一目瞭然です。
彼らのように、好きな事に集中的に自分の時間を裂いている人がサラリーマンの年収を軽く超える程の収入を手にするような時代になっているのです。
全てのテストで平均60点をとる人よりも、何か一つの分野で100点が取れる人が今後活躍できるでしょう。
そのように、何か一つ専門分野を持つ人が強い時代になると筆者は予測しています。
なぜなら、今後平均的に60点を叩き出せるロボット(AI・ブロックチェーン)が大量生産される恐れがあるからです。
そうならない為にも、「フリーランスとなって自分の専門性だけを高めること」にフォーカスしたかったのです。
自分の人生を取り戻し自由になる
最後に、労働市場がどうこうという話を置いて感情的な話をします。
最終的にフリーランスが良いかサラリーマンが良いかという議論にはっきりとした正解など存在しません。
市場が将来どうなるかは神様にしかわからないのです。
しかし、どちらの方がより自分を幸福にできるかといったような「自分の働き方」を選ぶことは今すぐにできます。
つまりどの働き方を選ぶも自分の将来への投資になるわけです。
筆者は会社を辞めはしましたが、実はサラリーマンでいた方が将来儲かってるのかもしれません。
しかし、自分の人生は自分で決めないといけません。
「場所にとらわれず、好きな人と、自分の好きなことだけを専門分野としてやっていく。」
そんなビジョンに筆者は惹かれてフリーランスを決意しました。
もし、今現状に不満であれば、それは自分の人生を取り戻すために今できる最大限の行動を積まなければならないのです。
では次回は、独立においての諸々について述べていきます。
>>つづき 第6回「独立は簡単。さあ、会社に辞表を出して大海原へ飛び出そう」
著者:Kenta Fujii
アクトハウス卒業生。大手金融機関に新卒で入社するも11ヶ月で退職。その後はフリーランスのライターとして独立し、新規立ち上げのメディアに複数携わりながらキャリアを積んでいる。▶ セブ島のIT留学「アクトハウス」を詳しく見る
目次トップへ
第1回:大学生の就職活動は極めて難易度の高い自分探し
第2回:自由とはかけ離れたサラリーマンの3つのリスク
第3回:会社員のメリットは?実は魅力満載のサラリーマンというビジネス
第4回:会社に辞表を出して独立を決意するまでに考えた重要なこと
第5回:フリーランスとして独立し自由を得る為に考えた戦略とは
第6回:独立は簡単。さあ、会社に辞表を出して大海原へ飛び出そう
第7回:独立してフリーランスになる魅力とそのメリット
第8回:フリーランスになるデメリット