ロックダウン中のセブ島をレポート。都市封鎖の現状を徒歩で見てきた。
セブ市は3月28日からロックダウンに
2020年4月6日(月)現在。
フィリピンのセブ島は「ECQ(Enhanced Community Quarantine:強化されたコミュニティ隔離措置)」という基本的な外出禁止の措置が取られています。
「ロックダウン(都市封鎖)」に近い状態であり、海外ではロックダウンとも報道されています。(本記事でも主にロックダウンという文言を使用します)
新型コロナウイルスの影響で、フィリピンではセブ島に限らず各市や各島で順にこの「ECQ(Enhanced Community Quarantine:強化されたコミュニティ隔離措置)」つまり事実上の「ほぼロックダウン」が実行されています。なお、首都マニラはセブより2週間も早くその措置がなされています。マニラのロックダウンは4月14日(火)に解除予定ですが、ドゥテルテ大統領より「4月30日まで延長の可能性」も示唆されており、今日現在も方針が政府で議論されているようです。
今回は当サイト「IT留学のアクトハウス」の、永住権所持セブ島在住スタッフが、ロックダウン中のセブ島をレポートします。フィリピン以外に在住の方で、セブ島の現在の様子が知りたい方への情報提供になればと思います。近隣を歩いただけのささやかな内容ですが、よろしければご覧ください。
不要不急の外出は禁止
まず前提ですが、厳密には完全封鎖でなく「ECQ(強化されたコミュニティ隔離措置)」ではあるため「生活のための食料品の買い物」としての最低限の外出は認められており、今回外出をいたしました。毎日自宅待機を遵守しておりますが、今回は食料品が必要になったため2週間ぶりに外に出ました。
不要不急の外出は禁止されているため、あくまで今回はセブシティの「一部の一部」であることをご了承ください。エリアはセブ市の人口密集エリアのひとつでもある「アヤラモール」近くのエリアになります。
買い物の行きがけに見た光景を、写真でお伝えします。
外出には「Quarantine Pass」が必要
まず、外出する際にはセブ市(国)から支給される「Enhanced Community Quarantine Pass」というパスカードが必要です。
2020年4月6日(月)現在の外出する際の主な要件は以下。
①必ず「Quarantine Pass」と「身分証明できるID」を持って外出する
②外出時は「マスク着用」
②「1家族につき1名のみ」の食料・病院・薬の購入の外出を許可
③しかし「18歳以下65歳以上は終日外出禁止」
「Quarantine Pass」は下の写真のものです。中央の白い部分には個別の番号が入りますが、加工で消してありますことをご了承ください。
一家に一枚配布されたり、コンドミニアムなどの集合住宅には少数枚が配布され「2日に1回2時間のみの外出」などのルールでこのパスを使いまわしています。
外に人はいないが、車やバイク、売り人の姿もちらほら
今回は全部で1時間半ほどの外出でした。
近隣の会員制スーパーへ徒歩で行ったかたちです。
まず感想としては、予想できたことですが「人がいない、いつもの渋滞も一切ない」ということ。一方で、歩道に二人で歩いている若者がいたり、車やバイクがたまに走っているなということ。
時折往来する車やバイクはフードデリバリーであったり、医療従事者であったり、食料品の買い出しであったりするのかもしれません。
なお、元々路上暮らしでもある「道端の売り人(フィリピンでは交差点付近で日用雑貨や果物を売る人がいる)」は活動していました。このあたりはフィリピン特有のゆるさでもあるのかもしれません。マスクを売っている人もいました。
検問・検疫等はなかった
今回は近隣を歩いただけというのもあり、警察官や警備員からパスカードや身分証明書の提示を求められることはありませんでした。
しかしマニラでは検温渋滞(車1台1台のドライバーの体温チェック)も発生しているエリアもあるとニュースになっていた時期もありましたし、このあたりは、セブでも市やバランガイ(エリア)をまたぐ際になにかあるのかもしれません。
スーパーにはそれなりに人がいた
会員制スーパーに行くと、まず駐車場にそれなりに車があったのは驚きました。
車は行きがけにも数台すれちがっており「全く走ってないわけではないのか」と思っていましたが、駐車場にはわりと停められていました。
なお、このスーパーは『LANDERS』という会員制スーパーで、日本で言う「コストコ(COSTCO)」と同じです。
売っているモノも、フードスペースがあることも「コストコ」ととても似ています。
非常に広大なスケールのスーパーマーケットです。
入店後「ソーシャルディスタンス」の待機スペースで待つ
まず入店前に警備員による検温、そして警備員によるアルコールスプレーでの手の消毒。
そして店内は、いつもならすぐに買い物できますが、コロナウイルスの影響で「横の待機スペース」で待つルールになっていました。一定の人数以上は買い物フロアに入れない方針のようです。この対応は混雑する週末だけの可能性もあります。
待機スペースは「ソーシャルディスタンス(人同士で物理的な距離を保つ)」が施されていました。椅子同士距離があります。
そして、ここからは細かく一人ひとり呼ばれるということはなく「はいみなさんどうぞー」という感じで、ここにいる全員がざざっと普通に入店できました。
店内は平日の空いている午前中といった感じ
実際の買い物自体は「平日の空いている午前中」といった感じでした。
人はまばらにいます。
国の規制なので当然全員がマスクをしており、中には手袋をしている人も。
レジも十分な距離をとって並ぶ
下の写真のように、レジに並ぶのも「ソーシャルディスタンス」でした。
床にテープが貼っており、そこに沿って列が動くのを待機します。
店内が広いのもあるので、感覚は2〜3メートルはあるほど。十分に取られています。
買い物をしている方たちは、パニックバイイングと呼ばれる過剰な買いだめや争うような空気も一切なく、必要なものを必要なだけ落ち着いて買い物をしています。
なお、レジ付近は人が集まってしまうのは仕方ない、といったところでしょうか。
しかし、例えばカートの持つ部分をまめに拭いていたりと、全体的にしっかり統制を取っているスーパーとも思えました。
このスーパーは会員制、外国産のものを売っているスーパーなので、客は富裕層や外国人の方が多い印象です。
マニラ・セブのロックダウン解除は政府で検討中とのこと
今回はロックダウン中の外出制限ということで「アヤラモール」近隣エリアでの情報にとどまってしまっておりますが、セブ島ロックダウンの現状のささやかなレポートをさせていただきました。
印象としては「外に人はいない/車とバイクはたまに/スーパーに人はいる」というところです。
2020年4月6日(月)現在、首都マニラのロックダウンは「4月14日(火)に解除」という予定にはなっているようですが、ドゥテルテ大統領より「4月30日まで延長の可能性」も示唆されており、予断は許さない状況。政府でもギリギリまで解除や延長は検討する動きが報道されています。セブ島の動きも、マニラの動向により当然変わってくると思われます。
当サイトでは、セブ島でのコロナウイルスの「国・州・市」からの政令等の情報については、主なものを時系列にて当サイトで「毎日更新」しています。詳しくは下記からどうぞ。
▶最新情報はこちら『セブ島での「新型コロナウイルス感染症」の対応と方針』
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