どうして起業は失敗する?成功率の低さに見る「3つの勘違い」

情報化社会で起業の成功率は上がったのか

「モノ」の価値よりも「知識」の価値が高くなり、やがてその価値観が世界に浸透していったのがいわゆる「情報化社会」。

あの国はこうらしい、あの会社はこうやっている、あの著名人がこんなことをtwitterで言っていたなどなど、私たちは常に情報の洪水にさらされています。

ソースのはっきりしない噂話やニュースにさらされる一方、自らにとって有益なソースをつかむことができれば、事前にリスクの予測がしやすくなり、ノウハウも入手できる利便性にも長けているのが現代です。

例えば、一昔前は「起業」と言うとなにか大層立派な、お金も実績もある人がやっとの思いで実現する決断であったはずが、ITによる開発・運営コストの大幅な削減により、誰しもが事前情報・事前ノウハウのもとに起業がしやすくなっています。

プログラミングさえできればとりあえずの精度はさておきサービスをリリースしたり、ラップトップひとつでクリエイティブ作業に勤しむことで、個人事業主としての独立もしやすくなりました。

そしていつしか「起業は目標を叶えるための手段であり目的ではない」という考え方も出始め、ビジネスの概念はひとつ上のステージに来たかのようにも見えます。

しかし、情報がなかった昔に比べ、現代はリスクが軽源できる分、起業の「成功率」は上がったのでしょうか。

ITの進化はまだ黎明期

現代のインフォメーション・テクノロジーの進化は、事業展開をもくろむアントレプレナーたちにとっては優位な土壌であることは喜ばしいことながら、どうも多くの成功例を見ないような気もする起業。この原因をIT起業というジャンルにおいて見ていきます。

テクノロジーの進化、スマートフォンの世界中での浸透。基礎レベルであればプログラミングも独学で学べるなど、私のたちの環境はこの10年で大きく様変わりしました。近年はAI、そしてIoTの爆発的な普及前夜とも言えるニュースや実験が繰り返され、いよいよ未来まで秒読み、という空気もあります。

プログラミングの目的は「自動化」であり、テクノロジーの進化は「便利」の追求。

便利というのはドローンや自動掃除機のみならず、国家のインフラや医療の領域まで及び、人間がより身軽に労せず暮らすことができる範囲までも指し示します。しかし、まだまだ人類はアナログの域を出ず、自動運転さえも一般化に至っておらず、理想の便利には程遠い場所にいることは確かでしょう。やっとスマートフォンが驚異的に便利になった、という段階です。

とはいえ、この時点においてさえも、すでに便利の「弊害」は各所で起こっています。

そのひとつの指標として、次項では起業の「成功率」を例に挙げ、数字で追ってみます。

開廃業率の国際比は?

インターネットがあれば起業や独立においてのリスクやコツが数秒で手に入る、成功者や失敗者が開示してくれている動画や記事を閲覧することができるこの現代。

しかし、この10年で起業の成功率が上がったというデータやニュースは見当たりません。むしろ「10年後の生存率は10%以下」「5年後の生存率は8%」などの記事も多く、エビデンスは記事それぞれで異なるためどの著者も明言は避けていますが「著しく低い」ことは共通しているのです。

ITの劇的な進化と比例して、事業の成功率も右肩上がりということはないという現実。

中小企業庁の「開廃業率の国際比較」データでは、起業後の企業生存率をデータ化していますが、やはりその事情は見て取れます。

 

中小企業庁「開廃業率の国際比較」より
 

起業成功率の低さに見る「3つの勘違い」

なぜ「ITの進化」と「起業成功率」は比例しないのでしょうか。

まずは3つポイントを挙げ、それぞれを解説していきます。

 

① 起業の「しやすさ」と「成功率」は別の話

②「知識」と「経験」は別の話

③「起業」と「運営」は別の話

 

では、ひとつずつ解説します。

 

① 起業の「しやすさ」と「成功率」は別の話

読んで字のごとくですが、ITの進化により確かに起業コストは減り、多くの人が事業の立ち上げに挑戦しやすくなりました。しかしそれは「方法」がラクになっただけで成功率とは全く別の話になります。やり方がラクになっただけなのです。

 

②「知識」と「経験」は別の話

情報化社会の恩恵で、手元のスマートフォンではさまざまなノウハウや事前リスクを入手できるようにはなりました。しかしここで突然例え話をするならば、映画のあらすじだけを読んで「あの映画を面白かったよ」「感動して泣いたよ」という人はいません、実際に映画館に行かないとその良さ、悪さはわからないのです。つまり「知識」と「経験」は別の話。事前の知識がいくらあっても、書籍や動画をどんだけ見ても、未経験には変わりなく、経験のないことに人は弱いのです。

 

③「起業」と「運営」は別の話

最初の①にも共通しますが、起業はあくまで事業を「始める」だけのこと。昨今、これは役所に事業登録をせずとも「仲間とスタートアップを始めたので起業の一歩だ」と語れはします。しかし、アイディアや勢いでスタートアップしても、その事業を「増益しながら継続的に運営」できるでしょうか。ハードルがこれだけ下がったのですから、もはや事業を立ち上げるだけを誇る時代は終わっています。事業をスタートするのと企業経営とは、まったく別のスキルなのです。

ITがもたらした恩恵と弊害

ITの進化、プログラミングの一般化、パソコンとスマートフォンの浸透により、人間はあたかもテクノロジーに一体化したかのような錯覚も覚えます。

しかし人間の思考は機械のように自動化できるものではなく、試行錯誤を繰り返し、痛みや学びを通し経験が研鑽されていくもの。

ビジネスを立ち上げるだけでなく、継続運営をしていくスキル、会社をつぶさないリスクヘッジと時にリスキーな選択。独立する際にはいったい何が必要で、どんなスキルが必要なのかを掌握してのぞむ必要があります。

「事業アイディアの思いつきセンス」と「お金を稼ぎ循環させるスキル」は別のスキルと事前に理解しておきましょう。そしてもしあなたがお金に弱いならば、そのテコ入れが必要です。

例えば、

 

✔ 起業前に財務の知識をつける

✔ お金に強い(あるいは興味がある)他者と組む

✔ 他社と協業しジョイントベンチャーする

 

これがいわゆる起業家であり事業家という属性の人たちのマスト思考。自分ひとりの力を過信しない冷静さ。勢いだけの起業に成功はありません。

このあたりの社長思考は『これから社長になる君へ【残酷と孤独の社長思考・17の心得】』にマインド面での詳細を書いています。

本質は「問題発見・問題解決」にある

社会に必要とされ、お金もしっかり稼げるビジネスはどんな形であれ「問題発見・問題解決」をしています。

それは国家レベルの大きなプロジェクトであれ、アプリであれ、町の飲食店であっても変わりません。

プログラミングを操り、時に英語を駆使し、未来ではAIやIoTと共に事業をドライブしていこうとビジョンを描く起業家も増えてくるでしょう。

しかし、アッサリと履き違える前述の「3つの勘違い」に注意を払い、スタートアップの運営に臨みましょう。

スタートアップの危険は決して得体の知れないものでなく、起業熱に浮かれた初歩的な勘違いにあるのです。

ビジネスも学び、実践できるIT留学がある

ここまで起業の失敗について語ってきましたが、「知識」と「経験」を同時に積める留学を最後にご紹介します。

✔ プログラミング
✔ 英語
✔ デザイン
✔ ビジネス

事業計画やお金の講座もあり、厳しい実践でITを学ぶ。半年間で社長思考・独立思考を体に浸透させていくIT留学。

それがセブ島のアクトハウスです。もっと詳しくは下記のリンクからどうぞ。

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著者:清宮 雄
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