会社を辞める手順「7つのステップ」退職手続き・言い方や決断のコツ。

会社の辞め方にも手順がある

会社を辞めたい

辞めるかもしれない

と、思っているあなた。

しかし今日も電車に乗り、オフィスに向かい、同じ机に座り残業しているという現実ー。

爆発しそうなストレスに一刻も早くオサラバしたいところですが…会社を辞めるにも「冷静な手順」が必要です。

頭に血がのぼった感情的・衝動的な退職はトラブルの元。ただでさえ神経をすり減らす退職において時間や精神的なロスをしないよう、慎重にすすめていきましょう。

今回は、労働者側の「正しい手順・正しい権利」を事前に理解したうえで面倒なトラブルを最小限に回避する「7つのステップ」で退職への手順を説明していきます。

ではさっそく【STEP①】から【STEP⑦】まで、順番に見ていきます。

【STEP①】「退職後のプラン」を立てる

「辞めてやる!」と、辞表を叩きつけるドラマのような辞め方は一見痛快ですが、そのあとすぐ「お金と仕事」で行き詰まります

最も危険なのは退職後、抜け殻のように「何も決められない、決めたくない」という無職ニート状態に陥ること。

失業保険」でなんとか食いつなぎながら転職活動もという手段もありますが、自己都合退社の場合は申請から3ヶ月も支給されないのです。

人間、不安定な中では冷静な判断はできません。そんな精神状態で転職しては、また同じことの繰り返し。

毎日の仕事は大変と思いますが、ひとつでいいので、退職後の自分の行動を決めておきましょう。貯金と時間のある・ナシでも変わってきますが例えば、

 

✔1)転職先の業界・会社に目星を選定しておく

✔2)新しい会社数社と面談を始めてしまう

✔3)IT留学で技術習得→キャリアチェンジを計画

✔4)ワーキングホリデーを計画する

✔5)息抜きに海外旅行→再就職を計画する

 

上記をそれぞれ解説すると、

1)2)は退職後に即働くパターン。同業での転職イメージです。

3)のIT留学はプログラミングと英語など転職に強い技術習得を経てのキャリアチェンジ。

4)5)は自分へのご褒美も兼ねた休暇型プラン

このようになります。

 

これら「退職後のプラン」があるとないでは、後述【STEP⑤】の「会社からの甘い交渉や泣き」に負けてしまい、結局会社に押し切られしばらく残留になる可能性さえも。

会社を辞めるとは、一見ネガティブなようですが「新しい未来への第一歩」

退職後のプランが即転職であれ、就活であれ、IT留学であれ起業であれ旅行であれ。あなたの「退職の決意」の後ろ盾となってくれるのが「退職後のプラン」なのです。「退職後のプラン=収入・仕事」です。ここを決めておきましょう。

【STEP②】「就業規則」をチェック

退職後のプランを立てたらー。

やっとここから会社に関わる本格的な作業へ。

まずはあなたが勤めている会社の「就業規則」をチェックしましょう。

しかし「そんなもの手元にないよ」という人も多いのでは。ない場合は社内の管理部門などに聞いてみてください。しかし当然、このあなたの動きを見て管理部門の人は「なんで急に就業規則など見たいの?」と思い、全てを察知するはず。小さい会社なら「管理部→社長」に「不穏な動き」として連絡が入る可能性も。ですので、この【STEP②】からの動きはスピード勝負です。

その「就業規則」ですが、確認しておくべき項目は以下。

 

✔1)自己都合退職」の箇所をチェック

✔2)「退職の何日前に会社に言えばいいか」をチェック

 

ようは「辞める宣言するタイミング」を把握します。通常の会社では「退職の1〜2ヶ月前に会社に申請」となっていることが多いです。しかし実はこれ、その会社の勝手な規則でもあるんです。

本来は法律で『賃金が日給制の場合は申し出から14日経過後』『月給制の場合は月の前半に申し出れば当月末』『月の後半に申し出れば翌月末をもって退職できる』と決まっています。

意外と直前でも退職できる。会社とはトラブルなく退社したいところですが、いざというときはこの法律を後ろ盾に合法的に退職も可能です。

【STEP③】「退職日」を決める

就業規則を確認したらー。

次は自分のなかで「明確な退職日」をハッキリ決めましょう。

ここが曖昧では、本番の会社との話し合いが成立しません。なぜなら、会社側の知りたい情報のひとつが「何月何日に辞めるつもりなのか?」だからです。ここで「2ヶ月とか3ヶ月くらい後には…」など曖昧に言おうものなら、会社は「よしよしじゃあ半年はやってもらおう」「2〜3ヶ月もあれば十分留任の説得もできるわ」と考えます。

しかし退職する当人は、不思議なことにこの「退職日」について悩んでいるうち面倒になり「まあもう少し頑張るか」となる人もいるのです。なぜでしょう?それは、例えばこんな悩みが出てくるからです。

 

✔1)ボーナスをもらってから辞めたいな…

✔2)いやボーナスをもらってからすぐ辞めるとモメるかな

✔3)あのプロジェクトが終わるまでは辞められない…

✔4)会社の決算前はさすがにアカンよな…

✔5)有給まとめて取るならいつがトクかな…

 

などなど。いろいろ自分のなかでのモヤモヤが始まり、ここで立ち止まってしてしまう人もいるのです。ボーナスなどのタイミングはもちろん大事ながら、1番大事なのはあなたの労働マインドが持つかどうか。嫌な職場、好きになれない仕事の日々をまた繰り返すよりも、話し合いの前に具体的な退社日を自分のなかで決めてしまいましょう。

なお、一般的に「9月」は転職繁忙期と言われており、その前月の8月から退職の準備を進め転職活動に入っておくという方法もあります。しかし9月は1年に1回しかありませんから、ここにとらわれず、あくまで自分の人生プランのタイミングを優先しましょう。

【STEP④】「退職理由」を整理する

自分のなかで退職日が明確に決まったらー。

次に会社に伝える「退職理由」を整理しておきます。

面と向かって上司と話すときに「一身上の都合により」の一点張りでは会話が成立しません。そこで「それらしい理由」が必要になるわけです。ここでのポイントは以下。

 

✔1)退職理由を会社のせいにしない

✔2)キャリアチェンジなど「前向き」な理由

✔3)セクハラ・パワハラの場合は対抗方法を知っておく

 

上記1)2)は「ポジティブ作戦」です。会社は、会社の文句には反論できても、あなたの次の人生プランには反論できないですから「相手が入って来れない領域の話」で城壁を作れます。

上記3)の出しどころは慎重に。セクハラは社内の相談窓口にするケースもありますが、小さな会社にはそんな窓口はありません。もしあっても上層部と繋がっているならば訴えてもモミ消されます。それがわかっている場合は、会社でなく行政に相談しましょう。全国の都道府県にある「都道府県労働局雇用環境・均等部」へ。しかし行政は動かない場合も多々あります。その際は専門のNPO団体に依頼すると良いです。NPO団体は「相談無料・実行対応有料」であったり、最終的には弁護士を紹介するケースもあります。

退職理由は、ウソをつく必要はありませんが、仕事のストレスなどの話に偏ってしまうと、上司と話がこじれるだけ。セクハラ・パワハラなど事件性のない理由での退社ならば、自分のなかで「なるべくポジティブな理由」「他者が介入できない未来の話」でをまとめておき、余計なことを言わせないのもコツ。

【STEP⑤】「退職交渉」にのぞむ

自分のなかで退職理由が整理できたらー。

次はいよいよ本番。「退職交渉」です。

必ず直属の上司に話をしてください。ポイントをまとめます。

 

✔1)話は必ず直属の上司

✔2)甘い交渉や泣きに負けない

✔3)個人の理由にする(起業など)

✔4)話は「ポジティブ」にする(必要以上の争いの回避)

 

ここで注意なのは、会社側からの「2)甘い交渉や泣きに負けない」こと。譲歩を飲むと話が振り出しになります。そして後日、あなたは上層部や社内で「辞めようとした人」「退職を撤回した人」となり余計に働きにくくなる可能性や、出世コースから外されるかもしれません。古い体質の会社やブラック寄りの企業、ワンマン社長の中小企業などではこのあたりは要注意。

退職の決断は変えない。日程も決して譲らない。延長線に持ち込まれたら負けたも同然です。

中小企業の場合、上司が社長の場合もあり、非常に言いにくいこともあるでしょう。しかし間違っても退職の話を同僚や仲の良い先輩などと進めないこと。上司があとでそれを察知したら「勝手なことを」「私をさしおいて」と、不必要なトラブルに発展します。

この退職交渉は会社からの「承認」をもらうという名目にはなりますが、決して主導権は会社にはないことを知っておきましょう。

【STEP⑥】「退職願」「退職届」を作成し渡す

退職交渉で退職日など条件が決まったらー。

退職願」もしくは「退職届」もしくは「辞表」を作成し上司に提出します。

ここでこの3つの文書のちがいを整理しておきましょう。

 


 

①退職願とは?

→会社に「辞めるお願い」を出す文書。退職届より柔らかい。一般社員はコレを使用。

②退職届とは?

→会社に「辞めると宣言」する書面。会社側が退職交渉を断ってきたりした場合などの強行突破の手段。

③辞表とは?

→「役職がある人の場合」はコレを使用。退職届と同じ効果。

 


「退職願」と「退職届」のサンプル画像


 

上記画像は「退職願(右)」と「退職届(左)」のサンプル。文章中の語尾が異なる矢印の箇所に注目してください。「退職願」はあくまで「お願い」であり、「退職届」は決定事項を「届け出」しているという大きな差があります。

そして、これらの文書を渡すタイミングは下記「2パターン」存在することも重要ですので覚えておきましょう。下記がその2例です。

 

1)退職交渉「時」

退職交渉時のその場で上司に渡すパターン

2)退職交渉「後」

退職交渉時の話を経て、後日、上司に渡すパターン

 

上記の1)だと話し合いの内容関係なく、事前かつ一方的に退職書面を持ってきたことになります。

2)だと「話し合いを経ての提出」になるので安全です。

【STEP⑦】「引き継ぎ」に入る

ここまでの手順が終わったらー。

引き継ぎ業務を行います。引き継ぎと言ってもその種類はさまざまなので最後まで気を抜かずにいきましょう。もうひと頑張り。「飛ぶ鳥跡を濁さず」です。

 

✔1)社内への仕事の引き継ぎ

✔2)退職1週間前〜当日は社内への挨拶とメール

✔3)担当顧客への挨拶とメール

✔4)協業パートナーへの挨拶とメール

✔5)社長への挨拶

 

上記にある「挨拶とメール」も、組織人である以上、勝手に作成・送信してはいけない場合ももちろんあるので、作成後は上司に確認を取りましょう。小さな会社であれば、上司だけでなく、社長にも最後挨拶をするとその時は緊迫しても角は立ちにくいです。いちいちいろいろストレスですが、丁寧かつ慎重に進めましょう。

引き継ぎはもちろんなぜ挨拶が大事なのかというと、退職後も「源泉徴収票」の取得のために数カ月経ってから管理部門に連絡したり、何か所用で再度行かなければならなかったり、が発生することがあるからです。そのときに多少でも話がしやすい状態にしておくことはベストです。もちろんそこにとらわれて、下手に出過ぎる必要などはありません。ただしコツとしては、辞めるからと言って超・険悪な態度をとるなど意図的な攻撃を仕掛けているとあとあと自分の首をしめる形勢になりかねない、ということ。

あなたがどんなに会社でこれまで業績を残したり、貢献してきても「辞め方」がいい加減だと評価の印象はそれで決まってしまいます。「辞めるし関係ねえ」が出すぎると、お世話になっていた先輩や同僚までもあなたを見限ることがあります。

将来何があるか、例えば仕事で再会するかもわかりませんから、もし可能であれば最後までスマートにいることが何らかの可能性を残すことにもつながります。パワハラ・セクハラなどの事件性が伴う退社の場合は別として、常識の範囲での退職の場合は、辞める側も会社側への配慮はやはり必要になってきます。

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退職後の大胆なキャリアチェンジに

本記事では「会社を辞める手順」を見てきました。

単に辞める、といってもさまざな段取りや気遣いが発生します。ストレスがあることは確かですが、このステップを経てのみ、次の扉が開くのです。決してネガティブにならず「退職は新しい第一歩」ととらえ、会社や上司の重圧をはねのけて突破しましょう。

最後に、会社を退職し、退路を断った社会人が多く参加しているIT留学をご紹介します。

異業種からIT業界へのキャリアチェンジ、未経験からの起業やフリーランスデビュー、海外・国内就職を実現するための留学。

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著者:アクトハウス代表 清宮 雄
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