セブ島ってどんな島? 知っておきたい現状、セブ島留学や旅行のコツ。
セブ島は事前勉強が必要な島
セブ島というとハワイのような海、整備された海岸沿いでショッピング! というイメージを持つ方も多いかもしれません。
結論、ちがいます。
しかし現在も多くのメディアで、セブ島の写真は爽快な南国のビーチだけが使用されているのが散見されます。
実際はセブ島の中心地セブシティに暮らすとなると、南国パラダイスな面はなく、ほかの面が強いです。そこを抑えておかないとせっかく留学や旅行に来ても「あれ…? 海ないの???」となってしまう方も。
「島だし、まあ行けば海とかあるだろうし、なんとかなるっしょ」では失敗します。
そう、セブ島は簡単そうで、事前勉強が必要な島なんです。特長をしっかり抑えて留学や旅行にのぞみましょう。
セブ島「8つの特長」をつかんでおこう
今回はセブ島の特長を、中心地であり最も旅行者と留学者の滞在が多いセブシティに住んだ場合として「8つの特長」に分けご紹介します。
こちらに来てからびっくりしたり落胆したりしないよう、本ページが少しでもお役に立てればと思います。逆に事前に把握しておくことで、セブ島をうまく使いこなすことができます。
海外であればどこでもそうですが、留学や駐在などの長期滞在においては、日本の感覚を引きずって入国せずに、その国や島が持つ多様性、ギャップ、意外に広大な面積を把握しているかが大きなポイント。セブ島留学においても同様で、事前に雰囲気を少しでもつかんでおくことをおすすめします。
セブ島「8つの特長」
まずセブ島の8つの特長とは、こちら。
①「きれいな海は遠い」
②「巨大ショッピングモール」
③「まだまだ発展途上」
④「語学留学というマーケット」
⑤「ライス王国」
⑥「大手高級ホテルなどのリゾート」
⑦「ジンベイザメや天然の滝など」
⑧「歴史の痕跡」
①「きれいな海は遠い」
町から歩いて5分で海、ということはありません。産業の中心である「セブシティ」は、セブ島を「日本」と見た場合、中心地の東京の位置づけ。東京から海が遠いのと同じで、セブシティからもだいぶ遠く、目指す場所によってはさらに船の移動が必要な場合も。もちろん船が停泊しているような単なる「湾」であれば近いですし、都心にありがちなキレイでない海なら近いです。
近場で安全な海、と言うとしたら本ページの⑤でも説明する「大手高級ホテルなどのリゾート」の人工的なビーチは車で50分ほど。それでも道が混んでいれば1時間以上は覚悟。その高級ホテルが有するビーチのデイユース(「部屋なし」でビーチやシャワーが使えランチやビュッフェがついているサービス)が約5,000円かそれ以上。その代わりキレイなラウンジやプールがあるなどゆったりしているホテルが多いです。このホテルの「施設感」が嫌な人は本ページ項目⑦でご説明する天然の自然を目指すと良いでしょう。
しかし島なのに、なぜキレイな海がそんなに遠いのでしょうか。
答えは「セブ島は決して小さくはない島」だからと言えます。
セブ島自体は何となくこじんまりしていて小さいイメージを持つ方もいるかもしれませんが、その面積は東京都の2倍以上。そのため、美しい名所や、ビーチへ行くにはバスで片道3〜4時間の旅になります。それでも時間の感覚にはフィリピン人と日本人の間には大きな隔たりがあり、セブ島の方々は数時間でバスの移動ということに抵抗を持っていません。なので気軽に誘ってきてくれます。数分、数十分でイライラしない国民性。ゆえに遅刻も多いのがフィリピンの方の特長です。このあたりも世界に出るといろいろなことがわかる醍醐味だと言えるでしょう。
セブ島の面積
東京の面積
(Google検索より)
②「巨大ショッピングモール」
タクシーに乗るとよくわかりますが、ローカルなエリアが終わったかと思うと急にショッピングモールが表れます。その近隣には大型のホテルやコンドミニアムが立ち並んでいます。
東南アジアでは、開発=ショッピングモールまたはコンドミニアムという側面も強く、セブ島で工事中の物件の多くはこの2つに当てはまるでしょう。ショッピングは、中華系財閥の中心であるヘンリー・シー率いるシー財閥の「SM」、スペイン人が創始者である「アヤラ・グループ」に分かれます。
いずれもセブ島のみならずマニラの都市開発にまで大きく関わっている巨大コングロマリットであり、そのスケールは日本では考えられない広大なショッピングモールとなっています。
(SMシーサイド)
③「まだまだ発展途上」
さまざまなエリアにおいて、道にはバラックといわれる簡易住宅が立ち並んでいます。また、川沿いには多くの人々が暮らしています。急速に発展している首都マニラにもまだそういった面は多くあり、フィリピンが「今後10年(もかけて)成長著しい国」と言われる所以はそこにあります。
それは東南アジアのフィリピン・セブ島に暮らす人々の日常です。日当は数百円の仕事もざらで、決して裕福ではない方々も大勢いらっしゃいます。
✔多くのエリアは未開発。南国パラダイスではない
未開発のエリアが多いです。野良犬もいますし、町角の路面店の食堂は衛生上優れているとは言い難いお店も多々。日本が標準の目線で見ると最初は驚くことも多いでしょう。セブ島は東南アジアの古い風景が多く残されている島なのです。
なおアクトハウスの周辺は下記写真のような風景とは異なります。こちらからご確認どうぞ。
✔古き良きフィリピンもあるのがセブ島
整備されたエリアもあれば、まったくの昔からの町並みが残っているエリアもあります。この写真は野菜や果物、日常雑貨が売っている卸売市場、セブ島でも最も古いエリア『カルボン・マーケット』の近くです。
✔セブ島の「ジプニーやタクシーなど移動コストは格安」
町には、乗車料金15円ほどの「ジプニー」と言われる乗り合いのバスも走り巡っています。ただし安いからと言って油断は禁物です。観光客を狙ったスリもいるので、日本ほど決して高くはないタクシーでの移動(初乗り100円前後)で十分です。
④「語学留学というマーケット」 なんで留学学校が多いの?
日本ではここ最近になって「セブ島留学」という言葉も浸透してきましたが、中国や台湾、韓国の「英語を幼い頃から重視する」国民性を持つアジアの国々にとっては、フィリピンが英語圏であることは注目に値していました。東南アジアのひとつの国にも関わらず、国民の80%が英語を話せるというのは大きな特長です。フィリピン共和国の歴史は、
●スペイン植民地時代(1565年-1898年)
●アメリカ植民地時代(1898年-1946年)
●独立以後の時代(1946年-現在)
以上に大別されます。英語がここまで浸透していることや、ピザやハンバーガーなど欧米的な食事のお店が多く好まれるのは、こういった歴史的な背景が大きく関係しています。
生活費も安く、アジアからの時差・移動距離も少ない(日本との時差1時間・フライト時間約5時間)フィリピン、しかも英語が得意な国民性から「アジアに向けた英語留学」というビジネスが発展してきました。台湾や韓国のかたはアメリカなどの完全なる英語圏、高速で英語を話すのが当たり前の国々へ渡る前に、まずはフィリピンで英語力をつけるという流れができています。これはフィリピンが「英語を比較的ゆっくり話す」「タクシーの運転手はスペイン語寄りのカタコト英語の発音も多い」ことから、アジアの人にとっては多少ハードルが下がる英語でもあるからです。
またフィリピンの人にはタガログ語、セブアノ語といった地元の言語があり、英語は「外国語」です。ですので「外国語を話せない人・留学生」への理解は大変深く、英語が話せなくても見下してくることはありません。英語は話せて当然という感覚を持っていない性格の国民性とその寛容さも、基礎的な語学学習のステップとして助かります。こういったバックボーンがあり、セブ島にはフィリピン人講師による語学留学というマーケットが築かれています。
そしてアクトハウスでは英語のレッスンについて、セブ島でも珍しい「完全個室のレッスン」を提供しています。
(アクトハウスの英語レッスン)
⑤「ライス王国」
その歴史的背景から、ピザやハンバーガー、パスタやシェイクなど欧米的な食事のお店が多く好まれる一方、2015年にトリップアドバイザーが発表した「世界で最もお米を食べる国ランキング」では『7位』(日本は50位)。
マクドナルドやケンタッキーに当然のようにライスメニューがあるなど、お米は国民食になっています。東南アジアなライス食や格安なフィリピン料理、モールでコテコテのアメリカン、スペイン料理、インドや中華、ちょっと大味な日本食など、食もカオスなところがフィリピン・セブ島の特長です。食べ歩きが大変な場合はデリバリーのアプリ『フードパンダ(foodpanda)』を利用し、宅配でまずは味見もいいかもしれません。
ただし「味」に過度な期待は禁物です。決して、日本のレストランでとりあえずでも味わえるような無難なものでさえ、セブ島では最初引き当てるには苦労するでしょう。ただしそれなりに高級なレストランであれば、期待に応えてくれるお店は多々あります。
(マクドナルドのライスメニュー/宅配アプリの「フードパンダ」)
⑥「大手高級ホテルなどのリゾート」
世界的な高級チェーンホテル「シャングリラ」や「モーベンピック」といった豪華なホテルが立ち並ぶエリアは、セブ島の対面にある「マクタン島」にあります。マクタン島はセブ島の玄関となるマクタン空港のある島で、セブとは大きな3つの橋でつながっています。
セブ島からマクタン島へは車で30分、ホテルエリアまでは場所によりますが早くて40分、なんだかんだとだいたい50分くらいをみておくと良いでしょう。これらホテルは砂浜と人工的なビーチを擁しています。ホテル専用のプライベートビーチであるため、どこまでも続く白い砂浜というわけではありません。コンパクトなビーチです。これらのビーチはホテルの宿泊客か、日中のみ部屋なしで過ごせる優良の「デイユース」というかたちで利用できます。デイユースといっても高級ホテルなので有料で、項目①でのご説明とおり約5,000円以上を見ておくことになります。その代わりキレイでラウンジなどもゆったりしているところが多いです。
ただし周囲は何もないので、バーケーション的な世界があるのはこのホテル内のみ。ちょっと買い物に行こうものならホテルが出しているシャトルバスやタクシーで、ローカルエリアを抜けて50分〜1時間かけセブ島まで向かうことになります。このあたりもふまえたうえで高級ホテルを選択するか、セブシティにあえて宿泊し高級ホテルのデイユースをのみを利用するかなど作戦立てておくといいでしょう。旅の前半は何かと便利なセブ島のセブシティ、後半は贅沢してマクタン島のリゾートホテルというハイブリッドな宿泊プランもいいかもしれません。その場合でもセブシティだけに活動を絞らず、次項目⑦でご紹介する「セブ島から行ける島々」に挑戦するのが旅の有意義さは増してきます。
良いホテルのデイユースなどの情報はアクトハウスの日本人スタッフが詳しいので、アクトハウスに留学に来られた際はコツや攻略法を伝授できます、ご相談ください。
(モーベンピックホテル)
⑦「ジンベイザメや天然の滝、スミロンやパラワン」
世界で初めてジンベイザメの養殖に成功したオスロブの海は、セブシティからバスで約4時間の場所にあります。電車も飛行機もありません。ジンベイザメと泳いだあとは天然の大きな滝カワサンフォールや、海の透明度抜群の神秘的な島でありフィリピンで初めて海洋保護区に指定されたスミロン島へというコースもあります。
(ジンベイザメと泳ぐアクトハウス1ヶ月コースの参加者)
(スミロン島)
✔パラワンは世界No.1のスポットに。セブ島から1.5時間。
作られたリゾートでなく、手付かずの自然の秘境を訪れたい人にはフィリピンは最適なスポット。島が「7,107個」もある多島国家がフィリピンです。世界の観光地ランキングで有名な米国最大の旅行マガジン「Travel+Leisure」が、2017年「リゾートアイランド・トップ10」を発表。その1位に選出されたのはフィリピン・パラワン島です。セブ島からのアクセスならば片道1万円程度、飛行機で1.5時間程度。旅人には嬉しい距離感になると思います。しかしここも着いてからさらに移動の時間を見ておかないとパラワンでも時間がなくなってしまいます。着いてすぐビーチ!何もかもそろっている!ことがないのはセブ島と一緒です。いずれにしろ、島をめぐるならハブ地点をセブ島と捉えておくと、南北の島々への行動範囲の自由度が変わってきます。
(パラワン島)
⑧「歴史の痕跡」
セブ島のあちこちには、歴史の痕跡がいまも残っています。セブ島最大の『シマラ教会』やポルトガル人の冒険家マゼランがキリスト教布教のために建てた大きな十字架『マゼラン・クロス』。この場所は、初めてキリスト教徒になった王と女王を始めとした約400人が洗礼を受けた場所と語り継がれています。
また、マゼラン・クロスに隣接するサントニーニョ教会には、そのマゼランが贈ったとされるという『サントニーニョ像』(幼きイエスキリストの意)が。毎年1月の第3日曜日にはこのサントニーニョの誕生を祝す『シヌログ』というお祭りも開催され世界中から観光客が訪れます。他にはフィリピンの戦争に関わる苦難の歴史的背景を知ることができる『サン・ペドロ要塞』もあります。これは日本も大きく関わっているバックボーンを持つ痕跡となるため、背景を知ったうえで訪れると良いでしょう、またカルボン・マーケットと言われる、昔ながらの巨大市場も多くの地元民で賑わっています。
注意なのは、教会に行くときです。ノリノリ・キラキラの観光地をイメージをしてはいけません。教会は観光地ではなく地元の人々がお祈りをされている、とても大切な場所
です。国民の9割がキリスト教であるフィリピンでは、毎週日曜日に家族で礼拝へ向かうのは一般的です。そのため教会見学においてはマナーと節度を持ち、現地では最大限の配慮をして臨みましょう。
(シマラ教会/カルボン・マーケット/サントニーニョ教会)
海外で暮らすということ
数日の滞在でなく、海外で暮らすということは側面的な体験以外をすることができます。その国の良いところはもちろん、自分にとって全くフィットしない面も大量に出てきます。生活や食事の部分部分のみならず、死生観までもちがう国に身を置くことはそれだけでも大きな学びになります。世界は広く、日本の物差しだけでみてはいけないことを痛感できます。
その国々のリアルを体感する
例えばフィリピンの貧しい一面を見た時。反対に自分の想像以上にゴージャスな一面を見た時。「お金ってなんだろう」「グローバル化って本当はどうなってるんだろう」「自分には何ができるんだろう」「日本にいたら何も知らなかった」という問いや不安が自分のなかで出てくるかもしれません。これは日本と変わらない近代化しきった国に留学や旅行をするケースとは異なる体験です。
進化している国、これから発展途上の国、またその中間にある国など、いろいろな国に旅をしたり留学したり、ワーキングホリデーをしたりすることは自らの知見を広めるのに役立ちます。インターネットやテレビでは決してわからないリアルを体感することができるのです。
留学することの学び
いろいろな価値観のあるこの世界のなかで、ただ発展だけをしている国はありません。格差は日本のなかでさえも広がっています。欧米の国々でも、日本でさえも、都心部だけがその国を象徴していることは決してなく、むしろ内陸の7割に相当するエリアがその国の本当の表情であったりします。セブ島で海を求め片道4時間のバスのなかで、その風景を見て何か感じること、気づくことがあるかもしれません。逆に「日本はなんて整った国だったんだ」という感情がわいてくるかもしれません。
世界へ出て、実際に暮らし、大きな視点で見て、自分の心で感じ取れるようになること。世の中にはさまざまな価値観があり、そして各個人個人に人生があり、命が宿っていること。これらを垣間見ることが海外に長期間身を置いて暮らすことの、留学・旅行することの学びのひとつと言えるでしょう。
そんなセブ島でなぜ「IT留学」を?
ローカル感満載、まだまだ発展途上。
そんなセブ島で、プログラミングと英語、さらにビジネスとデザインを学ぶが「アクトハウス」というIT留学があります。
ITというと、なんだか未来的な響きがありますが、いったいなぜこの地でそのような留学を展開しているのでしょうか。
『なんでフィリピン?アクトハウスはなぜセブ島でIT留学を?』では、その秘密にも迫っています。本ページでは触れてないフィリピンやセブ島のお話も。併せてご覧ください。
※当サイトはセブ島のIT留学「アクトハウス」のホームページです。「プログラミング/英語/デザイン/ビジネス」を学ぶIT留学はアクトハウスへ。