売れる企画や事業ヒントのコツは?「3つのイノベーション」を考察。
「売れる企画」はビジネスのセンス
「なにかアイディアないの?」
「おもろい意見は誰も持ってないんか…」
「なんかこう、変わった発想はないわけ?」
こんな風に詰められるようでは、ビジネスマンとしてまだまだかもしれません。
いわゆる「売れる企画」のビジネスセンスは、コンテンツ至上主義の現代において不可欠な要素。ビジネスとはアイディアであり、アイディアの積み重ねこそがビジネス。
しかし、これだけ「モノ」があふれる現代。
議論や討論だらけの現代。
この現状のなかで、新しい何かを生み出すことはできるのでしょうか。出尽くしたわけではないでしょうけども、そうそうカンタンでないのは察しがつきます。
もしできるのならば、そこにコツはあるのでしょうか。
今回は世界を揺るがせている事業やサービスの例を3つご紹介します。
成功事例その①『トルネード・ハンターズ』
「撮影班」+「エンターテイメント」
竜巻大国・アメリカ。
その被害レベルは尋常でなく、ニュースで一度は目にした人も多いでしょう。これら竜巻は「トルネード」と呼ばれ、突発的に現れるこのモンスターに、人間たちは為す術はありません。
トルネードの調査は、竜巻研究の第一人者と言われるオクラホマ大学のワーマン助教授が有名で、その研究の様子は日本でもテレビ放映されたことも。また、トルネード自体もハリウッド映画では『ツイスター』や『イントゥ・ザ・ストーム』といった作品で扱われ、ディザスター・ムービーのブームを後押ししました。
しかし、華ある研究者やトルネード自体でなく、この竜巻を取り巻く人間たちのなかでも「脇役」に位置するキャラクターを主役に抜擢し、成功したテレビシリーズがあります。
それが脅威の自然現象を追う「撮影班」の奮闘をドキュメントにした『トルネード・ハンターズ』です。
このポスターのイメージはまるで映画のようですが、こなれた俳優が出てくるわけではありません。しかし竜巻撮影に挑む男たちを英雄に見立て、限りなくキャッチーなエンターテイメントに仕上げています。シリアスな要素は取っ払い「竜巻があるところに飛んでいく」という企画だけで押し通しています。
その予告編、とぼけたようなキレっぷりも人気の秘密。
このシリーズには「竜巻で1時間のテレビ番組は無理だろう」というネガティブな要素は微塵もありません。きっと制作会議では、いろいろな反対意見もあったかもしれません。
しかし、企画マンはそこで折れてはいけないのです。この不屈の精神、脇役に息吹を与える視点こそが「イノベーション」となり、今や「トルネード・ハンターズ」はアメリカ、カナダ、東南アジア各国でもお馴染みの特番となっています。
成功事例その②『EDM』
「名曲」+「ダンスミュージック」
この2年間で、音楽シーンを完全に席捲したジャンルがあります。
EDM
です。ド派手なステージにはポツンと「DJ」1人だけ。選曲されるダンストラックに合わせ、数万人が一晩中踊り続けるフェスティバルは、今やEDMなしには語れません。年間3,000億ドル産業に化けたEDMという現象は、この日本でも巨大フェス「ULTRA」の開催が話題になったことで知った人も多いでしょう。
しかしEDMという音楽自体、聴いてみれば何か目新しいジャンルというわけではないのです。ただこのEDMは、ダンスミュージックを深く知ることのなかったユーザーたちにとって、初めての「歌える4つ打ちダンスミュージック」でした。
元々世界共通のダンスビートである「4つ打ち」に、
◉ 誰もが知る名曲のサビだけを乗せた
◉ 1回で覚えられる歌だけを繰り返し乗せた
こんな遠慮のない「足し算」が、それまでダンスミュージックなど気にも止めなかったユーザーの心をつかみました。一見、自由なようで閉鎖的であったクラブ・シーンの壁を壊していったのが「EDM」だったのです。
実際にEDMのフェスティバルで重宝されるような「有名な歌ものトラック」は、DJ界隈では昔から「マッシュアップ」と呼ばれており、非公式の海賊盤がおふざけ程度に出回ることはありました。しかし決してそれらのトラックは、メインストリームで重宝されるような評価は受けていませんでした。ところがEDMでは「歌ものトラック」こそが、最も観客がひとつになる瞬間に投下されます。オリジナル曲を愛するファンが聴いたら卒倒しそうな、コールドプレイやオアシス、時にはニルバーナやビートルズといった誰もが知るバンドの曲の「サビだけ」を遠慮なくサンプリングした曲で盛り上がるのです。
さらにそれらの名曲フレーズが、他の大ヒットソングとミックスされ、会場は歌とダンスのカオスと化していく現象。
「ロックコンサートの大合唱」と「自由奔放なダンスイベント」が混在する、その様子をちょっと見てみましょう。
この「歌って踊れるダンスミュージック=EDM」というイノベーションは、
「名曲」+「ダンスミュージック」という「足し算」にありました。
言い換えれば、ユーザーが求めるものだけに絞りきった「欲望の産物」とも言えます。もちろんEDMには歌モノだけでなく、ノイジーなものや素っ頓狂なフレーズのエレクトロ、トランスやポップスなど、あらゆる技法やフレーズが詰め込まれており、その統一されたカオスが人気に拍車をかけていることも確か。それゆえにこの音楽は「エレクトリック・ダンス・ミュージック(EDM)」と妙に広義なネーミングで定義付けられており、掟破りのブランディングがアッサリ強行されています。
ちなみに先程の動画のDJ、デビッド・ゲッタ(David Guetta)の2015年の年収は「44億円」。動いているお金も桁外れとなっています。
成功事例その③『ノマ』
「哲学」+「料理」
現代において《世界一のレストラン》と称される「noma」(ノマ)。
デンマークはコペンハーゲンにひっそりと佇む、この世で最も予約が取れないお店。
ここの料理はよくある「芸術と料理」という枠を越え、もはやビジュアルだけでは食欲も湧いてこないような「哲学」の領域へ入っています。しかしその味は格別極まりないものと言われています。
まずはその「哲学」である「料理」たちを見てみましょう。
そもそもデンマークと聞いて「食」をイメージする人は、この「noma」以前には少なかったと思われます。経営者であったクラウス・マイヤーも「デンマークには誇るべき伝統食文化なかった」と当時を振り返ります。
ではなぜ、この国から《世界一のレストラン》は生まれたのでしょうか。
「noma」は料理をつくる前に「マニフェスト」を作りました。
それは「ニュー・ノルディック・フード・マニフェスト」と呼ばれ「新しい北欧料理のための公約文書」として位置づけられました。「消費者・料理人・生産者・小売といった食と流通に関わる全ての人はもちろん、政治家や企業家も協同し北欧の国々に利益を生み出すこと」といった高い思想が掲げられているのがこの文書です。1軒の街角のレストラン、しかもチェーンでもなんでもない、資金力も知名度もないレストランが掲げる公約にしては、度が過ぎていたかもしれません。しかしこの「度が過ぎていることを、真顔でやり続けるのがイノベーション」でした。
ノマの動画も見てみましょう。
料理のビジュアルや使っている素材もセンセーショナルなそのスタンスは、物好きな美食家たちをザワつかせるのに十分な要素ばかりでした。ちなみにこの「noma」は素材にこだわるあまり、過去2回、大赤字で閉店の危機を迎えています。
食文化の醸成が皆無とも言える国で生まれた「哲学」+「料理」という「足し算」。
現在、「noma」が用意できる年間の座席数2万席に対し、問合せは100万件とも200万件とも言われている。大満足して帰りたいなら、一人あたま10万円は用意したうえで挑戦すべきレストランだそう。
「足し算・ユーザー・楽しむこと」
イノベーションとは、何もスマートフォンに代表されるITやWebに限ったものではありません。「企画」が入るすき間は、日常のビジネスにおいても、まだまだ無限に存在しています。
今回見てきた3つのイノベーションは、そぎ落としていけば実にシンプルな構成になっています。
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◉ 昔からある各ジャンルの足し算であり、
◉ ユーザーを第一に考え、
◉ 何よりも自分たちが楽しんでいる。
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「足し算」「ユーザー」「楽しむこと」。
これらは普遍的なビジネスの要素であると言えると思います。
新たに何かビジネスやサービスを考える時に、ここを軸に考えてみるのはいかがでしょうか。
「プログラミング/英語/デザイン/ビジネス」を学ぶIT留学
イノベーションはどこにヒントがあるのか。どのように考えるのか。そして集客方法とは?
このようなテーマのビジネス講座もありつつ、プログラミングやマーケティング、デザインなど、時代の中心にあるナレッジとスキルを吸収する留学があります。しかも、参加者のほとんどはプログラミングやデザインなどのIT、マーケティングなどのビジネスもビギナー。
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— アクトハウス@IT留学×英語×ビジネス (@acthouse_) 2018年11月19日
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