SMAP騒動・ベッキー不倫がトップニュースの日本。そのとき世界で何が起こっていたか。

ベッキー不倫報道。
ASKAブログ騒動。
DAIGO・北川景子結婚。
SMAP解散の噂。

正月明けから日本は、さまざまな芸能ニュースで埋め尽くされている。

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ところで、筆者は「フィリピンのセブ島」で暮らしている。

ここセブ島は完全に英語圏。ニュース番組はもっぱら米国CNNや英国BBC、地元のニュースがメインとなる。もちろんセブ島で、SMAPについて報道されることはない。代わりにメディアから流れてくるのは、これでもか、というほどの「悲劇の報道」ばかりだ。

これから挙げる世界のニュースを盾に「日本の芸能ニュースなどに気を取られず、世界を見るんだ!」などという、しょうもない講釈を垂れるつもりはない。

実際には世界がどれだけの狂乱に巻き込まれようとも、SMAPを大切に思うファンが、その行く末を固唾を飲んで見守った気持ちを誰にも否定することはできない。デビッド・ボウイに憧れた世代たちが、涙さながらにその死を悼むのを誰にも止める権利はないのである。

ただやはり、目と耳と、気持ちと興味を、もう少し世界に向けるときが来ているかもしれない。

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無差別テロ事件が、2016年に入ってから加速している。年明けからわずか3週間あまりのニュースを「抜粋」するだけでも、すごいペースで勃発している。

どうして世界はこんなことになっているのか。
いつからこんなことになってしまったのか。
この先世界はどうなっていくのだろう。
 



 
【1月7日】(日本:ベッキー不倫報道がピーク)
新人警官が50人死亡:リビア

警察訓練所で、爆弾を積んだトラックによる自爆テロが勃発。敷地内には爆発時、新人の警官数百人が集まっていた。犯行声明は出ていない。
 
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(BBC NEWS)
 



 
【1月11日】(日本:DAIGO・北川結婚報道)
市民51人が死亡:イラク

自爆テロで少なくとも計51人が死亡。過激派組織「イスラム国」(IS)が「異教徒のたまり場への攻撃に成功した」と発表。他地域でも自爆テロで少なくとも計33人が死亡。

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(REUTERS.COM)
 



 
【1月14日】(日本:SMAP解散報道)
市民7人が死亡:インドネシア

過激派組織「イスラム国」(IS)が犯行声明を出した。1回目の爆発は「スターバックス」の店舗内で勃発。(JNM2016)
 



 
【1月16日】(日本:SMAP解散報道)
市民20人が死亡:アフリカ

2台の自動車爆弾が爆発。米テロ組織監視団体SITEによると「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」(AQIM)に属するイスラム過激派組織「ムラビトゥン」が、襲撃を実行したと主張した。(時事ドットコム)
 



 
【1月17日】(日本:SMAP解散報道)
市民135人死亡・400人拉致:シリア

過激派組織「イスラム国」(IS)が、シリア東部で一般市民400人を拉致。市の60%を占拠し、シリア市民135人を殺害した。

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(ANTI.WAR.COM)
 



 
【1月20日】(日本:SMAP謝罪報道)
学生21人が死亡:パキスタン

武装勢力が大学敷地内に侵入して銃を乱射し、学生や教職員ら少なくとも21人が死亡、50人以上が負傷した。武装勢力「パキスタン・タリバン運動」(TTP)の一派が犯行を認めた。犠牲者の多くは学生寮で射殺されていた。

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(DAWN.COM)
 



 
この広い世界、悲劇のニュースが起きている同時刻に、どこかでハッピーなニュースが存在する。おバカで笑えるニュースが拡散されているときに、数々の悲しい事件が起きている。

人間は泣くことと笑うことは同時にできない。だから笑っている人に「世界は悲劇に包まれているのに笑うな」とは言えないし、泣いている人に「世界は楽しいことだらけなのに泣くな」と言うのは、余りにも自己中心的すぎる。Facebookのプロフィール写真をトリコロールに変えた人たちに「他のテロのときはやらないくせに」と言うことなど、感情と見解の押し売りなのである。自分がその情報に詳しければ「他の悲劇についても祈ろう」と手を差し出すべきなのだ。

しかし、そんなカオスの毎日のなかで「感動」も「悲劇」も何もかもが、数秒で片付けられていく世の中になったことは確かだ。

例えば、筆者が暮らすこのフィリピンのセブ島。ここで世界規模の「美談」が生まれた。

「マクドナルドの明かりで勉強する少年」だ。

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この写真は世界中を駆け巡り「感動ストーリー」として拡散された。

しかし、それはユーザーにとってはネットサーフィン中の瞬間的なこと。この写真を見て「2秒くらいホッコリして」「いいね or シェアして」さっさと次の話題を探しにいく。もうこの少年に用はないのだ。
 



 
私たちはインターネットを手に入れた。スマートフォンを持つようになった。

すると「悲劇」も「感動」も、次々とスワイプするようになった。

どんな情報も、過去に捨てていく抵抗がなくなった。

本当に大事なもの、見過ごしてはいけないものを捨てているかもしれない。

本来立ち止まって考えるべき問題も、スクロールしていないだろうか。

見たいものしか見なくなってないだろうか。

世界は思っているより、もっと美しいかもしれない。

そして世界は、思っているより平和ではないかもしれない。

 
著者:清宮 雄
「プログラミング/英語/デザイン/ビジネス」を学ぶIT留学「アクトハウス」代表。

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