フィリピンの魅力と今後の可能性。その潜在能力から読み取る将来性とは?

フィリピンの潜在能力と可能性

東南アジアに位置するフィリピンは、7,000を超える島が存在しており人口およそ1億人で構成された国だ。

このフィリピンだが、まだ見せぬ未知なる潜在能力と可能性を秘めていると筆者は考えている。

だが、フィリピンと聞くと正直な所ネガティブなイメージを持ってしまう人が多いのではないだろうか。

フィリピンではストリートチルドレンといった貧困、そして過去数年でも多発してしまった日本人の殺害事件など、決して日本のように安全で安心の国だとは言い難い。

同じ東南アジアではタイやベトナム、インドネシアの成長性が注目される中、フィリピンに関しては中々振るわず、いつまでも「危険」「貧困」というイメージを抱かれているのだ。

だが、そんなフィリピンの成長はまだまだこれからであり、その潜在能力に筆者は期待をしている。

以下より、この東南アジアのフィリピンについて考察していきたい。

 

フィリピンの首都マニラと経済の中心地マカティ

マニラのニノイ・アキノ国際空港を出て、ハイウェイを利用すればすぐに首都マニラへ。

そこには広がる高層ビル群の景色が写り、タクシーに乗り15分程でフィリピン経済の中心地「マカティ市」に到着できる。

このマカティ市をはじめ、フィリピンの首都圏を「メトロマニラ」と呼んでいるが、その街の中心部には金融機関や商社といった外資系企業が入居するオフィスや巨大なショッピングモールが立ち並んでおり、綺麗な5つ星ホテルやブランドショップ、開放感溢れるテラスに広がる飲食店や高級なフレンチレストランまで整備されている。

上述した通りマカティは空港からタクシーで15分程で中心地へアクセスでき、日系企業も多くその駐在員も多くマカティに住んでいる。

日本からの距離も近く、空港から中心地までも近いことから日本にとっても利便性に優れていると言えるのではないだろうか。

中心地マカティの不動産価格も2012年頃の高騰をはじめ、現在も伸びを見せている。

数字で見るフィリピンの経済成長

そんなフィリピンだが、巨大金融機関であるHSBCは2014年に「2050年にフィリピンの経済規模が世界第16位になる」とレポートで予想している。

2016年時点の世界のGDPを見るとフィリピンは第36位に位置しているが、これが30年もすれば大きく変わるのだろうか。

まずは現状の名目GDPだが、下記の通り2017年時点で3,211億ドルと、昨年の3,049億ドルに比べて5.3%上昇している。

フィリピンのGDP
(引用:世界経済のネタ帳

この数字は日本の1970年頃と同水準であり、既存の先進国と比較するとまだまだ規模に欠けるがその成長率はあなどれない。

まだ諸々の問題点があるフィリピンだが、数字で見ると他のアジアのタイやマレーシアにも負けておらず、アジア通貨危機以降高い経済成長率を打ち出しており、特に2012年以降は毎年6%を超える経済成長率を誇っているのだ。

既に日本の経済成長率は鈍化傾向にあるが、フィリピンの経済成長率は着々伸び続けている。

フィリピンと日本
(引用:世界経済のネタ帳

平均年齢は23歳。爆発的な人口増加への期待

フィリピンの魅力の一つが爆発的な人口増加期待できる点とその若い人口構成だ。

下記図のように、フィリピンの人口ピラミッドはその名の通りしっかりとしたピラミッド型となっている事が分かる。

フィリピンの平均年齢
(引用:PopulationPyramid

フィリピンの平均年齢は23歳とアジア諸国の中でも比較的若く、日本やタイでは人口ピラミッドが既に壺型へと変わり始めており「高齢化社会」へと突入している。

日本は長寿国であり大規模な経済力は持っているものの、平均年齢は45歳で出生率は1%前後であるので生産年齢人口は減っていくばかりだ。これに対してフィリピンはここ10年で毎年3%前後の出生率を記録している。仮に日本のマーケットが縮小したとしても、フィリピンではなお生産年齢人口が増える見通しだ。


(写真:マニラ訪問時に筆者撮影)

ただ、人口増加に伴い失業者が多く賃金があまり上がらないという事もあり、これは見方によってはデメリットにもなる。フィリピンの労働市場では人口が多い事で供給過多となっており、賃金の上昇率が低い。

このような国内の雇用環境が原因で「海外で外貨を稼ぐ」という人が増えており、結果フィリピンでは出稼ぎ労働による送金が国のGDPの1割を占めるようにもなった。

しかし、国の成長によって新たな雇用が生まれるようになれば、だんだんと海外との差も縮まってくるのではないだろうか。

英語の経済圏であるフィリピン

フィリピンでは母国語に加えて国民の80%以上が英語を話すことができるという魅力がある。

フィリピンの主要紙はほとんどが英語で書かれており、ビジネスの分野でもほとんど英語が標準となっているのだ。

元々米国の植民地だった影響があり、米国ブランドの商品が強く音楽や映画などもアメリカの影響が強くそのほとんどが英語だ。

このようにフィリピンでは英語が主流である為、映画などでも英語の作品をが多く興行されている。そもそも国民の多くが英語を理解できるのであれば、わざわざフィリピン人しかわからない言語で作品を作るよりリスクを減らせるからだ。

英語を話せる人口は統計上80%以上とすれば8,000万人以上に及ぶ為、人口7,000万人にも達しないイギリスを超えた英語人口数を誇っている。実際にマニラやセブ首都圏のオフィス街ではコールセンター企業が多数存在しており、留学産業も盛んだ。

最近では外資の規制を緩和した事もあり、今後のグローバル経済にも期待ができる。

それらを受け入れる為の労働力と「英語」というコミュニケーションツールを持ち合わせているフィリピンには大きなポテンシャルがあるだろう。

若い世代が世の中の常識をすっ飛ばす可能性

このように若い人口構成をしていて英語が主流のフィリピンでは、これから普及するであろうテクノロジー分野の普及に最も大きな期待ができると筆者は考えている。

例えば、フィリピンでは対ネット利用者のFacebook利用率は100%を超えており、匿名ではなく「実名」での繋がりを大切にしている。

フィリピンとFacebook

(引用:Members

そして、最近話題となった仮想通貨やブロックチェーン技術などはこのような新興国で普及する可能性があると考えている。繋がりや広がりが価値となるような「ネットワーク価値」があるものへの親和性は、このフィリピンに期待できるのではないかというのが筆者の見解であり、その大きな理由は「若い世代が多いこと」にある。

若い世代は比較的新しい物に対する飲み込みが早く、それが早ければ早い程当たり前のように扱うようになる。例えば仮想通貨なんてものはお年寄りには中々受け入れられ難いだろうし、SNS文化も同じだ。

よって若い世代が多い程新しい物も柔軟に対応されるようになる可能性が高いのだ。

ITを駆使した決済システムなども、既存のインフラをすっ飛ばして若い世代が一気に普及させてくれるかもしれない。

世の中の常識をすっ飛ばし若い世代によって新たなブームを巻き起こしてくれるのは、ひょっとするとフィリピンかもしれない。

フィリピンの今後

以上がフィリピンの魅力と今後の可能性についてだったが、現状はまだまだ問題点が多く、現地へ訪れるとそれが目に見えてわかる。

飲食店の回転は遅く、インフラの整備もまだまだだ。

それにネットワークがどうこうのと言う前にスマホすら持てない人もたくさんいる。

しかし、だからこそ筆者はその潜在的な能力や可能性に期待している。日本のように出来上がってしまった国は、誰が見ても「安全ですごい国だ」と言うのは当然だ。

しかし投資的価値や魅力があるのはそういった国ではなく、実はまだ危険で貧困な国の方かもしれない。

未来を予想することは難しいが、未来について考え創ることは可能だ。

筆者は今後もフィリピンに多く足を運んでいきたいと思っている。

「フィリピンの超有望スタートアップ企業3選。新たな次の波が来るか?」も読む

「セブ島ってどんな島? 知っておきたい現状、留学や旅行のコツ」も読む

著者:Kenta Fujii
アクトハウス卒業生。大手金融機関に新卒で入社するも11ヶ月で退職。その後はフリーランスのライターとして独立し、新規立ち上げのメディアに複数携わりながらキャリアを積んでいる。▶ セブ島のIT留学「アクトハウス」を詳しく見る

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