芸達者の時代。「プログラミングできるデザイナー」最強説。
ひとつのジャンルに留まらないプロフェッショナル
企業の規模やプロジェクトの大小に関わらず、特定のジャンルに留まらないプロフェッショナルが求められてます。
そう、今後AI軸の時代に突入していくにおいて、ますます「芸達者」なスキルが求められます。むしろそうでないと生き残れない。
千手観音のように、さまざまな「手」を持つ人材の時代がやってきました。
デザイナーを例とした場合
例えば、デザイン。
デザイナーの役割はもはや「描くこと」だけに留まらない。いや、留まれない。
例えば、すでに定着して久しい「UI」「UX」なる概念。
「ユーザーインターフェイス」と「ユーザーエクスペリエンス」。
この二語の登場そのものが、デザインの立ち位置を大きく変えました。
●UI
ユーザーが「目に見えるもの」全て。
WEBサイトやアプリにおける「フォント・デザイン・形状」のこと。
●UX
ユーザーが「体験するもの」全て。
WEBサイトやアプリにおける「見やすさ・使いやすさ・対応・感動」のこと。
イラストレーターやフォトショップだけでなく
ただ描くだけ、ただイラストレーターやフォトショップを使えるだけでは、「ユーザーの感動」まで責任を持つことは到底できません。それは「UX」の知識・技術を持つことはもはや当然であるのと同義です。
「UI」「UX」をのスキルを研ぎ澄ますハードルは高いながらも、時代の潮流であるゆえ、避けて通ることはできないのです。
「モノ言うクリエイター」が命運を握る
企画段階、プロジェクトの始動において要件定義がなされる際。
従来であれば「企画部」「広報部」「営業部」などの《考える部隊》が現在地と目的地を定義し、それを《描く部隊》の「制作部」がビジュアライズしていくのがセオリーでした。しかしその縦割り構造こそが、営業と制作が対立する理由でもありました。
「あれじゃ売れない」「こんな金額で受注されても」といった、ユーザーが置き去りとなった部門同士の対立も耐えませんでした。
しかし現代は、企画段階からマーケティングや経営・営業のナレッジがあるデザイナー、あるいはデザインの知見をもったエンジニア、デザインを知っているプログラマーらを議論に参加させることが、プロジェクトを好転させます。
ジャンルを超越したクリエイター、マーケッターの発言はさまざまなジャンルに精通しているため、深みがあり、説得力もちがう。
こういった「モノ言うクリエイター」の参画は時間的にも効率的です。また、儲けにうるさい営業担当とクリエイティブサイドのあいまみえないとも思えるディスカッションは、プロジェクトの初期段階だからこそフレッシュな議論となり、喧嘩にならずに成立します。最初からお互いで組み立てるゆえ、あとから問題が発生しにくいのです。
IT業界はスキルのボーダーレス化が進行。専門性がありつつも、ジャンルを限定しない幅広い知見も求められる。これからの時代に必要とされる人物像とは?https://t.co/nou92A0OUx #IT留学 #アクトハウス
— アクトハウス@IT×英語×ビジネス留学 (@acthouse_) 2018年10月27日
デザイナーがコードを書く時代
ではデザイナー自身はモノ言うだけで、あとはデザインに集中かというと、それもまたちがってきています。
いまやWEBやアプリの構築において「デザイナーもコードを書けなければならない時代」に入ってきました。
いわずもがな「アート(芸術)」と「デザイン(設計)」は異なります。極論を言えば、前者は感覚のままに筆を走らせることが許容される。しかし後者は絶対的にちがいます。
商業デザインの設計においては「UI」「UX」が揺るがぬ起点となり、それはすなわち「デザインをWEBで動かす」「アプリを自在にアレンジする」ことが真の「ユーザーの感動」を実現する鍵となってくるのです。
イメージし、描き、さらにそれらがどんな「ユーザー体験」をもたらすかまで、自分で見極める。アクションや導線、使い心地、それらに関わるコードを組み換え、見届ける。
改善し、質を上げ、他者・他社を圧倒する高みに到達すること。ここまでやって初めてデザイン(戦略的設計)し、顧客課題の解決に達したことになるのです。これがいわゆる「デザイン思考」のプロセスになります。
▶関連記事『「デザイン思考」って何?プログラミングと関係あるってホント?』
クロスオーバー・スキルを
デザイナーはプログラマーのスキルを持ち、エンジニアはデザイナーともなり、セールスマンはマーケッターとしても活動する。
そして社長は、その全てのナレッジの事情・背景・問題の原因を把握しているオールラウンダーたることが理想の状態。もちろん、全ての技術が100点満点である必要はまったくありません。経営者がそれらを知らぬ存ぜぬが罪ということなのです。
かつては、熱血営業マンが社長になれば「ITは苦手だが」と言い、ギークなプログラマーが起業すれば「お金はわからないけど」と言っていました。
しかしそんな時代はすでに終わり、デザイナーもプログラマーもエンジニアも営業も、自身のジャンルだけを知っていても、到底その道を極めることは出来ません。この時代、さまざまなジャンルが「横串」(よこぐし)に連なっているからです。
AIと戦わず「共存」する生き方を
この記事を書いているのは2019年ですが、今後、時代はAI主導へとどんどん加速していくでしょう。
AIがなんでもやってくれるとは限りませんが、多くの「クリエイティブ」において彼らが幅を効かせてくるのは間違いありません。しかしそこでテクノロジーの権化のようなAI と戦う必要はないんです。
デザインやプログラミングも、自動車やホームセキュリティと同じく「人×AI」で共存する時代。
人がAIのできない部分を埋め、またその逆も大いに受け入れる。
具体的には、複雑やさワガママを極める「ビジネスのオーダー」ではどうしても人の出番が必要になります。要望をカスタムし、方向転換にもついていく。まさにここは広義でも狭義でも「デザイン」の領域。
そしてやはり、デザインだけでは解決できない領域はプログラミングの出番になってくる。これが自動化されても、結局「企業のオーダー」は「併走PDCA」が現実ですから、コンサルティングな役割も含め、人の役目は日常的に必須になります。
「わかっている人」がAIを使わないと、活かすことは到底できません。「日本語を熟知してるからこそ、AIが出す日本語訳のわずかなおかしさ」に気づける、あの感じです。ここが人の出番であり、ビジネスを左右する箇所。
もし将来、極端な話「全ての技術」をAIに取られても。あなたは「その技術がなんであるか」「どう活かすとビジネスに有効なのか」をわかっているビジネスパーソンとして重宝されます。複数案件を抱え、大きく稼げるのはこういう局面。やってきた経験をさらに活かせる、むしろチャンスなわけですね。
複合スキル、それは時代の必然
ジャンルをクロスオーバーする知識を自らに育んでいきましょう。
なぜなら現代の企業活動において「企画・経営・ブランディング・マーケティング・デザイン・エンジニアリング・プログラミング・営業・運営」さらに細かく言えば「メンテナンスやリニューアル」などなど全ての動きが、綿密にからみ合っているからに他なりません。
もはや1ジャンルだけに詳しいなんていうこと自体が、辻褄が合わない世の中になってきているのです。
経営も変わってくる
では最後に「経営」の話を。
ジャンルを超えた知識の醸成、この考えに理解があれば会社の経営も、もっと面白くなります。
杓子定規の配置転換や、筋書き通りの出世を取り入れない人事。
もし、あなたがすでに経営者であれば「営業部門長と制作部門長をそのまま入れ替える」ほどのドラスティックな人事を断行することで、会社は息を吹き返すかもしれないのです。
こういった、時には酔狂とも思われる人事に走ることで、社員個々、ひいては組織全体に混乱と緊張が生まれ、カオスの後に、新たなステージへと足を踏み入れることができるでしょう。
営業できるデザイナーを育成し、デザインがわかるエンジニアを擁立する。プログラミングできるライターがUI・UXを語り、経営を知るマーケッターが議論に拍車をかける。
「コンセンサス」などという表層的・意思確認レベルでない、短時間で本質に切り込む知的集団の形成。これらは有機的なディスカッションという「機能面」もさることながら、他者の視点、都合がわかるという「情緒的」な側面においても効果的です。
知識をアップデートし、育成し、さらには隣の芝生に足を踏み入れること。
生き残りを賭けてでなく、カオスな市場に応えていく当然の進化としてー。
時代はクロスオーバーな才能を求めており、クロスオーバーな会社を求めています。
「プログラミング・デザイン・ビジネス・英語」を学べるIT留学がある
セブ島のアクトハウスは、
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本記事でご説明してきた「プログラマー×デザイナー」のスキルを高め、起業やフリーランス、海外就職やキャリアチャンジを目指します。参加者は常時14~16名とセブ島内のIT留学でも際立っており、卒業実績も未経験からの「起業/フリーランス/海外就職/IT企業就職・転職」と豊富。セブ島のIT留学アクトハウスについてもっと詳しくは下記のリンクからどうぞ。
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著者:清宮 雄
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