孤独のススメ。なぜ、学校や職場で話の合う人がいなくなっていくのか?

孤独とはどういう状態か

突然くる孤独

「学校に話の合う友人がいない」
「職場の同僚とうまくいかない」
「旧友とも何か合わない感じが」

こういった事態に突然なることは、人生においてよくあることです。

結論から言えば、あせる必要も、落ち込む必要もありません。

ただし、この「突然の孤独」が自分にとって「どういう状態か」を知っておくことは重要です。

でないと、周りと合わないことにいらぬ寂しさを感じたり、大きな場合は人生の判断を誤ることにも。

〜今回のテーマ〜

「孤独」を理解し、履き違えないための知識を持っておこう。

「孤独」を受け入れ、それがどういう状態なのか理解しておこう。

孤独はネガティブ?

まずはちょっと孤独を整理してみます。

日本ではここ数年「ぼっち」という自虐的・嘲笑的な言葉が定着しました。

この《1人でいることは寂しい・悲しい・恥ずかしい》と考える傾向は世界中に蔓延しています。

例えば、俳優のキアヌ・リーブスさんが独りで公園で食事をしている写真は、世界中にいる「孤独を理解していない人たち」の格好のネタにされました。

一人でいることは変じゃない

「ひとりで公園って」
「好感度アップ」
「ウケるw」
「かわいい」
「おもろ」

おもしろがるような、驚くような、小馬鹿にするような、後ろ指を指すような、同情するような。

「こうはなりたくない」とでも言うような感想が、世界中を駆け巡りました。

これらには「哀れみ」という、いらぬお世話に包まれた「ねじれ」の感情が混在しています。

1人の人間が公園で食事をしていて何がおかしいのでしょうか。

孤独に対し「あらあら、まあまあ」と、どこか上から目線であざ笑う風潮が浮き彫りになった一件でした。

孤独をバカにする人たちもいる

孤独とは何か

孤独とはどのような状態なのか。

その答えはシンプルです。

孤独とは「仮面を脱いだ状態」のこと。

他者への愛想笑いや、ごきげん取りをしていた自分を卒業し、やっと自らと向き合おうとし始めた状態。

しかしまだ大人になりきれず、完全に自分と向き合って対話ができているコンディションとは程遠い状態。

と、わかっていても、孤独がくると混乱します。

ひどい場合は「うつ病なのか」「引きこもりなのか」と勘違いをすることも。しかし周囲の友人や同僚と合わなくなったというのは、決して病気ではありません。自分が変わり始めた、ただそれだけのこと。

 

・今までずっと集団で行動していたこと
・些細な判断でも誰かに頼っていたこと
・レールに乗った人生であったこと
・何でも人のせいにしていたこと
・口だけで実行してこなかったこと

 

こんなことの積み重ねから、潜在的にいつも抜け出したいと思っていた自分の心が「孤独」というカードを切ってきた。

周囲との傷のなめ合い、その場かぎりの盛り上がり、SNSでの褒め合いから距離を置きたくなるのは、異常なことではありませんし、少数派でもなんでもない。しかし慣れないことゆえ、最初は思わずそれを「他者のせい」にしてしまう。

「学校に話の合う友人がいない」
「職場の同僚とうまくいかない」
「旧友とも何か合わない感じが」

けれどもその孤独は、他の誰かのせいではなくー。

自分が変わるタイミングを迎えた、そのサイン。

それは自分が変わるタイミング

孤独はタイミング

集団と離れることができるようになる「孤独のタイミング」。

それは絶好の「自分試しのチャンス」とも言えます。

最初は孤独に慣れないゆえ「いつのまにこんな社会に溶け込めない人間になってしまったんだっけ」と、気持ちが不安定になることもしばしば。

しかしこれは何度目かの「成長期」。不安がつきまとうぶん「成長痛」と言い換えてもいい。

この時期に、自分の心に封印していたものを一度出して見るのは有効です。

孤独とは成長痛

自分は混乱し逃亡した

筆者のケースを、ここでお話させてください。

職場でも学校でも孤独につきまとわれ、30歳前後のときアメリカへ逃亡しました。アジアにも行っていました。

「30歳前後」って書いたのは、実はあまりそこに記憶がないのです。いずれにしろアラサーもしくは三十路で、いい歳でした。

今はセブ島に移住し学校をやっていて、日本でITの会社もやっておりますが、人生遠回りもいいところです。

会社の代表をやっている今でさえ、孤独です。治りません。

元々ウェーイ系でないので、飲み会も好きでないし、大勢も苦手です。かといって少人数でじっくり話すのも疲れちゃったりするワガママなタイプです、なるべく表には出しませんが。そう考えると孤独になるべくしてなったのだとも思います。

打ちのめされた20代

ダメダメだった20代

20代の頃は、就職して頑張っているつもりでも、その会社が全然ちがう業種に手を出して迷走したり、良さげな会社に入っても自分の実力が追いつかず弾かれたりしました。

まだ会社勤めだったとき。年下の社員から呼び捨てにされ、バカにされたことは一生忘れないでしょう。

ついでに長年の友人とも話をしなくなり、友人と呼べる友人はいなくなりました。

社会人になってやっと、学生のときに本当に理解していなかった学生気分という甘い時間があったことに、心の底から気づいたり。単純に他者との距離感をいつも感じていただけでなく、仕事の能力という意味でも差をつけられており、八方塞がりでした。

世の中の大人たちが何枚もウワテで、電車に乗っているサラリーマンのおじさんたちが実はすごい人たちなんだと痛感もしました。自分も何年もサラリーマンをやったので「サラリーマンのオッサンたち」「サラリーマンになんてなりたくねえ」なんて口が裂けても言えません。どんだけあの人たちが大変で毎日戦っているか、よく理解できたからです。思えばそういった感覚も、孤独の期間に痛感したものでした。

そんな現実にぶち当たっては迷走する20代。

周囲の同年代はどんどん迷わず成長しているように見える。

仕事をしてもダメ、プライベートは酒浸りでした。

孤独に追われる日々

孤独な自分を認める

結局、筆者の場合は孤独というものが、結婚をしても会社をしても、子供を授かっても治りはしませんでした。

「ああなるほど、治るとか治らないとか、そういう類のものではないんだ」

そのことがわかるまでに、ずいぶん時間がかかったと思います。

そして理解したのは、別に孤独は悪いことではないってこと。

孤独はノイズのない世界を自分で確保できているので、いつも立ち返ることができる「場所」であるということもよくわかりました。

筆者は自分を鼓舞するために、世にいう偉人のインタビューや世界的なCEOの本を読んだりします。

それらの人たちの共通点は、実は「孤独」だったりします。みなさんなかなかの孤独の達人です。

孤独な経営者は多い

孤独とは尊い時間

1人でがんばって、1人でアイディアを出してみる。

人生でも、仕事でも、勉強でも、あーでもないこーでもないと思考している。

もちろん仲間とそれを共有し、かたちにしたりはするのですが、基本は1人でいろいろ考えている。

結果が良くても「俺が考えたんだ」ということはもちろんなく、あくまでみんなの成果ということもわかっている。

孤独は人間ならではの、実はとても有意義な時間なんだと気づきました。

孤独を肯定すると、ラクになりました。

町を歩いていても、家にいても、孤独はいつも心にあります。

そして慣れてくると、何年もかかりましたが、こんな貴重な心の部屋はない、と思うようになりました。

今では孤独がないと、こうして原稿も書けないですし、会社の経営判断もできません。

家族や人生のことを考える時間も確保できません。

一人の時間も大切

孤独の格言

孤独を脱却とか、否定とかでなく。孤独を肯定しよう、と先ほど書きました。

こういった考えを後押ししてくれる、孤独の先輩たちが世界にはたくさんいます。

大昔の学者たちは、こぞって孤独をプッシュしてたりするんです。

でも孤独な方々なので、なかなか世界では知られていません。

というわけで最後に、孤独に落ち着いて対応できるよう、世界の哲学者たちの「孤独の格言」を探してきたので「9つ」ご紹介したいと思います。

孤独がいかに貴重で、人生のターニングポイントになったり、また行動のきっかけでもあり、チャンスであるかが見えてくるかもしれません。

 

「孤独とは寂しさではない。自己を知る機会である」
アン・シャノン・モンロー

「私が孤独であるとき、私は最も孤独ではない」
マルクス・トゥッリウス・キケロ

「他人と一緒だと準備を待たなければならない」
ヘンリー・デイヴィッド・ソロー

「孤独は、知恵の最善の乳母である」
マックス・シュティルナー

「一人では何も出来ない。しかし誰かが始めなければならない」
岸田国士

「孤独は、優れた精神の持ち主に宿る」
アルトゥル・ショーペンハウアー

「孤独の寂しさが心を静かに燃やす」
前田夕暮

「世の中で一番強い人間とは、孤独になれる者である」
ヘンリック・イプセン

「孤独になると、自分に厳しく他人に優しくなれる」
フリードリヒ・ニーチェ

 

孤独とうまく付き合うことは、生まれ変わろうとする自分と向き合うことでもあります。

無理矢理に解決しないでいい。

静かに受け入れ、付き合えばいい。

それは人生の節目に訪れる、貴重な時間なのですから。

孤独の末につくった場所

気が向いたら、セブ島のアクトハウスのドアを叩いてみてください。

ここには、それまで夜な夜な孤独を抱えつつも、自分を追い込むためセブ島の地まで来た少数の若者たちが毎日勉強に励んでいます。

その決意をアクトハウスはよく理解しているつもりです。ひたすら勉強に集中する。

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著者:アクトハウス編集部
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