「即レス」の代償 〜ビジネスで気をつける仕事の受け方〜

空前の即レスブーム

「やります!」
「できます!」

 

即レスの印象は良く、起業系やビジネス系の本にも「即レスは正義」という概念はよく登場する。

書籍によっては、

 

「できないこともできると言うのが大事」

「OKしてからできるか考えろ」

「それくらいじゃないと成長できない」

 

という類の意見もある。フリーランスや起業、仕事術といったトピックが話題になるなか「即レスブーム」はひそかに起きている。

それはかのスティーブ・ジョブズが起業時にパソコン『アップルⅡ』の開発など始まってもないのに「できる」と言って販売代理店の契約を取っていただとか、イーロン・マスクが都市渋滞の解決へ「地下トンネル構想」を提唱してから実現したなどのドラマとともに語られる。

まず「OK」と言え。
まず「できる」と言え。

それが全ての始まりであると。

「即レス」と「即OK」はちがう

とにもかくにも、スピードということで言えば、ビジネスにおいて確かに「遅いは悪」である。それは間違いない。

商談や打合せの場では、ウダウダ悩んでいる人は仕事の遅さを想起させるし、実際に考えすぎると行動しないのが人間の性。なので、依頼する方は即OKをもらえると気持ちが良く、快諾した方も自分のブランドをひとつ上にすることができた気になり、とにかくその場は平和に終わる。

両者は「気持ちのいいロケットスタートを切れたし、このままプロジェクト完遂までよどみなく進行」と錯覚する。

しかし、ここで注意すべきは1点。

「即レス」と「即OK」はちがうということ。

即レスはすぐに返信をする行為のことで、決して安請け合いすることではない。「なんでもすぐにOKするのが即レス」となりかけていた人は仕分けしておこう。

両者の思惑は後回しに

実際に即OKとともに始まったプロジェクトがそのままよどみなく完遂するということはなく、多くの仕事と同じように紆余曲折を経て完了となる。簡単な仕事などない。

発注側にはたくさんの思い入れや希望があり、受注側にだってギャラや拘束時間についてのこだわりや不安などさまざまな気持ちがある。

ただしロケットスタートの代償として、それら両者の思惑は後回しになる。

野暮なこと言わずにCOOLに始まったのだから、後出しジャンケンのようにあーだこーだとすぐ言うのはCOOLでない、という空気感。最初の熱が覚めてきて、ほんとはお互い不安なのに「ちゃっちゃっといきましょう!」という理想像だけで前に進めようとする。お互い、猛スピードで不満をたくわえながら。

お互いの感覚や本音のぶっちゃけが後半にずれ込めばずれ込むほど、問題も大きくなる。最初に安易なスタートを切ってしまった分の代償。本来詰めるべき要件、お金の話、求めるクオリティ、あらゆる面倒な事柄を後回しにしたゆえ、両者痛み分けとなり噛み合わせが悪くなっていく。

「即レスを求め即OKに快感を感じ深く考えず発注する」発注サイド。

「自分の印象やフットワークの良さのアピールに気を取られた」受注サイド。

お互いに都合が良かったばかりに、どの段階で本音をさらけ出すかは風まかせ状態。当然、衝突・炎上の確率が高まってくる。

50%の案件は消滅

筆者の体感で言うと、フリーランスのクリエイターと仕事をすることが多いが、デフォルメして書くと、

▶即レス率 100%
▶即OK率 80%
▶案件途中消滅率 50%

といったところ。

即OKのクリエイターの50%は途中で連絡が取れなくなるか、極端に返信が遅くなる。私自身、発注側として即レスに良いリズム感を感じてしまいノリで発注したことを反省する。反対に、かつての即レスはどこへやら行方をくらますクリエイターにも反省すべき点がある。お互いに悪い。

受注側のつらさ

ビジネスはスピードだ。動かないことにはその決断が合っていたかも間違っていたかもわからない。

筆者が共同経営する会社も毎日毎秒とにかく決断の連続で、そこでは経営陣の即レス率は120%である。ただし当社のような小さな会社だと逃げ場がないので「やると言った以上当日・当週・当月に仕上げる」のが普通。すわなち逃げ場はない。そのため即レスする際にフル回転で最悪のケースを見立てながら「やる」「やらない」の決断が求められる。

しかしこれが第三者とのやりとりだと、当然そこには実質的かつ実際の距離が生じているため、逃げ場が生ずる。

発注側のほうがお金を払っているぶん立場が強くなる傾向にあり、受注側が言いたいことが言えなくなるケースも多い。

発注側=わがまま。
受注側=言われるがまま。

これは他ならぬ当社も受注側・下請け側・孫請け側として日々制作業務にも終われているゆえ、気持がよくわかる。最初から本音に近い話ができていればまだ話し合いの余地があるが、新規案件でそんな理想的なスタートを切れることはまず皆無だ。

「やります!」
「できます!」

は、美しいかもしれないしビジネス本にも頻繁に出てくるコツかもしれない。

しかし「即断即決」に備え、事前にどのような状況でも正確に自分・自社のスタイテス把握しておく「判断のための柔軟体操」を常にしておく。感覚やノリでなく、現実と照らし返答する。嫌われてもいいじゃないか、あとで衝突・炎上するよりずっといい。

でないと、即レスが目的になってしまい、そして即OKはセットとなり、それはあとあと自分のブランドに泥を塗ることになりかねない。

思考停止のYESマン

もしあなたの即OKが、

 

「断るともう仕事がこないかもしれない」
「即OKしないとかっこ悪い」
「私はなんでもYESモード」
「本にそう書いてあったし」
「断る人にチャンスは来ない」

 

といった、単に「嫌われたくない」というレベルから発せられているものなら、気をつけよう。考えられてない即レスは「思考停止のYESマン」と何ら変わりはない。

では、どう気をつければいいのだろう?

「進言的即レス」を

ビジネスはお互いに出たとこ勝負の一発勝負。

気をつけるべくは、
 

進言的即レス

 
をすること。

まず仕事の依頼があれば、迷わず即レスで「感謝や挨拶をする」のは鉄則。しかしそのあとに即OKはしない。まず進言する。

「納期はいつか」
「報酬はいくらか」
「承諾前に打合せしたい」
「内容を詳しく聞きたい」
「契約書・発注書は」

即レスと即OKを完全に切り分ける

簡単に見えて、案件スタート前に意外と言いにくいギャラの話を明確に話せるか。根拠なしの値引き交渉や、スピード重視で契約をなぜか後回しにするクライアントの襟を正せるか。すぐOKを取ってサクサク進めたい客のご機嫌を損ねずに話を切り替えせるか。「即OKしないからってノリが悪くなる客なのかどうか」を試すくらいの度量でいこう。

会社に勤めていて、上司からの依頼を受ける際も同様。もし「つべこべ言わずにやれや」というパワハラまがいの空気を上司が出してくるなら「最初から『やれ』と言えよ」という話になる。

あとあと「だから最初に聞いたのに」「やると言ったじゃないか」という罠にかからないためにも慎重に判断しよう。

発注側の意識も改める

即レス=即OKの空気をつくってしまうのは、他でもない発注側である。スピード重視に傾倒しすぎるあまり、相手側に考える時間を与えない。与えたくないのだろう。

仕事を出す側も即レスだけならまだしも即OK込みでグイグイいかず、そういった関節パワハラのような仕事進行でなく受注側のあせりや気遣いに気を配ろう。

仕事を受ける側は、無理をしてでも仕事が欲しいときがある。それくらい発注側は知っているはずだ。

発注側の意識にニンジンをぶらさげるような感覚があるなら、改めた方がいい。そんな会社や個人は愛されず、最後にしっぺ返しを喰らう。

金を払う側が偉いのではなく、お客様は神様でもなんでもない。作ってくれる側は時間と技術を投入して取り組むのだから「限りなく対等」であるべきだ。

「断る勇気」はブランドを上げる

最後に、忘れてはならないもうひとつの手段、それは受諾側の「断る勇気」。

これは実は発注側からしたら「忙しい人」と映るので実は印象が悪くなることはない。思いきって断ることでかえって「自分に冷静な人」「無茶な仕事を受けない人」というスマートでストイックなキャラクターが印象づく。売れっ子にさえ見える。

冷静に断ることは身を守ることに繋がり、次の仕事へと繋がる。お客がどうしてもと粘ってきたら自分ができる納期と納得できる価格を提示しよう。

何も聞かずに、内容もよくわからずに即OKするのは、それは「適当な人」と変わらないので注意。

即レスは悪でなく間違いなく正義。しかし八方美人であるがゆえの即OKは悪

「即レス」と「即OK」のちがいを改めて認識しておくと、自身の活動にも冷静さとハクがついてくる。

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本記事はビジネスでの一場面「即レス」について取り上げた。このような生々しいビジネスメソッドからテクニカルなWEBマーケティング、スタートアップ経営を学ぶ留学がある。

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著者:清宮 雄 (アクトハウス代表)

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