『旅するように シゴトする』金子いづみさん(フリーデザイナー/元メンター)

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好きな国を渡り歩き、パソコン1台で仕事するー。

一度は憧れるそのライフスタイルを、

本当に実現している人たちがいます。

アメリカ、シアトル在住。

元・アクトハウスのメンターでもあった

「金子いづみ」さんもそのひとり。

いったいどんなプロセスで、

そんな生き方を手に入れたのでしょうか?

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「フリーランス・デザイナー」

▶金子さんは、いつもちがう国にいらっしゃる印象です(笑)
「日本にも結構いるんですよ(笑) でもこの数年は確かに、外国にいることの方が多いですね」

▶今もこうしてセブ島ですしね(笑)
「そうですね(笑)」

▶本日は金子さんの現在までのキャリア、そしてこれからについてお聞きしたいと思います。
「よろしくお願いします」

▶では、現在のご職業をよろしいでしょうか?
「フリーランスのデザイナーです。ブランドづくりから関わることもあれば、Webサイトや紙媒体のみを承ったり。何もないゼロの状態から、お客様の目的からヒアリングさせていただき、サービスや企業のプロデュースをさせていただきます」

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金子さんのポートフォリオサイトより:Collaborative works inspired by Mucha*
 

「デザインは体験の創出」

▶デザインといっても、幅が広そうですね。
「VI/CI(ビジュアルアイデンティティ/コーポレートアイデンティ)はもちろん、店舗内装にキャラクター、パッケージにフォトグラフィー…。何か特定のプロダクトを作る専門というよりも、お客様の目的をどう設計・視覚化し、ターゲットにアプローチするかというお仕事ですね」

▶あらゆるものにデザインがありますね。
「ええ。デザインが意識され、多様化し、生活のあらゆる場面に溶け込んでいった時代の流れのなかで、自然とお仕事の範囲も広がっていきました。美的造詣のみを追究するだけでなく、例えばUI・UX、またIoTやA.I.がもたらす体験の創出さえもデザインと考えると、この世界には無限の可能性を感じますね」

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*美容院『CHITOSE』のブランディング*
 

「コミュニケーション×デザイン」

▶プロデュースされている美容院『CHITOSE』『MAISON de Chitose』さんのサイトでは、外国人のモデルさんもいらっしゃいました。英語でお話されるんですか?
「そうですね。ブランドのコンセプト、Webサイトの目的、ターゲットから市場の状況に至るまで、ブリーフィングしたうえで臨みます」

▶すり合わせが大事なんですね。
「いったん撮影に入ってしまうと時間との戦いですから、モデルさんとヒザを詰めて話し合うことはできないんですよね。だから、事前のすり合わせ、そして何よりコミュニケーションを大事にしていますね」

▶コミュニケーション。
「特に商業デザインの場合、フィーリングや勢いだけでは乗り切れないステージってあるんです。コミュニケーションを重ねながら、デザインを育んでいきます。お受けさせていただくお仕事は、事業の成長をサポートさせていただく側面も強いので、既存の素材写真でなく、どうしてもオリジナル性が求められます。現場ではカメラマンと共に撮影することが多いので、特にコミュニケーションは意識していますね」

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*プロデュースの新ブランド『MAISON de Chitose』*
 

「英語をいつも意識していた」

▶金子さんの流暢な英語力というのは、海外で働かれるようになってから習得されていったのですか?
「いいえ、仕事を始めるずっと前、学生時代から少しづつ勉強していきました。10代後半から「英語を使った仕事をしたいな」と思っていて、大学でも英文科に進んだんです」

▶英語は伸びましたか?
「無理なく、伸びるように自分を仕向けていく、という感じですね。例えば外国人の方と友人になって、お互いの母国語を教えあったり。英語を日常的に教えてもらえるぶん、私からは日本語を教えたり」

▶英語への興味が先にあって、その後にデザインを身につけていった、と。
「順番で言うと確かにそうですね。海外に行ってみたい、というのが先でしたから。でも本格的な留学をするのは学生時代でなく、一度就職して退職した後なんですよ」

▶そうなんですね。学生時代でなく?
「はい、デザイン会社に就職をして働いてから、その後に留学しています」

▶デザインとの出逢いはいつですか?
「21歳のとき。興味本位で地元の絵画教室に通ってみたことがきっかけです」

▶20代に入ってからなんですね。
「そうですね。そのときはコンピュターグラフィックにはまだ触れてなく、パステル画をやってみて。もちろん当時は、デザインを仕事するなんて思ってなかったですね。ちなみに、今でも手描きからデザインを仕上げていきます。規模の大きなプロジェクトになればなるほど、アイディアスケッチから仕立て上げていくことの重要性を感じますね」

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*フィリピン・セブ島のカフェにて*
 

「英文科卒からデザインの世界に」

▶大学卒業後にデザインの世界へ飛び込むのに、ためらいはありましたか?
「そこは覚悟が必要でしたし…悩みました。普通は大学を卒業したらそのまま就職、というのが王道だと思います。それをさらに「自分のやりたいこと」を探究するのに、学校に行かせてもらうわけですから。そういった学費のこと、また単純に就職が遅れる、というあせりももちろんありました。だから、このワガママを応援してくれた両親に本当に感謝しています」

▶あせり…やっぱりあったんですね。
「はい、この道を選んでいいのかな…という迷いですね。また、現実的に考えて「好きだから」という理由で絵画やイラストで生活していくのはハードルが高そう…という気持ちもあって」

▶そういった迷いのなかで、なぜデザインを選んだのでしょう?
「自己表現やメッセージを込めたアートという軸でなく、ご依頼主である企業や商品、店舗やWEBサイトをプロデュースする「商業デザイナー」という選択肢に出会ったんです。最初は「そもそもプロデュースするってなんだろう」「ブランディングってどういうものだろう」という状態でしたが、考えていても始まらないので「よし挑戦しよう!」と。それに、後悔しながら生きるよりも自分の好きなことを追求しながら生きる方が、自分にとっても家族にとっても幸せなのではないかと思ったんです」

▶なるほど…そうして英文科卒業後、デザイン専門学校へ進まれたと。
「はい、専門学校ではブランディングの基礎をじっくり学び、もちろん実務も。当時はアクトハウスのようなIT留学はなく、英語やデザインにビジネスまで学べるものはなかったですからね(笑)」

▶最初から「デザインがあれば世界で働ける」を考えていたわけではなかったんですね。
「そこまで具体的はなかったですね。でも、ひとつのことに一生懸命に集中していれば、きっと何か道が開けてくるんじゃないかなと思ってました」

▶それはなぜでしょう?
「社会から必要とされるから、です。プロフェッショナルな人には、仕事の依頼が集まりますよね。だからデザインだってちゃんと勉強していけば、周りに認めてもらえるかもしれない、そしたらその先に何かあるかもしれないって」

▶専門学校のあと就職を選ばれたのも、スキルを上げるためなんですね。
「そうですね。そもそも当時は独立するほどのスキルはなかったですから。採用いただいた東京のデザイン会社で、ものづくりだけでなく社会人としてのイロハも叩き込まれて(笑)」

 


 

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*さまざまなブランドをプロデュース*


 

「退職しセブ島留学へ」

▶デザイン会社を退職された後、留学になるんですよね。
「はいここで、やっと人生初の留学ですね。東京で仕事した数年を経て、ふと次の自分を考えたときに、再び英語の優先順位が上がってきました。大事だったはずの宝物に、しばらくフタをしちゃっていたなって。ずっと好きで勉強してきた英語ですから、社会人になったからといって、おろそかにしたくないなと思ったんです」

▶そして海外での留学生活へ。
「どうせならと、1年間のセブ島留学を決心しました。この1年はとにかく英語に集中しましたね。フィリピンは完全な英語圏ですから、オンもオフも勉強になりましたよ」

▶英語圏ですもんね。
「いつも英語を使う、使わざるえないというのが、成長できるポイントかなと思います。何でも便利な東京から一転、のどかで、人も気候もあたたかい南国セブ島での暮らしは、気持ちもリフレッシュできました。また、楽しむだけでなく、日本との文化のちがいについて考えさせられることもあり、世界の広さを実感する日々でもありました」

▶貴重な時間ですね。
「海外での暮らしを経て、この時期から『デザイン+英語』の応用力がついてきたのだと思います。振り返れば、この頃は色々と本当にまだまだな時期なんですが、自分が好きだと思える「2つの点」が「1本の線」としてつながってきた頃ですね」

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*セブ島の仲間たちと*
 

「帰国しフリーランス、再びセブ島へ」

▶セブから一度帰国し、フリーランスを開始したのですか?
「留学から戻って、そうですね。貴重な出逢いが重なり「フリーランスに挑戦できるかもしれない」という可能性が出てきたときですね。タイミングを見てフリーとなりました」

▶しかし、そのまま日本でフリーランスで落ち着くわけでなく、また海外へ行かれるんですよね。
「そうですね。フリーランスとしてお仕事をさせていただきつつも、再びフィリピンのセブ島へ行きました。今度は英語学習のためだけでなく、仕事もしつつ英語も学ぶという両軸ですね」

▶アクティブですね(笑)
「即行動はなるべく心がけていますね(笑) この頃はセブ島留学で蓄えた英語力も下げたくなかったし、海外にも住むことを当たり前にしたかったし、フリーランスにも本格的に挑戦したかった。パソコン1台でお仕事が完結できるなら、場所はどこでもいいんだと確信したかったんです」

▶海外で暮らす準備もご自分で?
「ええ、細かい手続きなんかも全部自分でやります。しかもセブに着いてから、住むはずの宿が整っていなくて現地で新しい住まいを探したり、もういろいろバタバタ(笑)」

▶トラブル対応も強くなりそうですね。
「なぜか海外って、最初は洗礼のようにトラブルがありますからね(笑)」

▶そんなこんなで、セブ島暮らしが始まったと。
「セブ島に移住したことで、英語は日常生活を通して体に馴染んできますから、英語力を向上できたことは本当に大きかったです」

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*フィリピン・セブ島。木陰でピンポンする友人*
 

「カナダで暮らす」

▶最近は、カナダにいらしたんですよね。
「はい、バンクーバーですね。セブ島以外のエリアでも暮らしたい、と思っていたところ、ちょうど友人が住んでいたこともあって、行ってみようと」

▶相変わらずフットワークが軽い。
「日本とのお仕事もあるので、時差にはとっても気をつけながら移動しないといけません(笑)」

▶カナダと日本の時差は…?
「カナダも広いので、エリアによって時差は異なります。バンクーバーの夏時間だと日本と時差は16時間ですね」

▶そうなると…
「日本が朝9時のとき、バンクーバーは夕方17時。日本が15時のとき、もう23時です(笑)」

▶ほぼ真逆(逆) 例えばクライアントが日本いる場合、どのようにお仕事をするのですか?
「ご依頼いただいている納品物や確認事項を、日本サイドで朝一で確認できるように、メールやSNSで送付しておきます。そこでポイントなのは、精度を高く、なるべくやり直しが発生しないようにすることですね」

▶なかなかハードルが高そう…
「精度の高い仕事をすることで、自分の時間はもちろん、相手の時間を無駄に浪費することを回避できますよね。たくさんの修正でご迷惑をおかけせずに済むし、お互い気持ちよくお仕事できます。だから、時短という意味でも仕事の精度にはこだわりますね。時差を不利な要素でなく、上手に活用する流れを作っていくことも重要なディレクションスキルだと思います」

▶なるほど…
「さらに細かいことを言うと…時差だけでなく相手国の祝日なんかもチェックしておかないといけません。休日に返信を求めるような連絡をするのは、失礼になってしまうことがありますから」


*バンクーバーの日々*
 

「バンクーバーのカフェで」

▶カナダでは、どんな場所でお仕事されるのですか?
「カフェが多いですね」

▶どんなカフェですか?
「写真撮ったのありますよ(笑) こういう感じですね」(※下記写真)

▶わあ素敵ですね。カフェは長時間いても大丈夫でした?
「もちろんお店にもよりますけど、フリーランサーに寛容な空気があるなと思いました。お店の内装も凝っていてポジティブな空気に溢れているし、クリエイティブな雰囲気ですね。長時間いても問題なさそうなお店は、暮らしているとだんだんわかってきます」

▶国が変わると、仕事もはかどります?
「やっぱり風景、空気がガラッと変わることは、お仕事だけでなく毎日が刺激的に変わります。いるだけで気持ちがいい場所を見つけると、確かに仕事もはかどりますね」
 

「感動体験の大切さ」

▶オフはどんなことを?
「私は仕事も趣味もデザインなんです。だから、美術館はもちろんアートに関わることが多かったですね。歴史ある美術館、インタラクティブな現代アート、IoTに人工知能の疑似体験、あるいは道端の壁画まで、何でも見て周ります。ただ…」

▶ただ…?
「特に冬のバンクーバーはレインクーバーと言われるほど雨が多いので、雨にも負けず外出する気持ちが必要です(笑) 11月~4月は雨季で寒いですから、防寒もしっかりと」

▶美術館に行く前にお天気もチェックですね。
「そうですね。私が住んでいた地域は、町にアーティストも多く、アーティストを受け入れる土壌もあったように思います」

▶やっぱり写真集やネットとはちがいますよね。
「はい、現場で見るアートや町並みは格別のものがありますよ。どんなお仕事でも、いいものには直接触れに出かけるのって、大切だなって思います」

▶体験に勝るものはない、という。
「かつて担当していたアクトハウスの講座でも(※現在はアメリカ移住により退任)生徒さんには「感動体験を自らたくさんすることの大切さ」を伝えていました。例えばそれがデザイン然り、プログラミング然り、マーケティング然り。生活全てにおいて、美しさの判断基準が育つからです」

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*アクトハウスのメンターとしても活動*
 

「小さなことの積み重ね」

▶旅しながら仕事するチャンスって、どうすれば手に入るのでしょうか。
「偶然の出逢いやチャンスは、そのときにそれが絶好の機会がどうかはわからなかったりするんですよね。でも、いただけるお仕事や出会えた方との交流を大切に、その機会にひとつひとつ丁寧に答えてきたことが、現在の海外フリーランスというスタイルに繋がっていると思います」

▶ひとつひとつ丁寧に。
「そうですね。ですので、私の場合はいつも「全ては何かに繋がる」と信じて、その瞬間瞬間を一生懸命生きることを心がけています。そうしていると、素敵な出会いがあったり、後から「あのきっかけが、大きなターニングポイントだったんだ」と実感することがあったり。コツをひとつ挙げるとしたら「小さなことも一生懸命やり続ける」ということでしょうか」

▶海外でも貴重な出逢いはありますか?
「もちろんです。カナダで出会ったアーティストや友人の出会いは大きなヒントを与えてくれました。人との出会いが今の私の働くスタイルにつながったように、小さな出会いがビジネスチャンスだけでなくその後の人生も構成する要素になり得る、いつもそう思っています」


*カリフォルニアのサンクスギビングデー*
 

「シアトル→サンフランシスコ→LA」

▶アメリカでもお仕事をされてましたね。
「アメリカでは、シアトル、カリフォルニア、LAなど西海岸です」

▶アメリカの印象は?
「そのままなんですけど、広い(笑) 車がないとどうにもならないというのは、いつも痛感しますよね」

▶コワーキングスペースなどで作業されるのですか?
「私はアメリカでは運転しないので、ウィークディは結構部屋で仕事に集中というのが多いんですよ。でも、お休みの日は友人が車で街に連れていってくれたり、新たな友人を紹介してくれて食事したり。名所なんかもちょこちょこ行きますね」

▶やっぱりネット中心ですか?
「クライアントとのコミュニケーションはLINE等のアプリになりますね。何でやりとりするかは相手の環境やご要望で臨機応変に変えるようにしています。Slackなんかも最近は使ってますね」

▶デザインのお仕事って、テキストのやりとりだけでは難しいときもありそう…
「もちろんお話するのはとても大事ですね。そうやって最初の要件定義がしっかりできていれば、以降は何回もミーティングの必要はないことも多いです。一度案件が動き出せば、こちらがプロとしてどれだけご要望を汲み取り、満足度が高く想像力をかきたてるデザインをご提案できるか、ですから」


*サンフランシスコでの暮らし*
 

「人生あっての仕事」

▶カナダとアメリカって、距離が近い感じもするんですが、何か印象的に変わりますか?
「ぜんぜんちがいますよ。同業界なので気にしちゃうのはあるんですが、例えばアメリカならシアトルはカリフォルニアに負けないくらいエンジニアが多かったな、という印象を持ちました。町自体はカナダの方がオシャレかも(笑)」

▶国籍も異なれば、働き方への価値観も異りそうですね。
「働くって、人生の長い時間を占めるからこそ、個々の価値観は大きく変わりますよね。私の海外の知人の範囲で言うと「仕事があっての人生でなく、人生あっての仕事」という感じがします」

▶人生あっての仕事。
「人生、生活の質を楽しく・明るく磨き上げることに精を出している、という生き方です。そういった人たちと日常的に関わっているから、私自身も気付かされることが多いですね。こっちの友人たちを見ていると「自分にとって何が一番大切か・幸せか」をしっかりわかっている。自宅のインテリアひとつでも手を抜かないですし」

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*お気に入りのシアトル「vinegar and oil shop」*
 

「これまでを振り返って」

▶キャリアを振り返っていかがでしょうか。
「まだまだ勉強中ですが、振り返るなら「出逢いと積み重ね」に尽きると思います。就職したときは右も左もわからず一直線に会社のため。フリーランスの最初の頃は生活のため。こういった修行時代を経て、お客様本位の仕事にシフトできるようになったのは、スキルと経験が醸成されてきたこの数年間だと思います」

▶いろいろな方々との出逢いも大きいんですね。
「それぞれの段階で支えてくださる方がいて、学ばせていただける環境がいつもあった。出逢いを大切にし、積み重ねてきたのがこれまでと思います。全ての経験が予期しないところで生きてくることを実感しています」

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「出逢い・出来事を大切に」

▶では最後に、これからのビジョンを。
「デザインで何ができるかを探しながら、日々デザインを続けていました。元々、貧しい国では今日食べ物があるかが重要で「デザインは不要なのでは?自分のやっていることは意味のあることなのか?」という思いがありました。そういった気持ちを持ちつつ、途上国・先進国の両方での生活を経たからこそ、少しずつ何を自分がやれるのかが具体的になっていきました。いまは長い時間をかけて少しずつ、福祉のフィールドでも何かできたらと考えています。それを実現できるかは、助けてくれている人への感謝と、小さな出逢いや出来事を大切にしていくことの積み重ねで開けていけると信じています。自分でも、次はどんなことが待っているのか、どんな国に訪れることができるのかとても楽しみです」

(セブ島にて取材/アクトハウス編集部)
 

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著者:アクトハウス編集部
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