「企業所属フリーランスでWebディレクター」 | IT留学のアクトハウス体験談
アクトハウス参加を決めたのは学生時代
▶毎日オフィスで顔を合わせているのに、改めてインタビューっていうのもなんかこそばゆいね(笑)でも、そういえば、アクトハウスに参加したきっかけを聞くのは初めてだね。ということで、よろしくお願いします。
「ホントそうですね(笑)こちらこそ、よろしくお願いします」
▶まずは、アクトハウスに参加した経緯やきっかけを教えてください。
「大学在学中に、ITサービスを手がけたいな、とふと思っていました。具体的なアイディアがあったわけじゃないんですけど。そこで、ネットを見ていてアクトハウスを知り、問い合わせたんです。無料個別相談でスカイプでお話したときに話したことがとても印象に残っていて、すぐではなくても必ず留学しよう、と心に決めていました」
▶すぐに決心したわけではないんだね。
「そうですね。大学卒業後は、知り合いが経営するベンチャー企業に就職しました。そこで様々な経験を積んだんですが、やはりアクトハウスに行きたい、という思いが強まって。思い切って退職して留学しちゃおう、と。それで、アクトハウスに参加したんです」
全部は無理だろうと思っていた
▶IT留学のアクトハウスのどこに興味を持ったの?
「プログラミングをとにかく習得したいと思っていて。実はアクトハウスの売りのIT・英語・ビジネスと言われても・・・全部を勉強するなんて無理だろうな、と思っていました。それなら日本で勉強しても同じじゃん、とも思ってたんですけど(笑)」
▶そうなんだ(笑)
「でも、実際に渡航してみたら、モチベーションの高い仲間がたくさんいて。留学したんだし、もう勉強するしかないよね、というムードだったのがとてもよかったです。少人数の密着型って感じだから、プログラミングをしっかり学べて、英語もなんとかついていけたし、デザインもビジネスも勉強できました」
参加中はとにかく勉強!勉強!だった
▶プログラミングは参加前から勉強していたの?
「いえ、全然です。興味はあるけれど、くらいでした。パソコンも、アクトハウスに参加する前にMacを新調したくらいでしたし」
▶念願のプログラミングの講義を受けてみて、どうだった?
「まず、プログラミングのメンターの方と仲良くしなきゃ、って思っていました。だから、いつも真っ先にメンターの方を積極的につかまえて、わからないことは徹底的に質問しまくりました。その結果、メンターの方にもよくしてもらい、一緒に旅行にいくこともありました」
▶マニラに行ったんだっけ?
「そうですね。週末の弾丸旅行だったんですが、その道中にも仕事やプログラミングに関する話をいっぱい聞けて。講師の方と近い関係でいられたのは、本当に大きかったです」
▶プログラミングの講義はどうでしたか?
「前半は基礎的なところから始まり、後半は、希望者ごとにフロントエンドとバックエンドに分かれて講義が展開されていきました。僕は、とにかくプログラミング!と思っていたので、両方希望して受けていましたね。だから、フロントエンドのコーディングでHTML,CSS,javascriptをみっちりと、バックエンドではPHPやwordpressを使ってサイト制作やシステム開発の知識もしっかり身につけられました」
ひとつのIT留学で「プログラミングも英語もデザインもビジネスも」
▶プログラミング以外の講義は、どうでしたか?まずは英語から聞こうかな。
「参加前は、プログラミングだけ勉強できればいいと思ってたんですけど、結局、どの領域もかなり勉強しました。英語は、会話力の向上に集中しようと思ったので、講義で講師の方と話すのに加え、フィリピン人の友達と1日に1時間だけでもモールでお茶をしながら話す、みたいなことをしていました。卒業後する頃には英語での会話は全く困らないくらい、身につけることができました」
▶デザインはどうでしたか?
「デザインも、最初は興味なかったんですけど、講師の方がフリーランスになるんだったらやらないわけないよね?という雰囲気で。だから、最低限宿題をやってついていこう、と。そうやって必死にやってたら、だんだん興味が湧いてきて、ツールは一通り使いこなせるようになりました」
▶勉強漬けだったんだね。意外だな(笑)
「意外ってどういうことですか(笑)。同期とはすごく仲が良くて、今でもみんなで会ったりしますけど、参加中は実はあまり一緒に行動することはありませんでした。カフェで勉強したり、モールでフィリピン人の友達と会ったり、結構、単独行動でしたね」
同期とは帰国後に東京で再会するなど深い絆ができたそうです。
▶フィリピン人のお友達はたくさんできた?
「現地で知り合ったフィリピン人の友達が、音楽イベントのチケットを安く売ってくれて。それで、フィリピン人の友達たちとチケットを買って一緒に音楽イベントに行ったり、家で飲んだり、フィリピンでコミュニティを作りたいなって思うくらい、人脈が広がったんです」
▶そうなんだ、そんなにたくさんの友達ができたんだね。
「当然、英語で会話しますから、英会話のスキル向上にもつながりましたね。友達とは今でも連絡を取り合っていて、こんど日本に来るらしいんですけど、ガイドして!なんて言われてるんですよ(笑)」
IT留学で挑戦した「案件」でグンと伸びた
▶タクオくんと言えば「案件」ですよね。
「ですね。実践編に移った後半の数ヶ月は、文字通りあっという間でした。案件に集中しすぎて、ほぼ記憶が無いくらいですね(笑)」
▶IT留学中、どんな案件に携わっていましたか?
「最初のうちはほとんどがwordpressが絡んだコーディング案件でした。仲間のみんなからも、タクオにコーディング任せておけば大丈夫、と思ってもらえてたみたいで。途中から、ディレクションに携わることが増えて、ディレクター兼コーダー、みたいな感じになっていましたね」
▶自然と役割分担ができてたんだね。
「そうですね。自分が120%のチカラを出し、さらに自分のできない分野を誰かに120%のチカラでやってもらえたら、チカラとチカラの相乗効果で150%くらいの成果を出せるんだよな、なんて頭の中で計算していました」
▶ディレクター向きの考えだよね(笑)
「今にして思えば、そうですよね(笑)。僕の場合、デザインはツールの使い方は一通りわかっていたけど、自分よりデザインセンスの良い人ってたくさんいるなぁ、と思っていて(笑)。だったら、デザインは誰かに任せたほうがいいかなって思ったのも、そんな考えからなんです。同期の堀さんとか、デザイン上手かったんですよ。だからデザインってなったら彼女にお願いしたりとか。実務として案件をいくつもこなしたんで、自分の得意分野以外は他人に任せてしまおう、とか、そういうところも含めて実践的な経験ができたのが良かったですね」
ウェブリニューアルに挑戦することに
▶印象に残っている案件はある?
「アクトハウス卒業間際に関わっていた不動産関係のウェブサイトリニューアルの案件が強く印象に残っています。色々あってスケジュールがカツカツになってしまい、、、そういえば、新村さんもお客さんのところに行ってましたよね」
▶そうだね(笑)。そのあと、みんなが頑張って立て直してくれたよね。
「その節はご迷惑をおかけしました(笑)。そうなんです、日本側でもそうやってサポートしてくれているというのもあって、僕たちでなんとかしようよ!と。メンバーみんなで力を合わせて、なんとかやりきることができました。振り返ってみると、あの時は本当に本当に辛かったです。でも、あの経験があったから、いま制作案件に携わっていても、大抵のことは辛くないと思えます。あの時よりマシだ、って(笑)」
▶あの案件では、ディレクターとして取りまとめに奔走してくれたんだよね。
「そうですそうです。炎上しかけてるな、と気づいたんで、僕からプログラミング講師の方に協力を要請したり、他にもたくさんの人がコーダーとして案件のヘルプのためにジョインしてくれました。講師の方とは元々とても仲が良かった事もあって、二つ返事で参加してくれて。繰り返しになりますけど、本当に大変でしたけど、みんなの協力もあって、なんとか着地することができました」
フリーランスになる!
▶卒業後すぐにフリーランス開業したんだよね。いつからフリーランスになろうと思っていたの?
「アクトハウスにいるときですね。参加して残り半分となったとき、これからどうしようって考えて。また就職することも考えたんですが、フリーランスでいろんなことに挑戦したい、と思いました。そんなとき、新村さんたちが株式会社カグラの制作事業を再起動させようとされてるという話を聞いて、これはちょうどいいな、と。それに、講師の方にフリーランスになりたいんですけど、って相談したら、《覚悟の問題でしょ!》とキッパリ言われて、ハッとしました。なんだそんなことか〜!って(笑)」
▶アクトハウス参加中の同期生が、同僚になったよね。
「同時期にアクトハウスに参加していたエリちゃんですね。卒業の時期が同じだったこともあって、卒業後に株式会社カグラの制作部門で一緒にやろうって話をしてたんです。彼女は、システムエンジニアとしてのキャリアが元々あって、それでアクトハウスに参加していたので、いまも仕事術とか大きなシステム開発に関することは僕が教えてもらうことが多いですね。良きライバルであり、良き先輩という感じです」
▶いまはどんなお仕事を?
「ディレクター兼エンジニアです。株式会社カグラの制作部門に専属フリーランスとして身を置き、クライアントへの営業折衝から制作・構築・運用まで、案件の内容により立場を色々に変えて対応しています。基本的に、複数の案件を並行して対応していくことが多いですね」
▶一般的なフリーランスとはちょっと違うよね。
「フリーランスって言うと、自ら仕事をとりにいき、すべてを自分だけで完結してこなす、というイメージがありますよね。でも、僕の場合は、株式会社カグラに所属するフリーランスです。会社員のようで、会社員じゃない。就業規則がないから、例えば出社時間も決まってないし、帰りたい時に帰ります」
▶そういえば、今朝もいなかったよね(笑)
「それは言わない約束ですよ(笑)。実は、朝はカフェで仕事していることが多いんです。メールチェックやタスクの整理は、カフェで済ませてしまうことが多いです。そして、通勤電車が空いてくる昼頃に、株式会社カグラのオフィスに出社したり、打ち合わせに出かけたりすることが多いですね」
▶流行りの言葉で言うと、ノマド的な感じだね。
「そうですね。働く場所や時間には縛りがないんです。だから、海外のクライアントの対応だって可能なんです。アクトハウス参加中に仲良くなった語学学校の旦那さんと無料通話アプリを使って打ち合わせをし、仕事をもらうこともありました」
▶海外のクライアント!?まさにグローバルな働き方だね。
「そうかもしれません。欧米では特にそうだと思いますけど、結果がすべて、です。とにかく結果を出せばよい。だからこそ、厳しい面もあります。会社員だと仕事がなくても給料がもらえますけど、フリーランスではあくまでも仕事をして成果を出さなければ報酬をもらえませんから」
システム開発ではPHPを使うことが多い
▶アクトハウスで学んだことは活きている?
「エンジニアとして携わる案件では、アクトハウスのプログラミングの講義で扱っていた要素技術は、フル活用できていますね。コーディングであれば、HTML,CSS,javascriptを駆使して。ウェブサイトの構築では、wordpressを使う案件がとても多いです。システム開発ではPHPを使うことが多いです。最近多いのは、ECサイトとの連携ですね。大手〜中小問わず、増えていると感じます。また、案件の対応をしたことで、プロジェクトやチームのマネジメント、コミュニケーション手法など、すべて、スキルとして活きている、と感じます」
▶ディレクターとしては?
「結構、アクトハウス参加中に携わった案件で、ディレクションを担当することも多くて、そのときの経験が活きていますね。最近携わった案件でちょっと異色なものでは、大規模なサイトやサービスのテスト案件を受けることがありました。そういう場合は、僕は完全にディレクターに徹して、チームメンバーを組織して対応することもあります。デザインが絡む案件だと、卒業生の福家さんに仕事をお願いすることが多いですね」
▶適材適所、ということかな?
「はい。案件の内容に合わせて最適な人選をし、チーミングしていく。そんなことを、何件も経験させてもらっています。仕事って、何をやりたいか、ということも大事ですが、誰とやるか、というのもとても大切だと思うんです。だから僕は、この人だったら任せられる、とか、この人と仕事をしたい、とか、そんな風に思ってもらえるディレクションを心がけているんです」
▶仕事は楽しい?
「楽しくない、とは答えられないですよね(笑)」
ITの「どベンチャー」である楽しさ
▶本音で答えていいですよ(笑)
「じゃ、遠慮なく(笑)。実際、すごく楽しいです。厳しいけど、やり甲斐がとにかくあるんですよね。僕たちが卒業した2016年3月末から、あっという間に2年くらい経ってました。でも、まだ2年。そういう意味では、まだまだ《どベンチャー》ですよね。だから、なんでもやっていかなければいけない。それがとにかく楽しいんです。年齢や立場の区別なく、こうしたらいいんじゃないかっていう意見も自由に出せるし、提案が採用されて組織としての方針や施策になることもある。自分の考えを話したらすぐにレスが返ってくる、このスピード感が好きなんですよね。大企業は大企業で素晴らしいと思うんですが、いまの組織では、自分がやったことの結果が見えやすい。自分の評価が見えやすくて、それがすごく楽しいんです」
▶たしかに。フリーランス集団だから、意思決定は皆さん自身ですもんね。
「意思決定までのスピードの速さ、仕事としての幅の広さは、同年代のビジネスパーソンではあり得ない経験をできてると思います。企業所属フリーランスだから会社組織の一員という面もありますけど、会社あるあるな出来事がほとんど起きません。例えば、打ち合わせしにいって、持ち帰ります、っていうことがほとんどないんです。やる・やらないも含めて、殆どの事柄を自らの判断で動ける、ということですね。だから、ぶっちゃけ、同年代には仕事で負ける気がしません!(笑)」
▶企業所属のメリットって、なんでしょう。
「本来的には制作の仕事とはいえない雑務、例えば営業事務や契約手続きなど、そういうことをやらなくて済む、作ることやディレクションに集中できる、というのが一番のメリットですね。アクトハウスのIT留学での講義で学びましたが、実際にやってみるとやっぱり手間がかかるなって思います。どこにも属さないフリーランスだと、そうした雑務もこなさないといけないし、トラブルが起きてしまったときにフリーランス対企業では立場が圧倒的に弱い。でも、企業所属だったら、あくまで企業対企業で話をしてもらえる。その辺が心強いですね」
今後の展望と伝えたいこと
▶いま抱えている野望は?
「野望とまではいかないですが(笑)、やっぱり、自分で何らかのサービスを立ち上げる、というのはチャレンジしたいです。アクトハウスに行こうと思ったきっかけでもありますし」
▶制作部門はどうするの?
「続けていくつもりです。これからまた就職して正社員という道があるかもしれないし、サービスを立ち上げて起業するかもしれない。僕がどんな立場になっても、何らかの形で関わりを持ち続けたいと思っています」
▶これからアクトハウスに行こうかなと思っている人、フリーランスになろうと思っている人に、一言どうぞ。
「いきなりですね(笑)。まず、迷ってるくらいなら、アクトハウスのIT留学に行きなよ、って思います。実際、後輩にもよく薦めていますよ。それと、どうせやるなら、中途半端なフリーランスにはなってほしくないですね。フリーランスになりたいならしっかり勉強しようね、と言いたいです」
▶アクトハウス行こうかな、どうしようかな、って迷ってる人、結構多いんだよね。そんな人たちに、もう一言、お願いします(笑)
「そうだなぁ。僕は、ですけれど。僕は、目に見えるものしか信じないんです。だからこそ、自分で経験したい、見てみたいと思ったからアクトハウスに行った。アクトハウスに行く前は情報収集はかなりしましたよ。実際にどういう学校か、というのも聞きまくったし、意見がもらえる人には相談しまくった。いろんな意見をもらいましたけど、でも結局決断するのは自分自身。最後は、オッケー!俺、行くわ!って感じで決めました。だから、迷ってるくらいなら行きなよ、なんですよね」
▶さいごに。フリーランスを自身が経験してみて、どんなフリーランスが「理想」だと思います?
「責任感がないとか、技術力がないとか、ただフリーランスになりました、は困ります。フリーランスって、自分自身に信用をつけていかなければならないと思うんです。中途半端な仕事をしてしまうと、フリーランスはこれだから・・・って言われてしまう。フリーランスとしてしっかり仕事をしていくということは、働き方の自由化が進む中、フリーランスの立場そのものを強くすることにも繋がると思うんです。だからこそ、しっかり仕事をして、日々勉強して、きちんと成果と実績を残せるフリーランスになってほしいし、自分も常にそうありたいですね」
(取材・構成 アクトハウス日本事務局 新村)