起業のためにすべきこと。それは「ひとつ」の小さな行動。
起業のためにすべきこと
起業。
これほどまでにリアルでスリリングで、しかも自分の力量を世に問うことができる「ゲーム」があるだろうか。
世界の名だたる企業も、決して全てが巨額の資本から生まれたわけでなく、アパートの一室やガレージオフィスから誕生していることもある。
ひょんな会話から、ファミレスのペーパーナプキンに書き込まれたアイディアが、やがて世界を沸かせるイノベーションへとつながっていくこともある。
起業という、はかなく小さくも大きな行動が、世の中をもっと便利に、楽しく変えていく。
その起業に必要なこと、それはなんだろう?
起業は「とにかく行動力」?
起業に必要なことは「とにかく行動力」と語られることがある。
しかしそれは言い方を変えれば、起業の前後に行動し続けることは「嫌でも発生するもの」と考えることかもしれない。
特に起業当初は「社長」とは名ばかりで、人を雇うお金や人脈もなければ、外部提携する資本もないもの。
日昼の通常業務もさることながら、役所にも行けば弁護士にも会う。公認会計士や銀行員、保険屋にも接見するだろう。
これらの合間に「数字を読む眼」も鍛え続けなければならない。
先人のアントレプレナーの話を聞くこともあるし、協業の相談をされることもある。従って「行動力」というのは、半ば強制的に、半永久的に発生するとも言える。
では起業するにあたり「リアルにしなければならないこと」とは何なのか…。
それは、
世の中に足りないものを探しだすこと。
頭の中にヒントはない
こんな現実がある。
世の中を感動させるアイディアは、実は、あなたの頭の中には眠っていないー。
「自分のなかに何かあるはずだ」
「考えても出てこない」
「うまくかたちにならない」
と、見えない何かに追われている「起業願望」を持つ人は意外に多い。
起業とはまるで天才のイノベーターが、一夜にして世界を変えること、と考えているのかもしれない。
しかしここに大きな勘違いがある。
事業アイディアのヒントはどこにある?
アイディアのヒント。
それは、あなたが生活している「身の回り」にある。
真実はそんな、地味なところにあったりする。
身の回りにないだろうか。
生活で不便なもの。
もっと広げれば、社会で不公平なもの。
もっともっと広げれば、地球に足りないものー。
誰もが感動するサービスとは、世の中に「足りなかったこと」をビジネスにしてブレイクしている。
いらないものは売れず、いるものは売れる。ただそれだけの世界。
起業は、夢物語や妄想でなく、才能でも金でもなく「世の中に足りないものを探しだす努力」から始まる。
世界を驚かせる発明は、突然空間から現れるわけではない。
何時間も唸っていれば生まれる約束がされるものでもない。増してや授業中やバイト中、仕事中に思いつくものでもない。
確かなのはたったひとつ。
「世の中に足りないものを探しだすこと」のアンテナを立て続けている者にのみ、降りてくる。
サービスのアイディアは地味にやってくる
アイディアは、一見華やかなようで実は「地味に、そしてだんだんと」やってくる。
世の中に足りないものを考えよう。
その意識を持つだけで、今まで当たり前であった「風景」が少しづつ変わってくるはず。
通勤電車のなかでも、学校の廊下でも。買い物に行くときも、バスを待っているときも。スマホで遊びすぎているなら、顔を上げて町を見よう。人の流れや交通、ファッションやお店に目を向けよう。
身の回りの「どこが不便で、どこが面倒くさいのか」に気づこう。
起業のスタートはそこからだ。
世の中は本当に最適化されているだろうか…?
日常のなかで粘り強く「違和感トレーニング」を重ねよう。
違和感トレーニング
● これは不便だな
● なぜこの形なのだろう
● どうしてもっと早くできないのだろう
● もしこうだったら素敵だろう
● まだこういう方がマシだろう
● 仮にこうなれば感動するだろう
いつもの風景が、いつもの駅の階段が、いつも渡る道路が、いつもの商店街が、いつものコンビニが、いつもの標識が、いつもの部屋の風景が、少しづつ「不便」という輪郭をともなって浮き上がってくる。すると、
衝動インスパイア
● こんなふうにできたら
● ああいう感じで作ったら
● こうすれば変えられるかも
● 誰々に聞いてみよう
● 実際に見に行こう
● あれとこれを比べてみよう
「違和感」が「衝動」に変わってくる。
そして、まずは自分でやってみる。
グチャグチャでもボロボロでも、まずは「第一弾」を作ってみる、
自分だけの世界やネットの二次元から飛び出し「実際に行き」「話を聞き」「触れてみる」ことから始めてみる。
もちろんWebサイトも自分の企画やデザイン、ディレクションでつくり上げる。下手くそだし、写真や文章も見よう見まねかもしれない。でもそれでいいのだ、どうせ後からブラッシュアップしていくのだから。
試行錯誤の日々、つらい現実と闘いながらの毎日ではあるが、この時間はあなたの着想が「サービス」に羽化する直前の最もみずみずしい瞬間でもある。
世の中に足りないものを考える
世の中に足りないものを考える。
この前提を知らないと、不安ばかりが先につのり「何か良いアイディアはないか」とネット検索に走ったり、セミナーへ出かけたり、パーティに出席したりと「やってる感」だけの手段を選択してしまう。
しかし、アイディアを授かるためにはまず「世の中」を知らなければならない。「世の中」を知らなければアイディアは出ない。
興味のなかった新聞や、難しいと思っていた経済ニュースも、ちがう聞こえ方をしてくる。起業意欲とはそれだけのパワーをもっている。
世界情勢や経済、テクノロジー、トレンドや株価の変動、自然災害や人口構造まで。そのすべての学びは来るべき「起業家人生」がスタートした際に、強大なる武器になってかえってくる。
今までテレビやラジオの向こう側で起きていた他人ごとが、みるみる連結し「点が線」になっていく。すると知識の底上げが生じ、マスコミの情報を鵜呑みにしない「考察力」がついてくる。
情報に流されるだけだった自分とオサラバし、「世界」がリアルに形をもって出現してくる。日常的に情報と情報を冷静に照らしあわせるクセがつけば、世界の「すき間」が見えてくる。
ビジネスチャンスはそこにある。
起業のチャンスは
行動力・発想力・破天荒・天才肌・努力家ー。
随分と美化されている起業家のイメージだが、これは虚像に過ぎない。
これらは後から誰かが、あるいは本人たちがエゴを満たすために勝手につけたイメージではないだろうか。いやこれらがある部分では事実だったとしても、これらはあくまで「スタイル」であり、起業の本質ではない。
何よりもまずは、
世の中に足りないものを探しだすこと。
あなたがもし天才でなくても、努力家でなくても、会社員でも、フリーランスでも、学生でも、まったく問題ない。
生活で不便なもの、社会で不公平なもの、地球に足りないもの。
起業のチャンスはそこにある。
>> では起業の後は? 「起業の直後あるあるトラブル。最初の不安・動揺・落胆を抜け出せるか?」を読む >>>
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著者:アクトハウス代表 清宮 雄
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