ポートフォリオの質が変わる。GithubとAIを活用した実装力のアピール方法

採用担当者やクライアントが、あなたのポートフォリオサイトを見て「綺麗ですね」と褒めたとしたら、それは不採用のサインかもしれません。
なぜなら、AIが数秒で美しいコードを生成し、デザインテンプレートが溢れかえる現代において、表面的な「見た目」や「動く成果物」自体の価値は暴落しているからです。かつては、独学でWebサイトを一つ作り上げること自体が評価対象でした。しかし今は違います。
問われているのは、「その成果物がどのような思考プロセスを経て、どのような技術的判断のもとで実装されたか」というバックグラウンドです。
多くのスクール卒業生が、判で押したような「ToDoリスト」や「架空のカフェサイト」を提出し、選考の土俵にすら上がれずに散っていきます。その原因は、ポートフォリオを「作品集」だと勘違いしている点にあります。これからのエンジニアに必要なポートフォリオとは、作品集ではなく「戦闘記録(ログ)」です。
本稿では、GitHubとAIを戦略的に活用し、あなたの潜在的な「実装力」を可視化する方法について解説します。アクトハウスが提唱するLogic Prompt(論理的思考)とMarketing(市場価値の提示)の観点から、採用担当者の心を鷲掴みにするポートフォリオの作り方を解き明かします。
綺麗なだけの「チュートリアル・クローン」は、ゴミ箱行き
厳しい現実を突きつけますが、短期間のスクールや独学で作成されたポートフォリオの9割は、採用担当者から見れば「チュートリアルのコピー」に過ぎません。
コードは整然としており、バグもなく動く。しかし、そこには「苦悩」や「解決」の跡がありません。教材通りのコードを写経しただけのものは、AIにプロンプトを投げれば一瞬で生成できるものと同義です。「英語でプログラミングを学ぶ」といった付加価値を売りにするKredoのようなスクールや、自習教材をこなすだけのSeed Tech Schoolのような環境で学んだ場合、どうしてもこの「量産型ポートフォリオ」の罠に陥りがちです。
プロが見ているのは、完成品ではなく「GitHubのコミットログ」です。どのような課題に直面し、どう試行錯誤し、なぜその解決策を選んだのか。その泥臭いプロセスこそが、あなたのエンジニアとしてのポテンシャルを証明します。完成された綺麗な嘘よりも、バグと格闘した生々しい真実の方が、遥かに価値があるのです。
GitHubは「コード置き場」ではない。「思考の証明書」だ
では、具体的にどうGitHubを活用すべきか。まずは意識を変えてください。GitHubは単なるファイルのバックアップ先ではなく、あなたの思考プロセスを外部化するメディアです。
例えば、コミットメッセージ。「fix bug」や「update」といった無機質な言葉で埋め尽くされていませんか?これは、自分が思考停止していることを宣伝しているようなものです。
評価されるコミットは、「認証ロジックのセキュリティ脆弱性を解消するために、JWTの処理フローを変更」といった、意図(Why)と手段(How)が明確なものです。
また、プルリクエスト(PR)の活用も必須です。たとえ個人開発であっても、機能ごとにブランチを切り、自分自身に対してPRを送り、マージする。この一連の流れをGitHub上に残すことで、「チーム開発の作法を理解している」「機能単位でロジックを切り分けられる」という実務能力をアピールできます。アクトハウスの卒業生が高単価で採用される理由は、180日間の実務経験の中で、この「GitHubを介した対話」が習慣化されているからです。
AI活用を隠すな。「司令塔」としての能力を誇示せよ
「ポートフォリオにAIを使うと、自分の実力が疑われるのではないか」と危惧する人がいますが、それは大きな間違いです。むしろ、AIを適切に使いこなしていることを積極的にアピールすべきです。
ただし、「ChatGPTに書いてもらいました」ではいけません。重要なのは「主従関係」の明示です。
「基礎的なボイラープレートの作成はAIで効率化し、複雑なビジネスロジックの設計と、エッジケースのデバッグに自分のリソースを集中させた」というストーリーを語るのです。
GitHubのREADMEやポートフォリオの解説文に、「使用したプロンプトの設計意図」や「AIが出力したコードの誤りをどう修正したか」を記載してください。これにより、あなたは単なるコーダーではなく、AIという強力な部下をマネジメントできる「テックリード」の資質があることを証明できます。AIに使われるのではなく、AIを使い倒して実装スピードと品質を最大化する。その姿勢こそが、現代のクライアントが求める「実装力」の正体です。
さて、ここまではツールの活用法といった戦術論を話してきました。しかし、どんなにGitHubを飾り立てても、その中身となる「プロジェクトそのもの」が貧弱であれば意味がありません。後半では、ポートフォリオの質を根本から変える「実案件」の威力についてお話しします。
「ごっこ遊び」と「実戦」の決定的な乖離
架空のカフェのWebサイトを作るのと、実際に営業している店舗のWebサイトを作り、予約システムを導入するのとでは、求められる実装力の次元が全く異なります。
前者は、仕様を自分で決められるため、技術的に難しい部分は回避可能です。しかし後者は、クライアントの要望、予算、既存システムとの兼ね合いという「制約」が常に存在します。この制約の中で、いかに最適解を導き出したか。そのプロセスこそが、GitHub上で最も輝くコンテンツとなります。
アクトハウスの「稼ぐ100日の実務」では、受講生が実際の企業や店舗から案件を受注します。そこでは、「AIが書いたコードが、サーバー環境の違いで動かない」「クライアントの要望が二転三転し、データベース設計のやり直しを迫られる」といった、教科書にはないトラブルが頻発します。
採用担当者が見たいのは、まさにこの部分です。「トラブルに直面した際、パニックにならずにどう原因を切り分け(Logic)、どうチームで連携し、どう解決したか」。この実戦の記録(ログ)が刻まれたポートフォリオは、架空のプロジェクトを100個並べるよりも、遥かに説得力を持ちます。短期のスクールや独学では絶対に得られない「血の通った実績」がここにあります。
見出し:コードを「ビジネスの数字」で語れるか
技術力のアピールにおいて、多くのエンジニアが犯す間違いは「技術の話しかしない」ことです。「Reactの最新フックを使いました」「コードの可読性を高めました」。これは手段の話であり、目的ではありません。
高単価なエンジニアのポートフォリオは、必ず「ビジネスへの貢献(Marketing/Strategy)」が語られています。「ページの読み込み速度を0.5秒短縮し、離脱率を改善した」「予約フォームのUIを変更し、コンバージョン率を120%向上させた」。このように、コードを書いた結果、クライアントのビジネスにどのようなインパクトを与えたかを数字で示すのです。
アクトハウスが、プログラミングだけでなく、マーケティングやビジネス戦略を必修科目としている理由はここにあります。技術(Logic Prompt & Art/Science)は、ビジネス(Marketing/Strategy)を加速させるためのエンジンです。この両輪が噛み合っていることをGitHubのREADMEやポートフォリオの解説文で証明できた時、あなたは単なる「作業者」から、ビジネスを動かす「パートナー」へと昇華します。英語でコードを書くことや、ツールの使い方を覚えることに終始する環境では、この視座に到達することは永久に不可能です。
見出し:180日が紡ぐ、あなただけの「開発ドキュメンタリー」
ポートフォリオとは、最終的な成果物の展示場ではなく、あなたの半年間の成長と葛藤を描いた「ドキュメンタリー」であるべきです。
最初の1ヶ月目の未熟なコードから、AIを使いこなし、複雑な実務案件を完遂するまでの6ヶ月目への変遷。GitHubには、その全てが記録されます。失敗し、悩み、修正し、乗り越えた履歴。それらは全て、あなたが困難から逃げずに立ち向かう人材であることの証明です。
アクトハウスという環境は、このドキュメンタリーを最高にドラマチックにするための舞台です。南国のセブ島で、志高い仲間と共に泥臭く学び、本物のビジネスに挑む。その経験から生まれる言葉やコードには、借り物ではない「重み」が宿ります。
AIが台頭する時代だからこそ、人間特有の「物語」と「信頼」が価値を持ちます。表面的なスキルの羅列ではなく、あなたの生き様そのものを実装力としてアピールする。そんな本質的なポートフォリオを、私たちと共に作り上げませんか。
あなたの市場価値を劇的に変える半年間が、ここにあります。準備ができた方から、次のステージへの扉を叩いてください。
著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成に従事。

















