非デザイナーのための「秒速」バナー制作論。Canva×AIの極意とは

「バナー1枚作るのに、気づけば2時間経っていた」

「頑張って作ったのに、なぜか素人っぽさが抜けない」

もしあなたが、本職のデザイナーではないマーケターやエンジニア、あるいは個人事業主なら、この泥沼にハマった経験があるはずだ。

Photoshopを開き、白紙のキャンバスを前に途方に暮れる。その時間は、ビジネスにおいて最も無駄なコストの一つだ。

断言しよう。非デザイナーがゼロからデザインをしてはいけない。

あなたが目指すべきは、アーティストのような「独創性」ではなく、ビジネスマンとしての「生産性」だ。

現代にはCanvaという強力な武器があり、さらにそこにAIが実装された。 これらを使いこなし、合格点のクリエイティブを「秒速」で量産する。

それが、ビジネステック人材に求められるデザインの生存戦略だ。

今回は、センスに頼らず、ツールとロジックで戦う「秒速バナー制作」の極意を伝授する。

80点主義。「白紙」から始めるな

非デザイナーが陥る最大の失敗は、「オリジナルを作ろうとする」ことだ。 プロのデザイナーでさえ、過去の膨大なインプット(引き出し)から最適なレイアウトを取り出している。

引き出しのない素人が、白紙から正解を導き出せるはずがない。

鉄則は一つ。「テンプレート至上主義」だ。

Canvaを開けば、そこには世界中のプロが作成した何万というテンプレートがある。

文字の配置、配色のバランス、余白の取り方。それらは既に「デザインの4原則(整列・近接・反復・コントラスト)」に基づいて計算され尽くしている。

この完成された骨組みを利用せず、自分でテキストボックスを適当に配置し始めるから、デザインが崩壊するのだ。

プライドを捨てろ。「パクる(TTP:徹底的にパクる)」ことは、ビジネスにおいて正義。

テンプレートを選び、写真と文字だけを入れ替える。構成はいじらない。 この割り切りこそが、クオリティを担保したまま作業時間を1/10にする唯一の方法である。

AIを「部下」として使い倒す

さらに今、Canvaには強力なAI機能(Magic Design)が搭載されている。 これを使わない手はない。

「夏のセール、青、爽やか、Instagram用」と入力するだけで、AIが複数のデザイン案を一瞬で生成してくれる。

また、「Magic Resize」を使えば、一つのバナーをYouTubeのサムネイルサイズやX(Twitter)のヘッダーサイズに一発で展開できる。

ここであなたに求められる能力は、「描く力」ではない。「選ぶ力(ディレクション能力)」。

AIが出してきた複数の案の中から、ブランドイメージに最も近く、かつ視認性が高いものを瞬時に判断して採用する。 あるいは、「写真はいいが、文字が見にくい」と判断し、そこだけ微修正する。

あなたはデザイナーとして手を動かす必要はない。AIという優秀なアシスタントに指示を出し、最終決定を下す「クリエイティブ・ディレクター」になればいいのだ。

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「違和感」を消すための最低限のロジック

テンプレートとAIを使えば、70点は取れる。 そこからさらに「プロっぽさ」を出し、クリック率を高めるために必要なのが、最低限のデザインロジックだ。センスではなく、数学的なルールを守るだけでいい。

3色ルール 色は「ベースカラー(70%)」「メインカラー(25%)」「アクセントカラー(5%)」の3色に絞る。あれもこれもと色を使うと、画面は一気に安っぽくなる。迷ったら白と黒、そしてブランドカラーの1色だけでいい。

整列の徹底 素人のデザインは、要素が微妙にズレている。左揃えなら、1ピクセルたりともズラしてはいけない。Canvaの「配置」機能やガイドラインを使い、機械的に揃える。人間の目よりも、数値を信じろ。

余白は「神」 情報を詰め込もうとして、余白を埋めてはいけない。余白こそが、情報の優先順位を語る。文字の周りに十分なスペースがあるからこそ、その文字は読まれるのだ。余白を恐れるな。

デザインは「検証」のためにある

なぜ「秒速」にこだわるのか。 それは、Webマーケティングの本質が「テスト(検証)」にあるからだ。

3時間かけて作った渾身の1枚が、全くクリックされないことはザラにある。

それよりも、10分で合格点のバナーを3パターン作り、A/Bテストに回す。 「赤がいいか、青がいいか」「人物写真がいいか、イラストがいいか」。市場の反応を見ながら、高速でPDCAを回す。

デザインのクオリティに固執して検証回数を減らすのは、本末転倒だ。 質より量。そしてスピード。

「秒速」でアウトプットを出せる非デザイナーは、時間をかけて悩むデザイナーよりも、ビジネスにおいては遥かに強い。

CanvaとAIという武器を手にした今、あなたに「センスがない」という言い訳はもう通用しない。

さあ、今すぐPhotoshopを閉じ、ブラウザを開け。あなたの仕事は、バナーを作ることではなく、バナーを使って成果を出すことなのだから。

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著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成=「+180 ビジネステック留学」の戦略・運営を主導。

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