2026.01.19

メンターは”先生”ではない。正解ではなく「思考」を盗む質問力とは

Lab Culture

メンターは”先生”ではない。正解ではなく「思考」を盗む質問力とは

「まだ見れていないのですが、見てください」

「これってうまくいきますかね?」

学校の授業であれば、このような質問も自然なことかもしれません。しかし、実際のエンジニアの世界、そしてアクトハウスにおいては、もったいないアプローチになってしまいます。

メンターを「答えを教えてくれる先生」と捉えている間は、なかなか自分ひとりで進める力(自走力)が身につきにくいからです。

彼らは単に勉強を教える「先生」ではないということ。

みなさんの成長をぐっと加速させるための貴重な「リソース(資源)」であり、みなさんのアイデアや考えを広げるための「壁打ち相手」です。

今回は、アクトハウスにおけるメンターとの一歩進んだ付き合い方、そしてその環境を最大限に活かす方法についてお話しします。

【参考】メンター紹介を見る

「正解」を聞く前に「思考のプロセス」を共有する

エラーが出た時、深く考える前にすぐ答えを求めてはいないでしょうか。

「ここを直せば動くよ」と言われてコードを書き直す。確かにその場では解決しますが、それではみなさんの中にノウハウが蓄積されにくくなります。次に同じようなエラーに直面した時、またどうしていいか分からなくなってしまうかもしれません。

だからこそ、メンターに聞くべきは「答え(Code)」そのものではなく、「どうやって解決するかという思考プロセス(Context)」です。ここを一緒に議論することが大切になります。

「自分はここまで調べて、原因はAかBのどちらかだと考えているのですが、このアプローチであっていますか?」

このように問いかけることで、メンターはみなさんの考え方のロードマップを一緒に整理してくれます。

「その考え方なら、まずはログのこの部分を見てみようか」

「いや、そもそも全体の設計を少し見直した方がスムーズかもしれないね」

こうした対話を通じて、現役のエンジニアがどのように問題に向き合い、解決へと導いているのかという「思考の地図」を学ぶことができるのです。

これこそが、独学では決して得られない大きな財産であり、これからのビジネスシーンでもっとも重要とされる「質問力」というスキルです。

このスキルを少しずつ身につけていくことで、問題の根本原因を自分で見つけられる、頼もしいエンジニアへと近づいていきます。

「丸投げ」を卒業する。議論の視座を一段上げる「質問力」とは

ChatGPTやGeminiにはできない「壁打ち」の価値

「コードのエラーを解決するだけなら、AIでも十分ではないか」と思われるかもしれません。

確かにその通りです。文法的なエラーや一般的なバグの修正であれば、AIの方が手軽でスピーディなことも多くあります。しかし、AIはみなさんの「背景やビジョン」までは把握していません。 みなさんが将来どんなキャリアを目指しているのか、今作っているプロダクトでどんな課題を解決したいのか、といった文脈までは汲み取れないのです。

メンターがすぐ近くにいる本当の価値は、答えが一つではない問いに対して、一緒にアイデアを練り上げる「壁打ち」ができることにあります。

「この機能、ユーザーの使いやすさを考えると、どんな実装がベストでしょうか?」

「将来フリーランスとして活動したいのですが、今のポートフォリオに何をプラスすればいいですか?」

こうした問いに、絶対的な正解はありません。

あるのは、現場の第一線で経験を積んできた先人たちの「知恵」と「視点」だけです。

お互いに意見を交わし、自分のアイデアをぶつけ、フィードバックをもらう。

そのラリーを繰り返す中で、みなさんの視野は自然と広がっていきます。AIは「情報」をくれますが、メンターは「新しい視座」をくれる存在です。

プロの時間をプロとして「活かす」という感覚

アクトハウスのメンター陣は、市場でも活躍している現役のエンジニアやクリエイターです。

彼らを通常のビジネスとして個別にサポートを依頼しようとすれば、時間あたり相応のコストがかかります。そんなプロフェッショナルがみなさんのすぐそばにいて、いつでも対話できる状態で待機している。この少人数・マンツーマンに近い環境は、非常に恵まれた贅沢な空間です。

参加を決意した時点で、みなさんはすでにこの環境を活かす権利を持っています。「遠慮して質問できない」というのは、せっかくの機会を十分に活かせず、非常にもったいないことです。ぜひ積極的に頼ってみてください。

ただし、お互いの「リスペクト(敬意)」は大切にしたいところです。メンターは機械的なAIや検索ボットではありません。

お互いにプロ、そしてプロを目指す仲間としてリスペクトがあるからこそ、良い議論が生まれます。「自分はこう思うのですが」という事前の準備や仮説を少しだけでも用意して持っていくことが、お互いにとって有意義な時間にするための素敵なマナーです。

アクトハウスの期間を通じて、この「質問のしかた」も少しずつステップアップしていければ大丈夫です。最初から完璧にできる人は誰もいませんので、安心して一歩ずつ進めていきましょう。

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依存ではなく、自立のための「活用」

「最初から周りに聞きすぎると、ひとりで進める力がつかなくなるのでは?」と心配になるかもしれません。しかし、実際は逆です。

上手に周りを頼り、そのノウハウを吸収できる人ほど、結果として早く独り立ちしていきます。

ひとりで長時間悩み込んで立ち止まってしまうよりも、メンターの知恵を借りて次々と実践(PDCA)を回していく方が、成長のスピードは圧倒的に速くなります。

アクトハウスでの期間は、メンターという「補助輪」をつけて、思いきり走る練習をする時間です。バランスを崩しそうになったらサポートしてもらい、進む方向を迷ったらアドバイスをもらう。

そうして「走り方」や「トラブルの乗り越え方」を体験として身体に馴染ませていきます。卒業を迎える頃には補助輪が外れ、みなさんはもう、自分の力でどこまでも進んでいけるようになっているはずです。

遠慮することなく、たくさん対話をして、プロの深い考え方に触れてみてください。メンターのノウハウをどんどん吸収し、いつか彼らと肩を並べ、超えていくようなエンジニアになっていくこと。それこそが、何よりの成果になります。

質問をする前に、まずは一呼吸。

「自分の考えを伝える練習」として、ぜひ一歩を踏み出してみてください。

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著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成=「+180 ビジネステック留学」の戦略・運営を主導。

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