2026.05.15

なぜ「iPhone」を選ばないのか。異端なメンター陣「3台のスマホ」

Lab Culture

なぜ「iPhone」を選ばないのか。異端なメンター陣「3台のスマホ」

メンター陣のスマホに現れる「思考のOS」

日本のビジネスパーソンが集まる会議室を見渡すと、机の上に置かれているスマートフォンの大半はiPhoneです。

もちろん、iPhoneは極めて優秀なデバイスであり、洗練されたエコシステムを持っています。しかし「みんなが使っているから」「無難だから」という理由で、毎日何時間も触れる最も身近な道具を選ぶことに、一切の疑問を持たない人も少なくありません。

セブ島、アクトハウスのメンター陣のミーティング風景は、これとは全く異なります。

彼らの手元にあるのは、生産国も、設計思想も、ターゲット層も完全にバラバラな3台のAndroidデバイス。

「自分にはこれが必要なのだ」という強烈な自我とこだわり。

彼らが選んだスマートフォンには、アクトハウスのカリキュラムを牽引する、

「Art & Science」(旧デザイン講座)
「Logic Prompt」(旧プログラミング講座)
「Marketing/Strategy」(旧ビジネス講座)

それぞれのプロフェッショナルが持つ「思考のOS」が、驚くほど鮮明に表れています。

では、それぞれの愛用スマホをメンター別に見てみましょう。

イギリスの異端児「Nothing」× デザイン

デザイン領域を統括する「Art & Science」のメンターが愛用しているのは、イギリス・ロンドン発の気鋭のスタートアップ企業が手掛ける「Nothing Phone」です。

このスマートフォンが選んでいる理由は、表面的なUI(見た目の装飾)を美しく整えることではなく、その裏側にあるUX(ユーザー体験)の思想が、そのままデザイン講義の核をなしているから。

※Art&Scienceのメンターはこの動画の方(※インタビュー内容は「使用しているAIツール」について)

以下、次世代のデザイン領域=Art&Scienceとの親和性を挙げてみます。

内部構造を露出させる透明な背面

基盤の配置そのものを美学へと昇華させたデザインは、表面の装飾ではなく「なぜその配置、その構造になったのか」という論理的背景を可視化するArt & Scienceの設計思想そのものです。

LEDの明滅だけで情報を伝えるGlyph Interface

無駄な画面点灯を抑えて必要な通知だけを視覚的に伝える試みは、人間の行動心理から逆算して無駄を削ぎ落とす、最新のUI/UXデザインの法則を体現しています。

不要な色彩を排除したモノクロームの専用UI

アプリから視覚的なノイズを徹底的に排除した白黒の世界観は、感覚に頼らず「情報の優先順位と機能」だけで画面を再構成する、デザインロジックの教材と言えます。

 

【デザイン領域との深い関わり】

表面的なUI(見た目)を美しく整えるだけでなく、その裏側にあるUX(ユーザー体験)や、なぜその配置になったのかという「論理的背景」を可視化する試みです。「感性(Art)は強固な論理(Science)によって裏付けられなければならない」というデザインメンターの哲学を、この英国的なアバンギャルドの精神がそのまま体現しています。

【参考】メンターは現役のプロ。教科書にない「現場のリアル」を学ぶ価値。

中国の圧倒的スペック「RedMagic」× プログラミング

プログラミング領域を統括する「Logic Prompt」のメンターの手にあるのは。

中国のNubiaが展開する超ド級のゲーミングスマホ「RedMagic」です。

世界のテクノロジーの首都・深センが到達した「力技と合理性」を煮詰めたようなこの端末は、万人受けなど最初から放棄し、極限の演算能力に特化しています。

※Logic Promptのメンターはこの動画の方(※インタビュー内容は「使用しているAIツール」について)

以下、次世代のプログラミング領域=Logic Promptとの親和性を挙げてみます。

熱暴走を物理的に封殺する内蔵冷却ファン

チップを強制冷却して速度低下を防ぐハードウェアの設計は、巨大なLLM(大規模言語モデル)を駆動させる際、サーバー負荷や処理のボトルネックを徹底的に排除するプログラミングの最適化ロジックそのものです。

画面操作の限界を超える物理ショルダートリガー

画面タップという既存のUIの制約を物理ボタンで突破する構造は、限られたプロンプト(変数)を工夫してAIから最高精度の出力を引き出す「Logic Prompt」のメタ的な思考法に直結しています。

基盤へ直接電気を送り込むダイレクト給電システム

バッテリーを介さず発熱を完全に防ぐこの仕組みは、長時間のシステム運用でも「絶対にプロセスを落とさない」「エラーの火種を根本から潰す」というエンジニアの堅牢な設計思想を象徴しています。

 

【プログラミング領域との深い関わり】

このデバイスの目的はただ一つ、「最高到達点のパフォーマンスを、いかに長時間維持するか」という極限の最適化です。これは、プロンプトという限られた変数を操り、巨大なLLM(大規模言語モデル)に最も正確で負荷のない処理を行わせる「Logic Prompt」の思想と完全に一致します。ボトルネックを物理的に排除し、目的達成のために手段を選ばない圧倒的な「演算能力至上主義」の象徴です。

メンター陣の紹介を見る

アメリカのAI頭脳「Google Pixel」× ビジネス

一方で、ビジネス領域を教える「Marketing/Strategy」のメンターが選んだのは、アメリカの巨大IT企業が自ら手掛ける「Google Pixel」です。セブ島では基本的に売ってないのが、このPixelシリーズ。ハードウェアの奇抜さよりも、シリコンバレー的な「ソフトウェアによる実務解決能力」に全振りしたこの端末は、以下のような実利的な機能を備えています。

※Marketing/Strategyのメンターはこの動画の方(※動画内容は「AIが新規事業スタートアップにもたらす影響」)

以下、次世代のビジネス領域=Marketing/Strategyとの親和性を挙げてみます。

Googleエコシステムとの完全同期

各種クラウドツールとシームレスに連携して同期を最速化させる機能は、マルチタスクが基本となるビジネスの現場において、情報の検索・共有のスピードを最大化して機会損失を防ぐ戦略そのものです。

最短最速でビジュアルを生成するAI画像処理

写真の不要な要素を一瞬で消し去る機能は、デザインのディテールに泥泥と時間を溶かすことなく、マーケティングの訴求に必要な成果物を「最短ルート」で用意してROI(投資対効果)を高める実学主義の表れです。

オフラインでも機能するリアルタイム自動文字起こし

商談の音声をその場で極めて正確にテキスト化するシステムは、議事録作成という非生産的な労働時間を完全に排除し、最も尊い資源である「時間」を戦略構築に全振りするためのビジネスの実行力そのものです。

 

【ビジネス領域との深い関わり】

ビジネスにおいて最も尊い資源は「時間」であり、最も評価されるのは「結果(ROI)」です。ガジェットとしてのギミックに酔うのではなく、「今、目の前にあるタスクをいかに効率よく、正確に終わらせるか」。無駄を削ぎ落とし、最短ルートで利益を生み出す実学主義は、Googleツールを縦横無尽に多様するビジネスの現場の実行力そのものです。

マニアックなメンター陣から「盗む」180日の価値

イギリスの美学、中国の極限ロジック、アメリカの実利主義。

見事なまでにバラバラな3台のスマートフォンは「単なる趣味の違い」ということでスルーはできないエッジが立っています。これは、

「自分は何に価値を置き、何を切り捨てるのか」

という、プロフェッショナルとしての明確な自己定義の表れではないでしょうか。

思考停止にiPhoneではない、かといって別にiPhoneを否定してるわけでなく「自分にはこれが必要なので」として所持しているところに、各人の素のこだわりが垣間見えます。

【参考】メンターは”先生”ではない。正解ではなく「思考」を盗む質問力とは

ネットに落ちていない「プロの狂気」を盗む

セブ島の要塞「アクトハウス」で学ぶ参加者にとって、共に180日間を過ごすメンター陣は、最も近くにいる「生きた教材」です。

こうした”偏愛”と強烈な哲学を持ち、息をするように最新のツールを実務に組み込み続けるベテランメンターたちとの時間は、決してカリキュラムの文字面だけでは読み取れない圧倒的な価値があります。

彼らが普段どのような視点で世界を切り取り、どう最新のAIツールを実務に組み込み、どんな課題に向き合っているのか。

その「思考のプロセス」や「プロとしての狂気」を間近で観察し、何気ない日常の会話や食事の席から盗み取ること。

ガジェットひとつにすら世間に流されない、余裕のマイペースと確固たるロジックがほとばしる環境。アクトハウスに足を踏み入れた際には、勉強以外の面でもメンターとさまざまな話をしてみてください。

それは時に、半年間のビジネステック留学の中において、最も脳を揺さぶられる印象的な学びの瞬間になるはずです。

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著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成=「+180 ビジネステック留学」の戦略・運営を主導。

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