アクトハウスに卒業制作はない。商用案件だけが証明する「実務経験」の価値

「卒業制作を作りました。これが私のポートフォリオです」

面接官のデスクに置かれたその作品集は、確かに綺麗にデザインされています。コードも整っているかもしれません。しかし、そこに決定的に欠けているものがあります。「リアリティ」です。

架空のカフェのWebサイト。架空のコーポレートサイト。架空のアプリ。

それらはすべて、誰の財布も痛めず、誰のビジネスも背負わず、納期に追われることもなく、安全な温室の中で培養された「ごっこ遊び」の産物に過ぎません。はっきり申し上げます。それは実績ではありません。ただの「高機能な落書き」です。

ビジネスの世界で評価される唯一の指標は、「その仕事に誰かが金を払ったか」という事実です。

私たちアクトハウスには、一般的なスクールにあるような「卒業制作」というカリキュラムは存在しません。その代わりに用意されているのは、本物のクライアントから受注し、契約書を交わし、納品して報酬を受け取る「商用案件(Commercial Projects)」です。

なぜそこまでリスクを取るのか。それは、プロとしての通過儀礼(イニシエーション)を経ずに社会に出ることが、いかに危険で、かつ無意味であるかを知っているからです。本稿では、なぜ「卒業制作」が評価されないのか、そして「商用案件」だけがあなたのキャリアを保証する唯一の証明書になる理由を、冷徹なロジックで解説します。

「卒業制作」は、所詮ハイレベルな自己満足である

多くのプログラミングスクールやデザイン学校が、コースの最後に卒業制作を課します。生徒はそれをポートフォリオとして就職活動に使います。しかし、採用担当者の目は節穴ではありません。彼らは一瞬で見抜きます。「ああ、これはスクールの課題だな」と。

リスクゼロの環境で「プロ」は育たない

卒業制作の最大の問題点は、そこに「リスク」が存在しないことです。

失敗しても、誰からも損害賠償を請求されません。納期に遅れても、メンターに怒られるだけで済みます。仕様を勝手に変えても、クライアントから契約解除されることはありません。

この「安全なサンドボックス(砂場)」で作られた作品は、どんなに技術的に優れていても、ビジネスの現場では信用されません。なぜなら、仕事の本質は「理不尽な制約の中で、最適解を出すこと」にあるからです。予算がない、素材がない、納期がない。その三重苦の中で、泥臭く形にしたものだけが、プロの仕事と呼ばれます。何でも自由に作れる環境で作った綺麗な作品など、実務能力の証明にはなり得ないのです。

採用担当者は「架空のサイト」に見飽きている

想像してみてください。採用担当者の元には、毎日何十通もの応募書類が届きます。そのほとんどが、似たり寄ったりの「架空のカフェサイト」や「To Doアプリ」です。これらを見せられて、彼らが何を感じるでしょうか。「またこれか」という徒労感だけです。

「架空」であるということは、そこに「顧客の意思」が介在していないことを意味します。自分が見せたい技術、自分が好きなデザインで作っただけのマスターベーションです。

企業が求めているのは、自分のエゴではなく、他者(顧客)の課題を解決した経験です。「クライアントの要望で、あえてこのデザインにしました」「集客のために、この機能を実装しました」という説明ができないポートフォリオは、紙屑同然です。

金銭と契約。超えてはならない「プロ」の境界線

アクトハウスが後半の3ヶ月間を費やす「稼ぐ実務」は、学校教育の枠組みを完全に逸脱しています。ここでは、あなたは生徒ではなく「受託事業者」として扱われます。

1円でも貰えば、言い訳は許されない

アマチュアとプロの境界線は、スキルの高さではありません。「金銭の授受」があるかどうか、その一点のみです。

たとえ1円であっても、報酬が発生した瞬間、関係性は劇的に変化します。相手は「教えてくれる先生」から「要求するクライアント」に変わります。

「まだ勉強中なので」「初心者なので」。そんな甘え文句は通用しません。バグがあれば修正義務(瑕疵担保責任)が発生し、納期が遅れれば信用の失墜、最悪の場合は損害賠償のリスクも生じます。

このヒリヒリするような緊張感こそが、人を爆発的に成長させます。お金をもらうことの重圧(プレッシャー)に押し潰されそうになりながら、それでも必死にキーボードを叩き、納品まで漕ぎ着ける。その経験が、あなたのマインドを「学生」から「プロフェッショナル」へと強制的に書き換えるのです。

契約書という名の「覚悟」

アクトハウスの案件実習では、実際に契約書(あるいはそれに準ずる発注書)を取り交わします。仕様の範囲、納期、報酬額、著作権の帰属。これらを曖昧にしたままプロジェクトを進めることは許されません。

多くのクリエイターが独立後にトラブルに巻き込まれるのは、この「契約のリテラシー」が欠如しているからです。口約束で仕事を請け、未払いや無限修正の地獄を見る。アクトハウスでは、そうならないための「防衛術」を実地で学びます。

契約とは、お互いのビジネスを守るための論理的な合意です。英語やプログラミング言語と同じくらい重要な、この「ビジネス言語」を習得することなしに、フリーランスや起業家として生き残ることは不可能です。

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商用案件だけが「再現性」を証明する

就職活動や案件獲得において、クライアントが最も知りたいこと。それは「この人にお金を払って、元が取れるか(ROI)」です。商用案件の実績は、その問いに対する最強の回答になります。

他人の財布を開かせた実績

「自分で作ったサイト」と「他人が金を払って作らせたサイト」。その価値の差は歴然です。

商用案件の実績があるということは、あなたのスキルに対して、市場が価値を認め、財布を開いたという客観的な証明(Proof of Value)になります。

面接で「私はWebサイトが作れます」と言うのと、「私はWebサイト制作でこれだけの売上を上げました」と言うのとでは、説得力が天と地ほど違います。後者には、営業力、コミュニケーション能力、品質管理能力、そして納品能力が含まれていることが、言葉にしなくとも伝わるからです。

綺麗なコードよりも、泥臭い「トラブルシューティング」の履歴

商用案件の現場では、教科書通りの美しいコードを書くこと以上に、予期せぬトラブルをいかに鎮火させるかという「対応力」が問われます。卒業制作のような箱庭環境では、APIが突然仕様変更することもなければ、サーバーがダウンすることも、クライアントの担当者が音信不通になることもありません。しかし、これらは実務では日常茶飯事です。

想定外こそが日常である

アクトハウスの案件期間中、生徒たちは数々の「想定外」に見舞われます。

「実装予定だったプラグインが、クライアントのサーバー環境では動かない」「納品直前に、デザインの根本的な修正を要求された」「メンバーが体調を崩し、工数が足りない」。

メンターは、すぐには助け舟を出しません。まずはチームで解決策を考えさせます。代替案を探すのか、クライアントに交渉して納期を延ばすのか、睡眠時間を削って力技でねじ伏せるのか。

この極限状態での意思決定(Decision Making)の経験こそが、エンジニアやクリエイターとしての「足腰」を鍛えます。面接の場で語るべきは、スムーズにいった成功談ではなく、「どうやってデスマーチを乗り越えたか」という泥臭い武勇伝です。企業が欲しいのは、温室育ちの優等生ではなく、嵐の中でも航海を続けられるサバイバーだからです。

チームビルディングという名の修羅場

また、商用案件はチーム戦です。個人のスキルが高くても、連携が取れなければプロジェクトは破綻します。

「あいつのコードが汚くて読めない」「デザインの上がりが遅くて実装が進まない」。こうしたメンバー間の摩擦もまた、アクトハウスでは貴重な学習リソースとなります。

Gitを使ったコードの競合解決(コンフリクト解消)はもちろん、人間関係のコンフリクトをどうマネジメントするか。嫌な相手とも協力し、ビジネスゴール(納品)のために感情をコントロールしてプロとして振る舞う。この社会的スキルは、一人で作る卒業制作では絶対に身につきません。組織で働く以上、この「人間力」は技術力と同等以上に評価されるポイントです。

180日後、あなたは「実務経験者」として帰国する

アクトハウスの卒業生が就職活動において圧倒的に強い理由。それは履歴書の「職歴」欄に、空白期間ではなく「フリーランス・エンジニア/デザイナーとしての活動実績」を記載できるからです。

未経験の壁を「実績」で破壊する

日本の転職市場には「実務経験の壁」が存在します。未経験可の求人は給与が安く、好条件の求人は経験者のみ。このジレンマを突破する唯一の方法が、留学中に「実務経験」を作ってしまうことです。

アクトハウスで商用案件を完遂した事実は、紛れもない実務経験です。

「実務未経験ですが、やる気はあります」と頭を下げる必要はありません。「実務でこのサイトを構築し、これだけのトラフィックを捌きました。御社でも同様の貢献ができます」と、対等なパートナーとして提案ができるようになります。

このマインドセットの変化こそが、キャリアの質を劇的に変えます。あなたは「教えてもらう立場」から「価値を提供する立場」へと、不可逆的な進化を遂げているからです。

ポートフォリオは「生きている」か

最後に、あなたのポートフォリオを見直してください。そこに載っているのは、ローカル環境でしか動かないスクリーンショットですか? それとも、今現在も世界中のユーザーにアクセスされ、ビジネスを回している「生きたURL」ですか?

アクトハウスの卒業生たちが持ち帰るのは、後者です。

クライアントのビジネスに貢献し、感謝され、時には叱られながら作り上げた、血の通った実績です。それは、面接官のPCやスマホで実際に動作し、そのクオリティを雄弁に物語ります。

「これは私が作りました。今も動いています」。この一言が言えるかどうかが、プロとアマチュアの分水嶺です。

「卒業」ではなく「開幕」である

アクトハウスに「卒業制作」がない本当の理由。それは、ここでの半年間が「学校の終わり」ではなく、「ビジネスライフの始まり」だからです。

卒業制作を作って満足し、燃え尽きてしまうようなゴール設定はしていません。案件を通して、ビジネスの厳しさと面白さを知り、「もっとやりたい」「もっと稼ぎたい」という飢餓感を抱えたまま社会に出る。それこそが、私たちが目指す教育の形です。

ごっこ遊びは終わりです。

自分のスキルで誰かを幸せにし、その対価として報酬を得る。そのシンプルで残酷な「商売」の世界へ、アクトハウスはあなたを突き落とします。

しかし安心してください。180日後、這い上がってきたあなたの手には、誰にも奪えない「本物の自信」という武器が握られているはずです。

準備はいいですか。あなたのキャリアにおける最初の「商用案件」を取りに行きましょう。

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著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成に従事。

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