ワーホリへ行く前に。ただの出稼ぎで終わらない「ITスキル」という武器。

円安と日本の賃金停滞を背景に、ワーキングホリデー(ワーホリ)への関心がかつてないほど高まっています。「オーストラリアで皿洗いをすれば月収40万円」といったセンセーショナルな情報がSNSを駆け巡り、多くの若者が海外への脱出を画策しています。

しかし、私はあえて警鐘を鳴らします。そのワーホリは、本当にあなたの人生を豊かにするものでしょうか。それとも、単なる「若くて体力がある時期の切り売り」で終わるのでしょうか。

何のスキルも持たずに海外へ飛び立つことは、防具も武器も持たずに戦場へ行くようなものです。待っているのは、現地の最低賃金労働と、不安定な生活、そして帰国後に突きつけられる「キャリアの空白」という冷酷な現実です。

私たちアクトハウスは、セブ島で多くの挑戦者たちを見てきました。その中で確信していることがあります。ワーホリを人生の跳躍台にできるのは、渡航前に確固たる「スキル(武器)」を磨き上げた者だけです。英語力に加え、プログラミングやデザイン、マーケティングといった「市場価値のある技術」携えて海を渡る。これこそが、ただの出稼ぎ労働者(ミグラントワーカー)で終わらないための唯一の生存戦略です。

本稿では、ワーホリの甘い幻想を捨て、戦略的に海外生活をハックするための思考法と準備について論じます。

ワーホリの残酷な現実。「英語が話せる」だけでは底辺労働

「英語環境に身を置けば、なんとかなる」という楽観論は捨ててください。英語圏には、世界中から移民や留学生が集まっています。その中で、特別なスキルを持たない日本人が就ける仕事は限られています。

誰でもできる仕事は、誰でもできる賃金しか生まない

農場でのピッキング、レストランの皿洗い、ホテルのベッドメイキング。これらは確かに、今の日本円に換算すれば悪くない時給かもしれません。しかし、それは現地の「最低賃金」に近い労働であることを忘れてはいけません。

これらの仕事に求められるのは、高度な知的能力ではなく、体力と単純作業への耐性です。語学力すら、最低限の指示が聞き取れれば十分とされます。つまり、そこでどれだけ汗水垂らして働いても、ビジネススキルも、高度な英語運用能力も身につかないのです。それは「キャリア」ではなく、単なる「労働」です。貴重な20代、30代の1年を、単なる肉体労働に費やすことのリスクを、もっと真剣に考えるべきです。

帰国後に待ち受ける「空白の1年」という評価

さらに深刻なのが、帰国後のキャリアです。日本の採用市場はシビアです。「オーストラリアで1年間、カフェで働いていました」という経歴は、残念ながら「遊んでいた」と見なされることすらあります。企業が求めているのは、「海外で何を食べたか」ではなく、「海外でどんな価値を生み出したか」です。

「英語が日常会話レベルになりました」というアピールも、ビジネス現場では決定打になりません。スキルなきワーホリは、帰国後の再就職において、むしろマイナスに働く可能性すらあるのです。この「構造的な落とし穴」に気づかずに渡航してしまう若者が後を絶ちません。

スキルこそが「階級」を超えるパスポート

では、どうすればワーホリを「キャリアアップの機会」に変えられるのか。答えはシンプルです。現地の人材市場において「希少性」のあるスキルを持参することです。

ITスキルがあれば、時給の桁が変わる

もしあなたが、Webサイトを構築できるプログラミングスキルや、集客用のバナーを作れるデザインスキルを持っていたらどうなるでしょうか。

現地のカフェで皿洗いをする代わりに、現地のスタートアップ企業のWeb制作案件を受注できるかもしれません。あるいは、日本のクライアントからリモートで仕事を請け負い、現地の物価に左右されずに安定した収入を得ることも可能です。さらに言えば、現地のローカル企業に「エンジニア」や「デザイナー」として雇用される道も開けます。

こうなれば、時給は最低賃金の比ではありません。何より、海外のビジネス現場で実務経験を積んだという実績は、帰国後のキャリアにおいて最強の武器になります。「労働者階級」から「クリエイティブ階級」へ。その移動を可能にするのが、ITとクリエイティブのスキルなのです。

[ >> ワーホリ前に「稼ぐ力」を。アクトハウスにLINEで質問 ]

場所を選ばない「ノマドワーク」の実現

スキルを持つことのもう一つの利点は、自由度です。肉体労働は現場に行かなければなりませんが、Web・ITスキルがあれば、パソコン一台でどこでも仕事ができます。

オーストラリアのビーチサイドでコードを書き、カナダのカフェでデザインを納品する。ワーホリ本来の魅力である「旅と生活」を両立させるには、リモートワーク可能なスキルが不可欠です。アクトハウスの卒業生の中には、セブ島で半年間みっちりとスキルを習得した後、ワーホリで渡航し、現地でフリーランスとして活躍している者が多数います。彼らは「出稼ぎ」ではなく、「海外進出」を果たしているのです。

アクトハウスで「武器」を装着せよ

戦場に行く前に、訓練を受けるのは当たり前のことです。アクトハウスは、ワーホリという「戦場」に向かう前の、最後の「訓練基地」としての役割を担います。

180日で「消費者」から「生産者」へ進化する

アクトハウスの期間は180日(半年)です。なぜこれほどの期間が必要なのか。それは、単に知識をインプットするだけでなく、実際に手を動かし、案件をこなし、お金を稼ぐレベルまでスキルを引き上げるためです。

生半可な「1ヶ月コース」や「3ヶ月コース」では、基礎をなぞって終わりです。それでは実戦では役に立ちません。アクトハウスでは、プログラミング、デザイン、マーケティング、そして英語を複合的に学びます。これら4教科をクロスオーバーさせることで、単なる「作業者」ではなく、ビジネス全体を俯瞰できる「生産者」としてのマインドとスキルを醸成します。

この半年間の投資が、その後のワーホリ生活の質を劇的に変えます。時給15ドルの皿洗いになるか、時給50ドルのクリエイターになるか。その分岐点は、渡航前の準備にかかっています。

現地で英語を学ぼうとするな。英語は「持参」すべき道具だ

ワーホリの失敗パターンで最も多いのが、「現地に行けば英語力が伸びる」という他力本願な思考です。現実は甘くありません。語学学校に通うならまだしも、働きながら実践で英語を習得するのは至難の業です。

特に、スキルのない状態で就ける仕事現場では、使われる英語が極めて限定的です。「皿をあっちにやれ」「掃除しろ」「休憩だ」。この命令形と単語の羅列を1年聞き続けて、ビジネス英語が身につくはずがありません。結果、帰国時の英語力は「居酒屋のバイトならできるレベル」止まり。これでは、グローバル人材とは程遠いでしょう。

英語は、現地でゼロから拾い集めるものではなく、日本(あるいはセブ島)で基礎を固め、現地で「磨き上げる」ものです。アクトハウスでの半年間は、そのための助走期間です。

ビジネス英語と「Logic Prompt」の親和性

アクトハウスの英語カリキュラム「English Dialogue」は、単なる日常会話を排除しています。重視するのは、基礎。並行して学習する(プログラミングやデザイン)について、論理的に説明し、交渉する力と似ているとも共通します。

これは、AIに対するプロンプト(指示出し)と構造が似ています。目的を定義し、要件を伝え、修正を依頼する。この「ロジカルなコミュニケーション」こそが、現地のホワイトカラー職やフリーランス案件を獲得するために必要な英語力です。「How are you?」の練習をしている暇があれば、自身のポートフォリオを英語でプレゼンする練習をすべきです。アクトハウスでは、まさにその訓練を徹底します。

ポートフォリオという「絶対的な証拠」を携える

海外の採用面接や案件獲得の場において、言葉以上に雄弁なのが「実績」です。拙い英語で「私は頑張ります」と訴えるよりも、スマホを取り出し「これが私の作ったWebサイトです」「これが私がデザインしたブランドです」と見せる方が、100倍の説得力があります。

言葉の壁を破壊する「視覚的成果物」

IT・クリエイティブスキル、特にWeb制作やデザインは、言語依存度が低いスキルです。コードは世界共通であり、デザインの良し悪しは直感的に伝わります。つまり、これらはノンネイティブである我々が、言語のハンディキャップを埋めるための最強の補完ツールなのです。

アクトハウスの後半期「稼ぐ100日の実務」では、本物のクライアントワークを通じて実績を作ります。卒業時には、あなたは「勉強しました」という修了証ではなく、「これを作って売上を上げました」というポートフォリオを手にしています。

ワーホリ先で仕事を探す際、履歴書の「職歴(Work Experience)」欄に書けることが「日本のコンビニバイト」だけなのか、それとも「Webデザイナー/エンジニアとしての実務経験」があるのか。この差が、時給15ドルの労働者になるか、時給50ドルのプロフェッショナルになるかの分かれ道。

二貨幣システムによるリスクヘッジ

スキルを持つことのもう一つの利点は、収入源の多様化です。もし現地の仕事がすぐに見つからなくても、Webスキルがあれば、クラウドソーシングなどを通じて日本のクライアントから仕事を受けることができます。

現地の物価が高い国(オーストラリアやカナダなど)に住みながら、安定した日本円の収入を得つつ、現地通貨(ドルなど)を稼ぐチャンスを伺う。この「二貨幣システム」を構築できれば、精神的な余裕がまったく違います。貯金残高が減っていく恐怖に怯えながら、やりたくない仕事に飛びつく必要がなくなるのです。これこそが、大人のワーホリにおける真の「自由」です。

半年間の投資が、生涯年収の桁を変える

アクトハウスへの参加は、安くはない投資です。半年という時間と、それなりの費用がかかります。しかし、その後のワーホリ生活、ひいては帰国後のキャリア全体で回収できるリターン(ROI)を考えてみてください。

何のスキルもなく海外へ行き、1年間最低賃金で働き、帰国後も非正規雇用や低賃金労働に従事する場合の生涯年収。

一方で、アクトハウスで「稼ぐ力」を身につけ、海外で高単価の仕事を得て、帰国後もIT人材として市場価値高く評価される場合の生涯年収。

その差は数百万、数千万ではきかないでしょう。目先の数ヶ月を惜しんで、一生続く「安売り」の道を選ぶのか。それとも、半年間歯を食いしばって自分を研磨し、市場価値の高い人材として世界へ打って出るのか。

ワーホリは「ゴール」ではなく「通過点」

ワーホリに行くこと自体をゴールにしないでください。それは単なるビザの名称であり、滞在手段に過ぎません。重要なのは、その期間を使って「誰になるか」です。

ただの「海外に行ったことがある人」で終わるか、「海外でビジネスをしてきた人」になるか。アクトハウスは、後者を目指す「ガチ勢」のための場所です。

楽しかった思い出話だけを持って帰国するような、薄っぺらい留学はもう終わりにしましょう。傷だらけになっても、手には確かな技術と実績を握りしめて帰ってくる。そんな逞しい挑戦を、私たちは全力で支援します。

準備はいいですか。まずは自分の市場価値を客観視するところから始めましょう。

[ キャリア戦略を練る。アクトハウスのLINEへ]

著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成に従事。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

   セブ島のIT留学「アクトハウス」とは?

1日の流れ

カリキュラムについて

住居について

卒業後の進路

体験談

コースと費用

スタートアップの実績

卒業後のサポート

   最新のお申込み状況

すべての記事・コラムへ