日本語の技術記事は周回遅れ?エンジニアが一次情報をつかむべき理由

「英語が苦手なので、まずはQiitaやZennで日本語の記事を探します」。

プログラミング学習の入り口において、このスタンスは決して間違っていない。

母国語で書かれた先輩たちの解説記事は、難解な技術概念を噛み砕いてくれる「良きガイドブック」であり、学習の初速を上げてくれる頼もしい存在だ。

しかし、もしあなたが「日本語の情報だけで仕事は完結する」と信じているのなら、それはエンジニアとしての成長曲線に自らキャップ(蓋)をしているに等しい。 厳しい現実だが、ITの世界において情報の「鮮度」と「正確性」は、英語圏が圧倒的に上流にあるからだ。

英語でリリースされた最新技術が、日本人エンジニアによって解釈され、記事として投稿される頃には、世界はもう次のフェーズに進んでいる。日本語の情報しか摂取しないということは、常に世界のトレンドから「周回遅れ」で走るハンデ戦を強いられることになる。

では、最初から「英語で」プログラミングを学ぶべきなのか? 実は、そこにも大きな落とし穴がある。

今回は、アクトハウスが提唱する「母国語での深い理解」と「英語での情報収集」を使い分ける、最も合理的で実戦的なハイブリッド戦略について解説する。

解説記事は「地図」であり、公式ドキュメントは「現地」だ

QiitaやZennにある日本語の解説記事の価値は、「分かりやすさ」にある。

「つまり、こういうことです」という執筆者の解釈(フィルター)を通しているため、概要を掴むには最適だ。これは、旅で言えば「ガイドブック」や「地図」にあたる。

しかし、実務での実装においては、地図を見るだけでは不十分な場面が多々ある。 「この関数の戻り値の型は?」「非推奨になったメソッドの代替案は?」 こうした厳密な仕様(真実)は、開発元が書いた「公式ドキュメント(一次情報)」にしか載っていない。そして、その多くは英語だ。

日本語記事を頼るのはいい。だが、それだけを「最新の正解」だと思い込むのは危険だ。 あくまで「理解の補助」として使い、最終的な裏付け(Fact Check)は必ず英語の一次情報で行う。この「二段構え」ができるかどうかが、プロとアマチュアの分水嶺となる。

「英語でプログラミングを学ぶ」という罠

「ならば、最初から英語でプログラミングを学べば効率的ではないか?」 そう考える人もいるだろう。

しかし、ここに多くの初学者が陥る「英語×IT」の罠がある。

想像してみてほしい。医学の知識がゼロの状態で、いきなり「英語の医学書」を渡されて理解できるだろうか?

医学的な概念を理解する前に、「この英単語はどういう意味だ?」「このニュアンスは何を言うとしている?」という小学生レベルの翻訳作業に膨大な時間を費やし、肝心の中身(医療知識)が全く頭に入ってこないはずだ。

同じくオール英語で「車の運転方法と違反行為」を聞いて、いきなり高速道路に出れるだろうか。

プログラミングも同じだ。

「オブジェクト指向」「非同期処理」「再帰関数」。これらは母国語である日本語でさえ理解が難しい、抽象的で複雑な概念である。

これを、ニュアンスの掴めない英語で学ぼうとするのは、あまりに非効率であり、無謀と言える。「英語の授業を受けた」という満足感だけで、技術的な理解は浅いまま終わってしまう。

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母国語で「深淵」を覗くからこそ、英語が読める

アクトハウスが初心者・初学者へ、ITの授業を「日本語」で行う理由はここにある。

まずは「母国語の解像度」で、プログラミングの論理構造を骨の髄まで理解する。なぜそのコードが必要なのか、裏側で何が起きているのか、その「深淵」まで潜る。

この深い理解(土台)があるからこそ、英語のドキュメントを読んだ時に「化学反応」が起きるのだ。

「なるほど、この『Inheritance』という単語は、授業でやった『継承』のことかな」 「この複雑な英文は、あの時のエラー処理の話をしているんだな、だいたいだけどわかる」

日本語で概念を確立しているからこそ、英語の情報に触れた瞬間、「ああ、あのことか」と瞬時にマッピングができる。 辞書を引かなくても、コードとキーワードだけで、ドキュメントの概要を拾えるようになる。

これこそが、エンジニアに必要な「読解力=英語力」。

語学としての英語ではなく、技術という共通言語を通じた「概念の照合」。これができるエンジニアは強い。

エラー解決のスピードが桁違い

この「和魂洋才」のスタイルを確立すれば、エラー解決のスピードは劇的に上がる。

Stack OverflowやGitHubのIssueには、世界中の開発者が遭遇したトラブルと解決策が、分単位で蓄積されている。日本語で検索して見つからないエラーも、英語で検索すれば地球の裏側の誰かが既に解決済みであることが多い。

日本語の記事で「当たり」をつけ、英語の一次情報で「確証」を得る。 あるいは、日本語で概念を理解し、英語で最新のライブラリを探す。

「英語で学び、英語で挫折する」のではなく、「日本語で極め、英語を利用する」。 この順序こそが、最短距離で未経験から即戦力エンジニアになるための最適解だ。

二つの武器を使いこなせ

日本語の情報と、英語の情報。どちらか一つを選ぶ必要はない。 重要なのは、それぞれの「役割」を理解し、使い分けることだ。

日本語で思考の深さを確保し、英語で情報の広さと鮮度を獲得する。 この二刀流をアクトハウスで身につけた時、あなたは「日本のWeb制作者」という枠を超え、国境を問わず活躍できる「ビジネステック人材」へと進化しているはずだ。

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著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成=ビジネステック留学の運営に従事。

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