アジアの熱気に触れよ。セブ島留学で得られる「市場の肌感覚」とビジネス視点

日本の満員電車に乗る。そこにあるのは、死んだような静寂と、疲弊した顔の羅列。

ルールは守られ、時間は正確で、街は清潔だ。しかし、そこに「未来への希望」や「爆発的なエネルギー」を感じることはできるだろうか。おそらく、否だ。我々が感じているのは、成熟しきった国家が静かに、しかし確実に衰退していく「黄昏」の空気だ。

一方で、フィリピンのセブ島に降り立った瞬間、その空気は一変する。むせ返るような湿気と共に、建設中のビルの轟音、行き交う人々の怒号と笑い声、けたたましいクラクションが五感を襲う。そこはカオスだ。不便で、汚くて、うるさい。だが、圧倒的に「生きている」。

ビジネスやクリエイティブを志す人間にとって、この「場所」の選択は、学ぶスキル以上に重要な意味を持つ。なぜなら、身を置く環境が、あなたの視座とマインドセットを強制的に書き換えるからだ。今回は、なぜアクトハウスが「アジアの成長市場」に拠点を置くのか。その戦略的な意図と、そこでしか得られない「肌感覚」という資産について論じる。

停滞する「先進国」と、爆発する「新興国」

数字を見れば明らかだ。日本の平均年齢は約48歳。対してフィリピンの平均年齢は24歳前後だ。この「20歳差」が意味するものは絶大だ。街を歩けば、視界に入るのは若者と子供ばかり。これから国を作り、消費し、経済を回していくプレイヤーたちが溢れている。これが「人口ボーナス期」と呼ばれる、経済発展の黄金期だ。

日本にいると、「市場は縮小するもの」「モノは売れないもの」「空き家は増えるもの」という前提で思考しがちだ。しかし、それは世界のスタンダードではない。アジアに一歩出れば、「市場は拡大するもの」「モノは足りていないもの」「ビルは次々と建つもの」という前提が常識だ。この「右肩上がりの空気」を吸いながら学習することは、あなたのビジネス感覚を根底から変える。縮小均衡のロジックではなく、拡大成長のロジックで未来を描けるようになるからだ。

カオスこそが、ビジネスの源泉である

日本は便利すぎる。コンビニは24時間開き、電車は分単位で来り、行政サービスも整っている。これは生活者としては快適だが、起業家やクリエイターとしては「絶望」に近い。なぜなら、解決すべき「不満・不便・不安」が、あらかた解決されてしまっているからだ。隙間がない。

しかし、アジアは違う。道路は渋滞し、インフラは脆弱で、サービスは非効率だ。だが、ビジネスの視点で見れば、これは「宝の山」に他ならない。不便がある場所には、必ずそれを解決するソリューション(=ビジネスチャンス)が必要とされるからだ。「配車アプリがなぜここで流行るのか」「フィンテックがなぜ銀行より先に普及するのか」。その答えを、教科書ではなく、日々の生活の不便さの中から体感として理解する。この「課題発見能力」は、完成された日本では決して育たない。

「正解」のない世界で生きる耐性

整備された日本社会では、常に「マニュアル通りの正解」が求められる。しかし、発展途上のアジアでは、昨日までの正解が今日は通用しない。ルールは朝令暮改で変わり、想定外のトラブルが日常茶飯事だ。

この環境は、アクトハウスが掲げる「Cebu & Context(文脈理解)」の最高の教材となる。理不尽な状況下で、いかにして最適解を導き出すか。文句を言う前に、どうハックして乗り切るか。この「サバイバル能力」と「柔軟性」は、変化の激しい現代のIT業界で生き残るための必須スキルそのものだ。綺麗なオフィスで整然と学ぶだけでは、この野生の勘は養われない。

インターネットでは「熱量」は伝送できない

「情報はネットで見ればわかる」。そう言う人もいるだろう。確かにGDPの成長率や人口統計はGoogleで検索できる。しかし、数字の向こう側にある「熱狂」や「渇望」は、現地に行かなければ1ミリも理解できない。

路地裏の屋台で、目を輝かせて夢を語る若者の熱量。建設ラッシュの粉塵の匂い。富裕層エリアとスラムが隣り合わせに存在する、残酷なまでの貧富の格差と、そこから這い上がろうとする強烈なハングリー精神。これらは、ディスプレイ越しには決して伝わらない「一次情報」だ。ビジネスにおいて、最も価値があるのはこの一次情報である。

誰かが編集した綺麗な情報ではなく、自分の肌で感じ、脳が揺さぶられた原体験。それが、あなたが将来サービスを作る時、あるいは誰かを説得する時の、言葉の重みとなる。「アジアはすごいらしい」と語るのと、「あのアジアの熱気の中で、自分は戦ってきた」と語るのでは、説得力の次元が違うのだ。

もしあなたが、閉塞感漂う日本を飛び出し、世界の鼓動を直接脈で感じたいと願うなら、そのための切符はここにある。

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さて、環境の優位性は理解できたはずだ。だが、単に現地に行けばいいわけではない。重要なのは、その熱気の中で「何を武器に戦うか」。

タイムマシン経営のリアルを体感せよ

ソフトバンクの孫正義氏がかつて実践した「タイムマシン経営」という言葉がある。IT先進国であるアメリカで流行したモデルを、数年遅れて日本に持ち込み、市場を制圧する手法だ。このロジックは、場所を変えれば今でも有効だ。ただし、方向は逆ではない。

日本ですでに成熟し、コモディティ化したビジネスモデルやサービスが、フィリピンなどの新興国では「これから」必要とされる局面が多々ある。逆に、日本では規制や既得権益で進まない最新のフィンテックやライドシェアが、アジアではインフラの不備を補完するために爆発的に普及している(リープフロッグ現象)こともある。

この「時間のねじれ」を肌で感じること。それがビジネスセンスを研ぎ澄ます。「日本では当たり前のこれが、ここにはない。ならばどうローカライズすればビジネスになるか?」あるいは「アジアで当たり前のこのサービスは、なぜ日本にはないのか?」。この思考実験を繰り返すことは、机上のMBA講義よりも遥かに実践的なマーケティングの訓練になる。アクトハウスの生徒たちは、セブ島の街を歩くだけで、無数のビジネスの種を見つける視点を持つようになる。

リープフロッグ(蛙飛び)の衝撃

フィリピンでは、銀行口座を持たない人々が、スマートフォンひとつで決済を行っている。固定電話の時代を飛び越え、いきなりモバイルとSNSの時代が到来したからだ。このスピード感は、レガシーシステム(古い遺産)に縛られた日本よりも遥かに速い。

最新のテクノロジーが、社会課題をダイレクトに解決していく様を目の当たりにすること。それは「テクノロジーは世界を変える」という言葉が、綺麗事ではなく事実であることを教えてくれる。ITを学ぶ意義が、「就職のため」という矮小な目的から、「世界をアップデートする手段」へと昇華される瞬間だ。

グローバルサウスという主戦場

これからの世界経済の主役は、G7(先進国)ではなく、グローバルサウスと呼ばれる新興国・途上国に移っていく。人口も、資源も、成長余力も、すべてはそちらにある。

20代、30代のあなたが、これから数十年戦い続けるフィールドはどこか。縮小する日本市場だけを見ていていいのか。答えはNoだ。アジアの熱気の中で、英語を使い、異なる文化背景を持つ人々と渡り合った経験は、将来あなたがグローバル市場に打って出る時の、何物にも代えがたい「パスポート」になる。アクトハウスが「Cebu & Context」を掲げるのは、単なる語学研修ではなく、未来の主戦場の空気を皮膚感覚としてインストールさせるためだ。

「異端児」たちの交差点としてのセブ島

日本で「会社を辞めて海外でITとビジネスを学ぶ」と言えば、「変わった人」「意識高い系」と冷ややかな目で見られるかもしれない。同調圧力が支配する日本社会において、挑戦者は常に孤独だ。

しかし、セブ島には、そしてアクトハウスには、その「変わった人」しかいない。安定を捨て、リスクを取り、自分の人生の手綱を自分で握ろうとする「愛すべき異端児」たちの巣窟だ。ここには、あなたの挑戦を笑う者はいない。むしろ、互いの野心をぶつけ合い、刺激し合う強烈な磁場がある。

ネットワークこそが最強の資産

「誰と学ぶか」は「何を学ぶか」以上に重要だ。アクトハウスで出会う同期、メンター、そして現地で活躍する日本人起業家たち。彼らは将来、あなたがビジネスを立ち上げる時のパートナーになり、顧客になり、あるいは苦しい時に支え合う戦友になる。

日本の居酒屋で上司の愚痴を言い合う飲み仲間と、セブ島のカフェで「どうやって世界にインパクトを与えるか」を議論する仲間。どちらのネットワークが、あなたの人生を豊かにするか。環境を変えるとは、付き合う人間を変えるということだ。アジアの熱気に引き寄せられた「濃い人間」たちとの出会いは、あなたの基準値を劇的に引き上げる。

快適な「ぬるま湯」から飛び出せ

日本は快適だ。清潔で、安全で、ご飯も美味しい。しかし、その「ぬるま湯」に浸かり続けていて、筋肉はつくだろうか。野生の勘は研ぎ澄まされるだろうか。

アクトハウスの環境は、決して5つ星ホテルのような快適さではないかもしれない。インターネットが途切れることもある。スコールで足止めを食らうこともある。しかし、その「思い通りにならない環境」こそが、あなたをタフにする。トラブルを楽しみ、カオスを乗りこなす。そのメンタリティを手に入れた時、あなたは日本という枠組みを超え、どこでも生きていける「真の自由」を手に入れる。

傍観者になるな、プレイヤーになれ

テレビやネットのニュースで「アジアの成長」を眺めるのはやめよう。それは他人の物語だ。重要なのは、その渦中に「あなた自身」がいるかどうかだ。

熱気、騒音、匂い、そして人々のエネルギー。これらを五感で浴びながら、Logic Prompt(技術)とArt & Science(クリエイティブ)を磨く半年間。それはあなたの人生において、最も濃密で、最も血の通った時間になるはずだ。

安定した衰退を選ぶか、不安定だが輝かしい成長を選ぶか。もしあなたが後者に惹かれるなら、荷物をまとめろ。アジアの熱風は、挑戦する者の背中だけを強く押してくれる。アクトハウスは、その入り口であなたを待っている。

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著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成に従事。

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