Web制作と「マイクロコピー」。言葉一つでCVRを変える文章のデザイン。

「デザインは完璧なのに、なぜかコンバージョン(CV)しない」。

美しいヒーローイメージ、洗練された配色、滑らかなアニメーション。 見た目は一流のWebサイトにもかかわらず、期待した成果が出ない。その原因の多くは、実はデザインそのものではなく、そこにある「言葉」にあることが多い。

ボタンのラベル、入力フォームの注釈、エラーメッセージ。 これら、Webサイト上の極めて短いテキスト群を「マイクロコピー」と呼ぶ。

多くのデザイナーやエンジニアは、この小さな言葉を軽視しがちだ。 「送信する」「登録はこちら」「必須項目です」。 そんな無機質なシステム言語を、思考停止で置いてはいないだろうか。

断言する。マイクロコピーは、単なるテキストではない。それはユーザーの行動を決定づける「UXデザイン」そのものであり、言葉一つで売上を数百万単位で変える力を持つ「マーケティング兵器」だ。

今回は、アクトハウスの「Marketing / Strategy」と「Art & Science」が交差する領域、マイクロコピーの魔力について解説する。

ユーザーは「ボタン」ではなく「メリット」をクリックする

最も顕著な例が、CTA(Call To Action)ボタンだ。 多くのサイトで漫然と使われている「送信する」という言葉。これは、システム側の都合を表した言葉に過ぎない。ユーザーにとって「送信」は面倒な作業であり、クリックする動機にはなり得ない。

人は、ボタンそのものをクリックしたいわけではない。その先にある「未来(ベネフィット)」を手に入れたくてクリックするのだ。

✕Bad: 「送信する」
◎Good: 「無料で資料を受け取る」

✕Bad: 「会員登録」
◎Good: 「1分で完了。今すぐ始める」

この書き換えだけで、CVR(成約率)が1.5倍、2倍になることはWebマーケティングの世界ではザラにある。

デザイナーがピクセル単位でボタンの角丸を調整している間に、マーケターはボタンのテキストを変えて数字を叩き出す。

「デザイン」とは、色や形を整えることだけではない。ユーザーの心理的ハードルを言葉で取り除き、背中を押す設計すべてがデザインなのだ。

不安を消す「魔法の一言」

マイクロコピーの真価は、ユーザーの「不安(フリクション)」を解消する場面で発揮される。

例えば、クレジットカードの入力フォーム。「セキュリティは大丈夫か?」「勝手に課金されないか?」とユーザーは身構える。 その入力欄のすぐ下に、小さく一言添えるだけでいい。

「※14日間の無料期間中は課金されません」
「※いつでも解約できます」

あるいは、メールアドレスの入力欄に。 「※スパムメールは一切送りません」

この一言があるだけで、ユーザーの指は止まることなくフォームを叩き続ける。 気の利いたマイクロコピーは、優秀なコンシェルジュのように先回りして不安を潰す。

逆に、不親切なエラーメッセージ(例:「入力内容に誤りがあります」だけ)は、ユーザーを突き放し、離脱(カゴ落ち)を招く最悪の接客態度と言える。

[ >> アクトハウスにLINEで質問 ]

ダミーテキスト(Lorem Ipsum)を使ったら負け

Web制作の現場において、ワイヤーフレームやデザインカンプの段階で「テキストは後で考えます」としてダミーテキストを入れる行為。 これは、UXデザインの放棄に等しい。

言葉が決まらなければ、ボタンのサイズも、レイアウトの強弱も決まらないはずだ。 「ここにどんな言葉が入れば、ユーザーはクリックしたくなるか?」 その問いから逆算してUIを作るのが、本質的なWeb制作である。

アクトハウスでは、デザインとマーケティングを分断しない。 バナーを作る時も、LPを作る時も、「そこに置く言葉」の選定からデザインを始めさせる。 「なんとなくオシャレ」なサイトよりも、「言葉が刺さって売れる」サイトを作れる人材こそが、市場で求められているからだ。

言葉をデザインするエンジニアになれ

マイクロコピーの重要性は、エンジニアにとっても無関係ではない。 システムが出力するバリデーションメッセージや、ローディング中の待機テキスト。 これらを「システム要件」として処理するか、「ユーザー体験」として実装するかで、サービスの質は劇的に変わる。

たった数文字の修正。コードにして1行の変更。 しかし、そのディテールへの執着が、ユーザーの心を動かし、ビジネスの数字を変える。

「神は細部に宿る」という言葉があるが、Webにおける神は「マイクロコピー」に宿る。

あなたがこれから作るサイトのボタンには、どんな言葉が刻まれているだろうか?

その一言が、ユーザーへの招待状になっていることを願う。

[ >> アクトハウスにLINEで質問 ]

著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成=「+180 ビジネステック留学」の戦略・運営を主導。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

   セブ島のIT留学「アクトハウス」とは?

1日の流れ

カリキュラムについて

住居について

卒業後の進路

体験談

コースと費用

スタートアップの実績

卒業後のサポート

   最新のお申込み状況

すべての記事・コラムへ