【基礎学習04】マーケティング編|数字と感情で動かす設計図
マーケティングとは“売ること”ではない
マーケティングという言葉を聞いて、「広告」「SNS」「売るための仕掛け」といった連想をする方も多いでしょう。
けれど本質的には、マーケティングは“売ること”ではなく、“売れる仕組み”を作ること。
企業が顧客にとって価値ある商品やサービスをどう設計し、どう伝え、どのような流通を通して提供するか。その一連の構造をロジカルに設計するのが、マーケティングという営み。
単なる表層的なプロモーションではなく、戦略と構造をもとに市場を動かしていく行為なのです。
セグメンテーションとターゲティングの誤解
よくある誤解に、「ペルソナを作ればターゲティングしやすい」という考え方があります。
表面的には間違った解釈ではないものの、AI時代の現代、なかなかそう”ターゲティング”とやらはうまくいかないもの。
実際には、適切なセグメンテーション(市場の分割)とターゲティング(狙う層の選定)、さらにそこにトレンドや流動性という不確定要素を折込まないと、ペルソナはただの空想に終わるというのはあまり知られてません。
たとえば「30代女性・オフィスワーカー」とか「都市部で週5日出勤し、夕食にUber Eatsを週3回以上使う」といったペルソナでは、もはや多様化が進む現代では、間違います。
つまり、マーケティングとは「誰に届けるか」を定義するのはポイントではありつつも、時代の多様性、年代でバッサリ分けない視点、さまざまな市場構造と照らし合わせ調整していく思考が求められるのです。
4Pからバリュープロポジションへ
マーケティングといえば、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)の「4P」などが有名ですが、現代ではこれだけでは不十分。
特にデジタル時代においては、顧客にとっての“価値の約束”=「バリュープロポジション」を設計する力が問われます。
たとえばSpotifyは「いつでもどこでも、自分に合った音楽を最適に届ける」体験設計にエネルギーを注いでいます。
彼らが売っているのは音楽の“商品”ではなく、“気分”と“発見”という体験そのもの。
そこに環境の変化が激しく、将来の予測が困難な状態=VUCA「Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)」といった要素が入ってきます。
マーケティングとは「翻訳」である
本当に優れたマーケターとは、技術者と顧客、経営者と現場、社会とプロダクトの間に立ち、それぞれの価値観や視点を“翻訳”できる人。
社内の技術や理念を、顧客に伝わる形に変換し、社会的価値として再提示する。
マーケティングの役割とは、情報の橋渡しではなく「意味の翻訳」であると言えるでしょう。
マーケティングとはブランディングであり、またその逆でもある。全てはビジネスという大きな枠組みのなかで一心同体である。
この視点に立てば、広告文の一言やUIのボタン一つにまで戦略が宿るべき理由が見えてきます。
【ゼロから学ぶ】基礎学習シリーズ01~08
本シリーズは全8篇に分け、アクトハウスで学ぶ越境型スキルの基礎を知るシリーズです。
著者:清宮 雄(アクトハウス代表)
実践環境、アクトハウスで統合スキルを実装する。
このシリーズで語ってきた思考や技術を「連動性のあるスキル」として習得するには、実践的で体系的な学習環境が必要です。
その環境こそが、スペシャリストよりもゼネラリストを育成する越境型人材を輩出している「IT留学のアクトハウス」。
ひとつひとつのジャンルは磨きつつもこだわらず、複合スキルを持っておく柔軟性。トレンドや、ジャンルの栄枯盛衰に対応できる自分を作っておく。
ここでは、AIと並走する統合スキルをコンセプトのひとつに、教科書ではなくインプットと100日間に渡る実践を通じ、スキルだけでなく「自走力」や「構想力」まで育てるカリキュラムが用意されています。
もし、あなたが「変わりたい」「武器を持ちたい」と本気で思うのであれば、分断された学びではなく、統合された学びを実装してください。
初心者のためのカリキュラムであるがゆえ、少しづつ統合型スキルを学ぶことができます。
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著者:清宮 雄(アクトハウス代表)