【基礎学習03】ブランディング編|価値を構築する戦略と考え方
「認知」ではなく「意味」を設計する
ブランディングにまつわるロゴやカラー、広告は魅力的なモノが多いもの。
しかしそれらは、企業やプロダクトの“存在理由”を社会に対してどのように定義し、体験として浸透させていくかという構造的思考の「最後の一絞り」と言えるでしょう。
そこに至るまでのプロセスこそが、ブランディングの大事なコア要素です。
たとえば、ある無名ブランドが「地球環境に配慮している」と謳ったところで、ユーザーにとってそれが実感を伴わなければ単なるお題目にすぎません。
ブランディングとは、企業の行動、提供価値、世界観すべてにおいて「一貫した意味」を持たせ、それを認知としてではなく“信頼”として蓄積していく行為なのです。
見た目よりも、思想の構築
“デザイン性が高いだけのビジュアル”や”シャレてはいるがよくわからないキャッチコピー”がブランディングの本質ではないというのは、なんとなくイメージはできると思います。
重要なのは「どのような文脈でそのブランドが語られるか」をコントロールする構造設計です。
たとえば「無印良品」はシンプルな製品デザインよりも、「生活そのものを見直す」という思想を背景に持ち、その姿勢が商品・店舗・広告・接客すべてに貫かれています。
だからこそ、ブランディングとは外見的装飾の話ではなく、「思考の統一」とも言えるでしょう。
非線形の現代型カスタマージャーニーを内包するマーケティングとも直結するものであるというのは、ここでロジックが繋がります。
ブランディングは経営戦略である
本質的なブランディングはマーケティング部門の範疇を超え、経営そのものと不可分です。
ブランドが発信するメッセージと、企業が取る戦略が乖離していては、ブランドの信頼は持続しません。
たとえば、アウトドアブランドの「パタゴニア」は”地球環境を守る”という理念を経営の中心に置き、製品の素材選定、返品対応、寄付活動など全方位でそのビジネス哲学を体現しています。
これは単なるブランド戦略ではなく、意味を軸にした経営デザインであると言えるでしょう。
顧客との関係性を設計する
ブランディングとは、顧客との“関係性”を設計する作業。
単なる購入者ではなく、ファン、支持者、時には共創者として関わってもらえるような設計を行います。
たとえばAirbnbは単なる宿泊サービスを提供するだけでなく、「旅と暮らしの境界を溶かす体験」を売っており、ユーザー自身がその価値を再発信する構造を持っています。
このように、ブランドは一方的に伝えるものではなく、対話と共創によって醸成されるもの。
ブランドは文化である
最終的にブランディングとは、「そのブランドに触れることで、どのような世界観に共鳴できるのか」を社会に示す文化的行為です。
たとえば北欧家具ブランドのHAYは、「暮らしに美と知性を取り込む」という哲学をプロダクトと空間設計、店舗体験すべてに反映させています。
これはもはや商品を売るというレベルではなく、「思想に共鳴する場を創出する」という活動に近いものです。
ブランディングを深めるとは、事業の本質に触れ、文化のように人々の行動や価値観に染み込む構造を築くこと。
そこに本当の意味があると言えるでしょう。
【ゼロから学ぶ】基礎学習シリーズ01~08
本シリーズは全8篇に分け、アクトハウスで学ぶ越境型スキルの基礎を知るシリーズです。
著者:清宮 雄(アクトハウス代表)
実践環境、アクトハウスで統合スキルを実装する。
このシリーズで語ってきた思考や技術を「連動性のあるスキル」として習得するには、実践的で体系的な学習環境が必要です。
その環境こそが、スペシャリストよりもゼネラリストを育成する越境型人材を輩出している「IT留学のアクトハウス」。
ひとつひとつのジャンルは磨きつつもこだわらず、複合スキルを持っておく柔軟性。トレンドや、ジャンルの栄枯盛衰に対応できる自分を作っておく。
ここでは、AIと並走する統合スキルをコンセプトのひとつに、教科書ではなくインプットと100日間に渡る実践を通じ、スキルだけでなく「自走力」や「構想力」まで育てるカリキュラムが用意されています。
もし、あなたが「変わりたい」「武器を持ちたい」と本気で思うのであれば、分断された学びではなく、統合された学びを実装してください。
初心者のためのカリキュラムであるがゆえ、少しづつ統合型スキルを学ぶことができます。
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著者:清宮 雄(アクトハウス代表)