努力と挫折の”構造”「グロウス・パス」を知ればやり抜ける。
成長ステップを可視化した「グロウス・パス」で挫折を回避
新しいことを始める”前”に、なぜ「やらない方が良い理由」を”次々と具体的に”思いつくのか?
新しいことを始めた”後”は、なぜ「すぐ途方に暮れたり、挫折する」のか?
この「構造」や「法則」を事前に知っておけば「どこに落とし穴があるのか?」が可視化されます。
成長の段階で立ちはだかる障壁やマインドの変化を、先に知っておく。努力や挑戦にもこのような「事前把握と攻略」が必要です。
ざっとでもいいので把握することで、最もしたくない「挫折・あきらめ」を回避できる。
まずは下の図「グロウス・パス(Growth-Path:成長の軌跡)」を見てみてください。
定番のフローに独自要素を加えたこの『Growth-Path』は「下から上に」見ていきます。
当校では、異業種からのフリーランス独立や、キャリアチェンジを支援してきたこの10年で、挑戦者の心に容赦なく襲いかかってくるさまざまな「うねり・障壁・暗闇」を見てきました。
しかし、そのマインドのうねりには、一定の流れがある成長曲線があることもわかってきました。
以下は、段階的成長のステップアップとマインドの変化です。
本記事では、新しいことに挑戦するとき心によぎる、自分の中の「回避グセ・言い訳」の根源的理由をまず解説。
そして、チャレンジ直後に直面する「いきなりの地獄」への対応や、それぞれの心情的な劣勢マインドの対処法を図面と共に解説していきます。
例えば会社を辞め新しいキャリアや業界、勉強に挑もうとしている人、挑もうとしているのにいつも踏み切れない人、挑んだのにその先がバラ色どころか「漆黒の闇」で途方にくれている人に。
すべての挑戦者、挑戦者予備軍のチャレンジがうまくいくよう、挫折回避策としても本記事を執筆していきます。
「コンフォート・ゾーン」というやっかいな存在
図の一番「下」をご覧ください。
黄色で「現在」となっている箇所。
「コンフォート・ゾーン」、というエリアがありますね。一番下の、一番横に広いエリアです。
ここが、いまあなたがいるであろう場所。
良いとか悪いとかいうことでなく「日常がコンフォート・ゾーン」となります。
しかし、このコンフォート・ゾーンは言い換えれば「わかりきっている毎日、先の見える明日、現状維持の状態」。
ここにいると「超・詳細に、挑戦しない理由」を思いつきます、無限に。
なぜならコンフォート・ゾーンは「さんざん繰り返している日常・仕事における熟知の領域」であるため。
ありとあらゆる側面から「〜するとこういう可能性がある」「〜だからやらないほうがいい」と、変化を拒む=保身という、人間元来の”現状維持=生存本能”の習性がいかんなく発揮されるから。
「変わりたいな…」という願望までは、まだ心で思うだけなので、ひとつのプライドとしても時折に思うだけはできる。それで心のバランスは一時的に保たれたり、誇りは数秒維持できることもある。「私は、本当は変わりたいと思っている、だから他の人たち(コンフォート・ゾーンで安心しているゾンビのような人たち)とはちがうんだ」と。
そして「いつかやるんだ、いつか、だけど….」と、普段の生活に戻る、消えていく。
コンフォート・ゾーンにいるのが、やっぱり楽であり、把握できるからです。
コンフォート・ゾーンでは、新しいことをちょっとでもやろうとすれば「自分で自分を論破」できてしまう。
簡単に現状の掌握ができるこのゾーンでは、現状維持をする”メリット”は100も200も思いつきます。
「だって日常に戻らざるえないんだから、仕方ない。なぜなら◯◯がこうで、◯◯がこうなるんだから、そして◯◯になったら大変だから」
年齢、仕事、将来、収入なども詳細にトッピングされる。
こうしていつも、極めて詳細な”現状維持バイアス”を自分にかけ、終わらせることができてしまう。
そんな自分を忘れるために酒を飲んだり、友人と遊んだり、買い物で発散することもあるでしょう。
しかし、非情にも月曜日は毎週、やってきます。
詳細に「でも、やらないほうがいい」「だって、〜だもん」を、思いついてしまうコンフォート・ゾーンは、自分が変わるための最大の障壁なんです。
挑戦の直後は「ロスト・ゾーン」という暗闇が待っている
そしてもし、意を決してコンフォート・ゾーンを突破しても―。
その直後に待っているのは、バラ色の風景や成長路線では決してありません。
「マンネリの日常から新しい自分・領域へ進んだ!」「社畜を脱出した!」という決断と行動力は本当に素晴らしいことながら、ここが「現実のスタートライン」になります。
この、新しい領域というのは、右も左もわからない「漆黒の闇」が広がっている場所。想像以上の、闇、闇、闇。
これを私は「ロスト・ゾーン」と呼んでいます。
図面で言うと、下から2番目のエリア。
この期間は実に耐え難く「自分が何をやっているのかわからない」「どこにいるのかわからない」という混乱に入ることも多々。
場合によっては「こんな挑戦、意味ない」「意味ないとわかってたし」と早々に決めつけ、停滞や停止に入ることも。「あの人がああ言ったからこうなった」という他責思考もここで熟成されてしまいます。
挑戦を決意し、海外などに来ても、新しい勉強を始めても―。
待っていたのは「さらなる壁だった」ことに気づく。
辛抱のトンネル、ロスト・ゾーン。
バラ色の未来とは程遠い、闇。
右も左もわからないロストゾーンは誰しにも訪れる。
そして「1日や1週間が永遠に感じる」という時間感覚に陥り、カオスが生じます。
周囲は「まだ始まったばかりだから」「あきらめるのはさすがに早いって」という声かけを、素直な応援の気持ちでしてくれるでしょう。しかし、あなたには刺さりません。
確かに、時間や日数だけを見たら数時間や数日、講座などで言えば数コマに満たない時期。
しかし本人にとっては永遠に感じます。永遠に感じる以上、当事者にとっては「まだ◯◯だから」というのは、励ましとしては響かないんですね。
単なる暗闇にいる事実だけがそこにあり、場合によっては「周りは進んでいるのに、自分だけがわかってない」と思うからです。
長くて遠い、伸び悩み期「ストレッチ・ゾーン」
右も左もわからないロストゾーンの闇に慣れてきた頃。
ある意味、あきらめの中で過ごして努力は一応している日々。
それでも暗闇の中にいながらも、気持ちはボコボコになりながら歩き続けると、実感のわかない長い長いグラデーションのような帯の中で、
状況が少しづつ「ストレッチ・ゾーン」へと移行します。
真ん中あたり、ですね。
このストレッチ・ゾーンへと移行するには、コツがある。
ポイントは一つ下の「ロストゾーンのときに、いちいちすべてを理解や把握してから進もうとしない」こと。ここを意図的に自分に課す。難しいですが「細かいことを気にしない、とりあえず進む」をやってみる。
つまり自分がロストゾーンに入ったことを自覚したら「新しいことに挑戦している今はその《1周目》なんだ」と定義。
1周目。そう、次がある。このあと99周、どうせ復習することになる、プロでもそれは同じ。みんな「調べて」いる。だから「最初からわかるわけない」と開き直るのがコツ。
最終的には100周以上はするであろう陸上トラックの《1周目》なんだから、どこに石ころや落とし穴があるかわからないのは「当然」と開き直る。
石ころや落とし穴を「たまにはスルー」するくらいの大雑把さが必要です。
怖いけど、とりあえず先に進む。
あとで、復習する。
復習してもわからないけど、進む。
このときすでに「ストレッチ・ゾーン」に入っています。負荷がかかり辛い、頑張っている理由も見失ったままながら「《1周目》なんだから」と開き直ることで、すでに漆黒のロスト・ゾーンから脱却を図れている。
一応のマインドセットができていることで、ロウソク1本が、かすかに風に揺れている状態で洞窟を前に進む体勢になれています。
前述のようにこの「ロストゾーンからストレッチゾーン」への以降は「長いグラデーションの帯」であり、メンタルが試される最初の期間。自分がこのグラデーションの渦中にいるとなお、自分の成長は全くわかりません。むしろ退化さえしている感覚になることさえあるんです。
これを世間では「勉強中」とか「修行中」などと形容しています。
「ストレッチ・ゾーン」から「少しわかる」の兆候が時折に
停滞と下降のコンフォート・ゾーンから漆黒のロストゾーンで想像以上に「落ちる」。
しかしそこから長いグラデーションの帯の中で「ストレッチ・ゾーン」へと移行している。
その次の段階は「ラーニング・ゾーン」となります。
ここでやっと、あなたがイメージする「いま◯◯を学んでいるんだ」という”前向き寄り”な気持ちでの学習や留学、挑戦の状態になってくる。
「少しわかる」「あの部分だけはわかる」など。
こういった言葉が少しづつ、出始める時期が「ラーニング・ゾーン」。
やっと、上から3番目のレイヤーになってきました。
同時に、消してこの「ラーニング・ゾーン」で現状に満足しているわけではなく、当事者はまだまだ不安のほうが大きいため「ネガティブな表現・感情も」もわりと出てきます。
「〜しかわかってない」「〜しかできない」など、自分を責める表現さえも尽きない。
自分を間違った方向に折らぬよう、このラーニング・ゾーンに入った際は、以下「2つ」を意識してみてください。
【少しでも、1ミリでも進んだら自分褒める】
【他人と比較しない】
これを、やり続けます。
「ラーニング・ゾーン」で「自分」と向き合う
このラーニング・ゾーンにいるさなかはまだ、思わず他責をしてしまうこともあります。
しかしそういった、脇役的な立ち振舞いやマインドから卒業し、自分と向き合い「自分を人生の主人公」にしていきます。
誰かのせい、他のなにかの責任にすることに長けてしまっている現代人(=特にコンフォート・ゾーンに多い)に戻らず、「自分らしく、やる」を探す時期。
遅くてもいい、いびつでもいい。
揺れるのは、新しい自分になりかけている証拠。
意地でも前を向くには「なりたい自分」をセットする。
アクトハウスで言えば、具体的には「新しい自分の職場(就活・キャリアチェンジ)」「独立や起業」のステージ。目線がここに本格的に移ると、興味の対象が自分になってくるので、ある意味「前向きなガチの集中」ができようになります。
次の人生、ビジョンに目を向ける。
他者のことは、関係なくなってきます。
実質「自分の人生は自分が創り上げる」ことがクリアに見えてきます。
自分にフォーカス。自分の人生。
不器用ながら、挑戦してきたことに、改めて自分を気づかせる。
できれば、100日フリーランス実践の間に一時でも、このラーニング・ゾーンを楽しみたい。
数々の道程を経て、ラーニング・ゾーンへと来た自分を褒め、他者にも前向きに頼り、活路を見出す冒険になってきた・これをやりに来たんだとセットする。
こういったマインドの前向きなセッティングも、このラーニング・ゾーンの後半では特に必要になってきます。
なぜなら、次が、到達点である「グロウス・ゾーン」だから。
あと1マイル。
あと1ミリ。
知らないうちに、前よりタフになっています。
到達点「グロウス・ゾーン」へ
グロウス・ゾーン(Growth Zone)。
「新しいことへの挑戦」をひとつのかたまりで見た場合、この「グロウス・ゾーン」がひとつのゴール。
もちろんここさえも「ひとつのゴール」に過ぎず、次に本格的に進むための通過点ではありますが、部分的にでもここまで来れたスキルや学問があれば、身軽になっています。具体的なイメージとしては、
《わかる》
《察っしがつく》
《リカバリーが早い》
過去にあった謎だらけの様々が「そういうことだったのか」とつながる。つなげて考えることができるようになる。過去にもらったアドバイスの意味がわかるようにもなる。
「わかる」が増えるのが「グロウス・ゾーン」。
今までの失敗も成功も、ここでつながってきます。
無駄な勉強や経験などひとつもなく、塵のような記憶や、初期に味わった屈辱も、ここで精算できます。点が線になる。
むしろ苦労した人ほどこのグロウス・ゾーンにはDEEPに入り込み、実感できる。
そしてー。
さらなる境地は「フロー状態」
さらに「できる」を超え、考えずとも「やっている」ことが増えたら。
それは「フロー」と言われる最高の状態。
無自覚で手が動く、勘が働く、危険の察知が事前にできる、なんとなくの第六感なんかもここに入ります。
グロウス・ゾーンの上なので「無意識に俯瞰」できている状態。
いわゆる海外フリーランスやノマドワーカーなどもこの状態に近い。場所も時間も関係なく、仕事をこなせる、見渡せる。
もちろんこのフロー状態の根源やクオリティは、これまでの様々のゾーンで味わってきた「経験」「葛藤」「知見」の量に比例します。これらのプロセスがあって初めて、フロー状態に入れる。
いきなりこのフロー状態に行こうとする人がいますが、あるいはすぐなれずにあせる人もいますが、そもそも「各ゾーンのプロセス」がないと到達できないんです。
ゆえに、一足飛びには成長できないというのは、ここに理由がある。ステップバイステップ、一歩一歩が、やはり大事。
努力と葛藤は、裏切らない。
もちろん「フロー状態」でもググる、学ぶ。AIと共に日々成長。
勘違いしたくないのは、いくらフロー状態でも「何も見ず、学ばず、調べず」こなせる神のような状態ではないということ。
時代は常に動いています。
プログラミングやデザインのエンジニア、ディレクターや営業だって、みんな日々検索、日々対応している。
この「調べる」「解決する」はフロー状態でも日課。
しかし、フローに入っている人は。検索精度もAIスキルも高い。
つまりAIへのプロンプトやGoogle活用のプロフェッショナルにもなっているため、より加速度的な仕事ができるようになっています。
フローに入ると、指数関数的にさらに成長する人がいるのは、このためです。
いきなり変われない。「段階的成長のプロセス」を事前理解する。
多くの人は「変わりたい、もっと良くなりたい、成長したい」と考えます。
しかし実際に「次の自分に行くため」には、困難な道のりが待っている。ここまではなんとなく想像がつく話ですが、ちゃんとこの「道のり」「壁の数」を可視化して・事前に把握しておく必要があります。
でないと、
「自分なんかやっぱりだめだった」
「挑戦などしなければよかった」
「センスない」
などと、自己評価を低くして、早々にその挑戦に幕を下ろしてしまうからです。
挑戦にも、事前のマインド対策が必須なんですね。
挑戦の障壁となる「各ゾーン」を把握すれば耐えられる。
挑戦したいのはやまやまなのに、新しいことに挑むことを躊躇したり、やらない理由を次々と思いついたり、やったとしてもすぐ途中でやめてしまうのは「コンフォート・ゾーンを維持しようとする=安全に生き残ろうとする人間の本能」というのは、最初の方で説明しました。
初めての領域に進むのは未知であるからという理由もさることながら、やっかいなのは実は「現状のコンフォート・ゾーンの属性」に起因する。
決して、あなたが怠け者ということではないんです。
大切なのは、変われない自分・決断できない自分を責めるでなく。
成長の階段「グロウス・パス」のマインドのレイヤー。
各マインドのゾーンで何が起こるのか、事前に把握しておく。
これがわかれば、もしあなたを純粋に励ましてくれる人がいても「こっちの気持ちも知らないで」なんて、ひねくれることもなく、その友人や知人を失うこともありません。
「自分はいまコンフォート・ゾーンから、一気にバラ色でなく、地獄のロストゾーンに入ったんだから仕方ない」と、冷静になれるでしょう。何も知らないよりは、マシなわけです。
そして「次にストレッチゾーンがくる。ここもキツイが、ロストゾーンに比べたらまだマシだ」と思える。
成長におけるマインドのロードマップを持っておけば、不必要な混乱や情緒不安は最小限に抑えられます。
努力や勉強、挑戦にも、このような戦略が必要なんですね。
ゼロから始める挑戦。フリーランス独立やIT転職へ挑む。
コンフォート・ゾーンから積み上げ、突破する。
ロスト・ゾーンでも、止まらない。
この試練に寄り添い、共に戦う場所がある。
あなたが密かに描いている「自由」や「将来」を実現するために、セブ島のアクトハウスを作っています。
IT未経験からのフリーランス独立や、転職、大胆なキャリアチェンジ。
各ゾーンでのあなたをサポートし、ラーニング・ゾーン、グロウス・ゾーンへと導く。
もしいま、コンフォート・ゾーンで日常を繰り返してしまっていたら、こんな場所があることを少し気にしてみてください。
突破するための相談は「土日祝」もOK
次世代のスキルシェア・コミュニティであるIT留学「アクトハウス」では、お話や質問ができる「オンライン個別相談」の予約時間を可能な限り広範囲に設定しています。
現在は「土日祝」「朝7時から21時」の相談時間を確保。
出勤前の20分でもOK、週末出かける前の午前中や帰宅後でも。
「始めなければいけないのはわかっているに、どうしていいかわからない」
そこを、ぐるぐると回ってしまっていたら。
からもお気軽にご質問・ご相談ください。
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著者:清宮 雄(アクトハウス代表)