オンライン学習や動画教材で挫折が多い「7つの理由」
効率的なオンライン学習…なのに挫折も多い
コロナ中に飛躍的に伸び、コロナ後は「数は増えど効果は…」という意見も見られてきたオンライン学習や動画教材。
弊社でもコロナ中に2つ、オンラインの学習サービスを始めましたが、いろいろとネガティブな点も結構見えてきました。
オンラインや動画の教材は、場所を選ばず学べたり、自分の好きなペースで進んでいけるはずなのに、ちゃんと伸びていく人や継続できる人はそこまで多くないような実感。むしろ挫折、途中でわりとすぎにやめてしまう人も多い印象…。これは運営していてわかることであり、反省点でもあります。
なぜ、こういったオンライン系の学習はなかなか効果が出にくかったり、挫折をしてしまう人が多いのでしょうか。
便利さをプッシュされるとついその魅力「だけ」に目がいきがちだけですが、実態であるマイナス面というのは、サービス提供側は教えてくれるわけもありません。
今回はこのオンライン学習や動画教材が続かない理由、一部の人にしか適してない理由を解体していきます。
本記事は、前述のとおり、他でもない弊社がオンライン教育事業を2つもやっているゆえの、自戒とリアルな分析、実体験を元に書いています。それらは、プログラミングのメンターを1時間レンタルできるオンラインサービスの「メンタレ」と、60歳以上の方のプログラミング学習をオンラインでサポートする「ロクプロ」です。もちろん需要はあるものなので、自ら全否定をしようとは思いませんが、こういったサービスが決して自分から明かさないネガティブな面も忖度なく書いていきたいと思います。
では、効率的なはずのオンライン学習や動画教材が続かない「7つの理由」を見ていきましょう。
①受講する人間のタイプに左右されまくるから
実はど真ん中にありつつ盲点なのが、オンライン学習や動画教材を使う側の「人間のタイプ」です。ここで、この教材を継続的に使いこなせるかどうかが別れます。
教材の質や使いやすさの差もありますが、実は多くは「受ける側」の都合が大きい。受ける側の心理や環境です。勉強の意欲こそ最初はあっても、抗えない、さまざまな事案が絡み合うんですね。ここでお伝えしたいのは「受講側に問題がある!怠けている!」というお話でなく、シンプルに「仕方ない」という不都合な事実。
勘の良い方は、この時点でもうお気づきかもしれませんが「効率」だけを追って、例えそれがロジックとしては正しくても、人間は決して突然ガリ勉になれたり、秀才になれるわけではありません。そもそもこれができれば、全員東大レベルなれてもおかしくはないのです。オンライン教材や動画学習は、まさにここに当てはまるお手本のようなもの。
勉強や習慣とは、仕組みがいいから成り立ち継続できるものではなく「これをやらなければならない」「むしろやめることができない」くらいの追い込みで成り立つもの。ぶっちゃけ基本、特に最初は(あるいは後々)楽しくないものだから。ここでは「学ぶことの楽しさ」などの美辞麗句は置いておきます。現実ベースで。
例えばテストの前日や夏休み中の最終日に宿題をやる人が多いように、残念ながら「やらなければならないモチベーション」に着火しないとなかなか勉強というのは継続できません。スマホ自体はもちろん、その中にはNetflixやtiktokなどなど、楽しいものが手元にあふれる現代ではなおのこと。
一部の、自制心が強い人や、そんな危機感などなくても迷いなく一生勉強できる人もいます。ただしこれはごく一部。そして、オンライン学習や動画教材というのは、そういった「自走力」を持った人には効果的。毎日決まった時間に決まった量を淡々とこなせる人。もちろんこういう人も本当は心の中で戦って努力をしていますが、一般の人より勉強に向いていることは確かです。
なお「自分はそういう人間ではない…」と落ち込む必要はありません。勉強が継続できる人=一流ということもないからです。本記事ではあくまで「オンライン学習や動画教材が挫折する理由」を主軸にして書いているのだけなので、ご自身が勉強に関しては挫折グセがあったとして、問題なくむしろそれが普通。あなたには他の特技や魅力がありますし「勉強の集中度」なる欠片のようなものであなたの何かが決まるわけではありません。そこは安心してください。ただし、夏休みの最後に宿題をやっていたタイプであれば、勉強の自走は向いてないので、あきらめたほうがいいです。そこは割り切るのがコツ。
勉強とは、いくらオンラインのサービスが充実しようとも、それを活かすも殺すも「それを受講する側の人間のタイプや環境」によるものが実はとても大きいんです。
②勉強とはモチベーション維持の戦いだから
そして、挫折の原因の2つ目。
それは、勉強とは「モチベーションの維持」との戦いであること。
ただし残念ながらこれも「よっしゃわかってきた楽しい!」と、一人部屋の中でオンライン教材を仕事から帰宅後に毎日2〜3時間やって到達できる人は稀です。単純に疲れていたり、飲んでいるときや、どうしても気持ちが乗らないとき、体調がすぐれない日もあるでしょう。
そういった日々の「ムラ」と戦い、抗い、モチベーションを始めたころと同率にキープするのは至難の業。このモチベーションキープがそもそも辛く面倒なわけです。
オンライン教材や動画の学習が「一見、便利だけど、厳しい」のは、教材のせいというより、受ける側のコンディションや生活リズムもどうしても左右されまくるのは、前述の①と同じです。仕方ないことなんですね。
③何がわからないのかわからないから
動画教材で痛いのは「何を質問していいのかわからない状態の迷走が続く」ことにもあります。それがプログラミングでも英語でもいいんですが、何度先生に「大丈夫」と言われても、自分の現在地がとてつもなく不明瞭になるんです、動画教材の受講側は部屋かカフェや図書館で一人きりですから。
「いまはこの辺りのレベルだけど、大丈夫だよ」と言われても「ロジックではそうかもだが、ほんとの不安はそこじゃない」んですね。じゃあどんな不安かと言うと、実は受講側ってそれをうまく言語化ができないもの。なぜなら、未知の世界の学習をしているわけですから、現在地や明確な不安点などわかるわけもないんです。だからずっと不安、オンラインだとひたすら1人で不安。ちゃんとした先生がいないコミュニティでも実は同じ。傷を舐め合うだけなら、一緒にいる意味もありません。
このように、初学者というのは「言葉にならない不安」をとてもつもない比重で抱えています。
プログラミングでも英語でも「一定できるようになった人たち」というのは最終的には「大丈夫」しか言わないもの。山を乗り越えてしまった人は、自分がかつて抱いていた不安を「誰でも乗り越えられる」と良い想い出にして終了しがちです。
ロードマップ的なものを見せられても、そもそもそこにあるゴールが「ほんとに自分の行きたい場所に近いものなのか」も初学者はわかりようがないんですね。
毎日毎秒「何がわからないのかわからない」わけですから、勉強を一人でやっていても、そのモヤモヤが解消されず、やがてやめてしまう。ここで「カウンセリング」とかうシステマチックな対応を持って来られても、なんとなく引いてもしまう感じ。
どうも、周囲の言っている「大丈夫」とか「今はこのあたりにいる」というコメントに「はあ…」としか思えない。これらもオンラインや動画の学習へのモチベーションが続かず、挫折してしまう理由。
④即質問を口頭で連続でランダムにできないから
質問ができるとて、その質問を「テキスト」でするのも辛い。なぜなら質問を明確に言葉で起こす作業がうまくできないから。
また、口頭でもなぜかZOOM等で聞いても、なんとなく温度感もわからず、突っ込んだ話もできず、その疑問だけは解消されるけど、そのあとすぐにやってくる「次の疑問」「次の次の謎」あるいは「見当違いかもだが聞いておきたいこと」などのスピンオフな会話もできない。
オンラインという温度感の差、テキストで投げておくなどの機械的な仕組み、これまでも記してきたように「効率的・合理的ではあるけれど、受講する側の不安や恐怖を拭えているかというと全くちがう」という事態になっています。だから挫折してしまいます。
新しいことを学ぶだけでもハードで辛いのに、さらに「質問をうまくしないといけないという作業やプレッシャー」にはだんだんと耐えられなくなるんです。
⑤一部分だけ解決しても意味ないから
最近は「教える教材はオンラインにあるが、質問は仲間で助けあったり、トレーナーに聞ける」などもあります。しかしまず「仲間」「トレーナー」というのは専門のプロではないので、頼れる範囲が限られてしまいます。
プロに聞けるサービスも当然ありますが、時間も内容も区切られている。そして、いつまでもダラダラ質問できないのは当たり前ですが、例えばプログラミングで言えば「一部分だけ疑問が解決しても、ほんとうにそこだけが解決するだけなので、大きな問題解決には至らない」ことがほとんど。
もちろんその一部分だけでも助かるのですが、初学者にとっては、その後、秒で新たな疑問がやってきます。その都度、オンラインで先生を予約したり、長いテキストで聞いたりは辛さしかありません。
⑥質問までのプロセスが手間だから
オンラインで一時的にメンターに聞けるようなサービスは、実は当社でもまんまそのサービスを展開しているからこそ痛感していることですが、初学者などにから見ると「申し込みが面倒」「メンター選ぶとかも面倒」というのはよくお声としていただいてます。本記事は、自社のサービスでのネガティブな要素までを出していることで、リアルな視点というのを感じていただけたらと思います。
つまりここで言えることは、学習者の理想は「勉強以外のことを考えないで済むこと」にあります。思えば、小学校でも中学校でも、先生の質はさておき、私たちは教室で授業を受け、その先生に質問をすればいいというシステムで育ちました。
ここでわざわざ「質問するためにはエントリーシートを書く」とか「簡潔に質問を箇条書きにする」「まずは自分で調べたかどうかも伝える」「そして先生を選ぶ」「あとでその先生を評価する」などなど条件がつくと、誰も先生に質問しないと思います。タスクがこの半分だとしても、そこを考えるのが大変。
勉強とは、多くの受け身の人間にとっては「信頼できる先生」はもう決めておいてほしく「ランダムに自由に質問したい」もんなのです。
⑦時間や精神的な隠れコストが高いから
有料のものはこの記事のテーマから言えばもはや論外にはなりますが、例えそれが無料のオンライン学習や動画教材でも。
有限である、あなたの時間を多大に払っていること。実は「自走を強く強制される精神的疲労コスト」が高いことには、視点は置いておきたいところ。つまり「隠れコスト」というやつです。
無料や格安の裏には、あなたが払っているもっとかけがえのないものがあります。
YouTube動画だけを見て英語をペラペラにはなれないように、あくまでそういったものは、一定できるようになったあとのコストダウンの手段であり「サブ教材」として活用するのが得策でしょう。
勉強の挫折・阻害の促進にもなりかねない「自走強要教材」
「よしやろう!」「無料だし損はない!」「空いた時間で!」など、謳い文句で、意気揚々と勉強を始めたものの。
実際は勉強の初手がオンラインや動画教材だったから挫折して、二度とプログラミングや英語に近づかなくなる人は、一定数以上いるのは前述の自社サービスで実感しています。他の教育サービスも自社で10年ほどやってますが、とても多いなという印象。
自宅でやれたり、うまくハマれば継続できたりもしますが、現実にはプログラミングの挫折率90%というのが下がってるような印象はありません。相変わらず8対2の法則で「できる人だけできる」で終わっています。
新しいスタートを「強い自走を強いられ、一部の自走人間にしか向いてない教材」たちが阻害している可能性もあると考えます。
もちろん便利な学習法であることは事実
ここまで自社のオンラインサービスで収集したお客様の声などや、運営上の経験を下にオンライン教材や動画学習で挫折してしまう理由を述べてきましたが、これらのサービスが便利であるという事実は変わりません。
ただし一般的に当たり前に喧伝されているような素晴らしい合理性や効率性というのは、あくまで「サービスの形態」についてであり、実際にそのツールやサービスを「受ける側」のリアルな都合や属性、人間的な怠惰などは織り込まれていません。
サービスを売る以上は良いところを強調するのは当然ですので、それらは仕方ないことではありますが、勉強とは継続的にかつ無理矢理に生活の中に新たに入れ込むものですから、導入する際には本記事にあるような注意点や盲点を把握したうえで検討するが得策です。
でないと、無駄に「自分はやっぱり継続できなかった」「あんだけ決意してもできなかった」と、自己評価を不必要に下げる結果になるからです。
新しく学びを始めようという勇気と決断だけでも素晴らしいのに、そして選択や考え方を誤らなければ大丈夫なはずなのに、そのようなことになるのは悲しい以外の何物でもありません。
勉強は環境とモチベ、そして自分への投資は必要
これまで見てきたとおり、勉強とは環境でありモチベーションであること。つまりこういった情緒的な要素がコアにある「受け手側の問題」がとても大きく左右すること。
そして多くの人々はそもそもお勉強は嫌いであり、追い込まれたような環境でないと継続的にまたは一気にやれないこと。切羽詰まってないと身に入ってもこないこと。
勉強を始めても、そこに質問するために手間が生じたり、質問すること自体に大きな負荷がかかったりするのはそもそももう勉強の体制になってないこと。
そして無料や格安のサービスであればあるあるほど自走求められ、しかもそれを継続的に一人でキープしないといけないことなどを見てきました。
オンライン系のサービスの提供側は「良いこと」しか言わないものです。「時短や場所を選ばないどうこう」などのキャッチコピーでまくしたてますが、それらを思考停止で導入することはおすすめしません。
まず過去の自分が勉強に向いていたかどうか、学ぶのが好きであるか、自走そのものに魅力を感じその癖があったかなどを照らし合わせて判断するといいでしょう。
程よい仲間とプロのメンターがいる「IT留学」
ここまで述べてきた、オンライン系の学習の真逆をいって成功を収めている風変わりな留学があります。
IT留学というジャンルのなかでも「プログラミング」「デザイン」「英語」「ビジネス」の4教科を学ぶ留学。
日本人のプロにIT科目は毎日直接少人数で質問でき、個別な課題も作ってくれたり、スタッフは随時人生相談的な面談なんかもしてくれる。もちろん進路相談や、日々の勉強の悩みも話せる。
英語は、フィリピンの英語教師からマンツーマンのドア付き個室で習える。1日2時間なのでストレスまではいかない。
時代のスキルであるプログラミングを軸にそこに幅をもたせるデザイン、根底を支えるビジネスのナレッジを網羅。そして、留学という形態をフル活用し、世界第3位の英語公用国であるフィリピンで本場の英語も習える。
もちろん、すべてオンライン学習でも、動画教材でもない。
すべてがリアルな授業で、すべてがプロから。
4〜6人程度のクラスなので、ほどよく戦友意識はあり、挫折せずにみんなで乗り越えていける。
さらには学ぶだけでなく、前半3ヶ月で学習した4教科で「実際に社会で稼げるか」までをやる、しかも100日近く。ITフリーランスとして自分で仕事を取ってきて、稼ぐ留学。
ついでに、新築住居で住まいも清潔で安全。
そんな場所がフィリピンのセブ島にできて2025年でもう11周年。派手な宣伝はせずとも、毎期全国から話を聞きつけた感度の高い留学生がやって来てくれます。
独立や起業はもちろん、IT未経験からのIT転職や独り立ちをしたい方が集まっています。もちろん集まるだけなく、確かな卒業実績が評判や口コミの裏付け。
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著者:アクトハウス編集部