2025.12.08
「Webマーケティング」と「Web制作」を分けるな。一人で両方やるから勝てる
「きれいなWebサイト」を作るだけで満足していませんか?
Web制作のスキルを学び、デザインやコーディングができるようになった。しかし、いざ実務に挑戦してみると、案件の獲得に苦戦したり、思うように受注単価が上がらなかったりする。こうした壁にぶつかる制作者は少なくありません。
今の市場では、単に見栄えが良いだけのWebサイトを作れる人の価値は、少しずつ埋もれやすくなっています。クライアントが本当にお金を払いたいのは、サイトの「見た目の美しさ」ではなく、そのサイトによってもたらされる「集客」や「売上」という成果だからです。
技術を学ぶだけで終わるか、それとも市場から長く求められる存在になるか。その境界線は、技術力そのものよりも「マーケティング視点」を持っているかどうかにあります。
今回は、Web制作者がなぜマーケティングを学ぶべきなのか、その具体的なメリットと市場価値の高まり方について解説します。
なぜ、「戦略なき実装」は価値を生みにくいのか
多くの制作学習では、「デザインのツールをどう使うか」「コードをどう正確に書くか」といった実装技術が優先されます。しかし、実際のビジネスの現場において、戦略不在のまま作られたWebサイトは、誰にも届かずに埋もれてしまうリスクを抱えています。
例えば、サイト上のボタンを1つ配置する場面を想像してみてください。
作業者としての視点
「指示書通りに、ここに青いボタンを配置した」
マーケティングの視点
「このページを訪れるユーザーは現在、認知・検討・決定という心理フェーズのどこにいるのか。それなら、このタイミングで行動を促すために、ここに追従型のボタンを置くべきだ」
論理的な意図がない制作は、どれだけコードが正確であっても、単なる「作業」になってしまいます。
ボタンの配置や配色、導線のひとつずつに「なぜその設計にしたのか」というマーケティングの裏付けを語れるようになれば、制作物のクオリティは「ビジネスを前進させるツール」へと昇華します。
現場で評価される「理由を説明できる制作者」の強み
マーケティング視点を持つ最大のメリットは、クライアントに対して自らのデザインや設計を「論理的に説明できるようになる」ことです。
多くの現場では、デザイナーやエンジニアと、発注側であるクライアントとの間で「言葉のすれ違い」が起こりがちです。制作者が「こちらのほうが格好いいからです」という感覚論で話してしまうと、クライアントのビジネス要件とうまく噛み合いません。
しかし、マーケティングの共通言語を持っていれば、次のような提案が可能になります。
「御社のターゲット層の心理を分析した結果、信頼感を最優先に伝える必要があります。そのため、全体の配色はネイビーを基調とし、スマートフォンでの離脱率を下げるためにJavaScriptを用いたこのような導線設計にしています」
このように語れる制作者は、クライアントから単なる「下請けの作業員」ではなく、共に事業を成長させる「頼れるパートナー」として認識されます。この信頼関係こそが、価格競争から抜け出す最大の武器となります。
窓口の「一本化」がもたらす圧倒的なスピードと単価アップ
Web制作とマーケティング、この両方の視点を1人の脳内で繋ぐことができると、実務において圧倒的なスピード感が生まれます。
通常の分業体制であれば、サイトの数値を分析して「ボタンの位置を少し変えたい」と考えたとき、分析担当からディレクターを経て、制作担当が実装するまでに数日のタイムラグが発生します。しかし、両方の視点があれば、データを見たその場で仮説を立て、自分でコードを書き換えてテストを始めることができます。
この改善のスピードは、そのままクライアントへの貢献度(成果)に直結します。
さらに、フリーランスや個人として活動する場合、金銭的なリターンも明確に変わります。
制作のみ
「ホームページを1本制作して、納品したら終わり(単発の制作費)」
制作×マーケティング
「サイトを作るだけでなく、その後のデータ分析に基づいた毎月の改善提案まで行います(継続的な運用案件)」
クライアントにとっても、制作と運用の窓口が一本化されることは、コミュニケーションコストを劇的に下げる大きなメリットです。結果として、喜んで高いフィーを支払ってもらえるパッケージ戦略を組むことが可能になります。
「器用貧乏」ではなく、全体を統括する統合者へ
「あれこれ手を出すと、どれも中途半端な器用貧乏になるのではないか」という不安を持つ方もいるかもしれません。「一つのスキルだけを極めるべきだ」という意見も一理あります。
しかし、現代において、例えば「指示された通りのコーディングだけ」を極めようとすると、そこは生成AIが最も得意とする領域であるため、価格競争に巻き込まれやすくなります。これからの時代に求められる強さとは、深さだけの専門性ではなく、「複数の領域を掛け合わせ、ビジネスの文脈に合わせて統合する力」です。
マーケティングという全体設計の視点を持ちながら、デザインやプログラミングという実装の仕組みも理解している。
こうした「全体最適」の視点から成果にコミットできる人材は、市場における希少価値が非常に高く、どの現場に行っても強い引き合いがあります。
アクトハウスの「100日実践」で商流の全体像を体感する
アクトハウスの180日間(半年)というカリキュラムで、ビジネスの戦略、デザイン、プログラミング、そして英語を並列で学ぶのは、まさにこの「複数の領域を統合できる人材」を育てるためです。
特に後半の100日間にわたる「クライアントワーク(実務)」では、受講生はただ用意された課題を作るのではなく、実際のクライアントを相手にビジネスを展開します。
自ら市場をリサーチして戦略を立て、提案書を作り、デザインを起こして実装し、納品後の数字を追う。この一連の「商売の全工程」に触れることで、分断されていた各スキルが脳内でカチリと結びつきます。
最初は拙くても構いません。自分で考え、自分で形にし、どう届けるかという全体像を実戦で経験しているからこそ、卒業後にどの業界へ進んでも、下請けに甘んじない強靭な個の力が身につくのです。
「作るスキル」を覚えたその先へ
プログラミングやデザインのコードを覚えたけれど、それを実際の案件獲得や、市場から求められるキャリアへどう結びつけていけばいいのか。一人で試行錯誤を続けるのには時間的な限界があります。
アクトハウスでは、これからのキャリアを本気で変えたいという方のための、セブ島でのビジネステック留学に関する個別相談を随時受け付けています。
単なるスキルの習得に終わらず、半年間の環境設計を通じて、マーケティング視点を持った「実務で通用する個」へとどのように脱皮していくのか、あなたに最適な具体的なステップを客観的な視点から一緒に整理します。公式LINEから、これからの可能性を拓く機会としてお気軽にお声がけください。
著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成に従事。