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2025.12.08

【実録】フリーランスの「単価」が決まる瞬間。スキルよりも「提案」が9割

Marketing / Strategy

【実録】フリーランスの「単価」が決まる瞬間。スキルよりも「提案」が9割

フリーランスとして独立した直後、誰もがぶつかる見えない壁があります。
「なぜ、あの人は自分より技術が低いのに、倍の単価で仕事を受けているのか?」

この問いに対する答えを、技術不足のせいにしているうちは、永遠に低単価のループから抜け出せません。RubyやReactを習得すれば単価が上がるというのは、プログラミングスクールが作り出した幻想に過ぎないからです。

現場における真実はもっと残酷で、かつシンプルです。
単価は、あなたのスキルレベルで決まるのではありません。クライアントが感じる「期待値(ROI)」と、それを提示する「提案力」で決まります。

今回は、実際にアクトハウスの卒業生が経験した事例をもとに、同じ案件でも桁が一つ変わる瞬間のメカニズムを解剖します。スキルは商品ですが、提案はその商品の「値段の付け方」そのものです。

5万円のサイトと50万円のサイト、中身は同じ

ある飲食店から「Webサイトを作ってほしい」という依頼があったとします。
ここで、稼げないエンジニア(Aさん)と、ビジネステックを学んだエンジニア(Bさん)のアプローチの違いを見てみましょう。

【Aさんの提案:スペック売り】

「WordPressで構築します。レスポンシブ対応で、スマホでも綺麗に見えます。納期は2週間。相場がこれくらいなので、5万円でやります」

【Bさんの提案:バリュー売り】

「なぜサイトが必要なのですか?(ヒアリング)…なるほど、週末の空席を埋めたいと。であれば、単なるサイトではなく、Instagramと連携した即時予約機能が必要かもしれません。また、この地域は外国人観光客が多いのでは?それならば、英語メニューのLPもセットにしましょう。これで月に10組の新規客が見えてきます。客単価5,000円なら、毎月5万円の利益増。半年で元が取れる計算で、制作費50万円でいかがですか?」

結果、クライアントはBさんを選びます。

なぜなら、Aさんは「5万円の出費(コスト)」を提示したのに対し、Bさんは「将来の利益(投資)」を提示したからです。

驚くべきことに、制作するWebサイトの技術的な難易度は、両者ほとんど変わりません。場合によっては、既存のテーマを活用するBさんの方が、技術的には楽をしている可能性すらあります。
これが「提案が9割」の意味です。単価とは、作業の対価ではなく、解決する課題の大きさの対価なのです。

クライアントは「何を作りたいか」わかっていない

多くの初学者は、「クライアントの要望通りに作ること」が正解だと思っています。
しかし、ビジネスの現場において、クライアントの言葉を鵜呑みにするのは二流の仕事です。彼らはWebやマーケティングの素人であり、彼らが口にする「欲しいもの」は、本当に必要な解決策とはズレていることがほとんどだからです。

「アプリを作りたい」と言う社長に対し、「アプリはダウンロードのハードルが高いので、まずはLINE公式アカウントのリッチメニューで顧客管理をしましょう」と、あえて要望を否定し、より効果的な代替案を出す。
この瞬間、あなたは「下請けの制作者」から「対等なパートナー」に格上げされます。

パートナーになれば、価格競争には巻き込まれません。
「あなたにお願いしたい」という指名買いの状態を作れるからです。アクトハウスのカリキュラムで「ビジネス(Strategy/Marketing)」を重視するのは、このポジションを取るためです。コードを書くだけならAIで代替可能ですが、クライアントの潜在的な課題を見抜き、最適なソリューションを設計する能力は、人間にしか発揮できません。

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実録・現場で起きた「単価交渉」のリアル

アクトハウスの後半3ヶ月、「実務カリキュラム」での実際の出来事を紹介します。
あるチームが、セブ島現地のスパ(マッサージ店)への提案を行いました。当初、オーナーは「チラシを配りたいからデザインしてくれ」という、単価数千円レベルの要望を持っていました。

しかし、学生たちは現地調査を行い、ある事実に気づきます。
「チラシを配っても、観光客はその場で捨ててしまう。問題なのは認知ではなく、予約の面倒くささだ」

そこでチームは、チラシ制作だけでなく、「Googleマップの最適化(MEO対策)」と「多言語対応の予約フォーム制作」をセットにしたパッケージを提案しました。
「チラシは捨てられますが、Googleマップは全員見ます。ここで上位表示され、そのまま英語で予約できれば、取りこぼしていた顧客を拾えます」

結果、案件の単価は当初の想定の10倍以上に跳ね上がりました。
オーナーは喜んでお金を払いました。それは、学生たちが「チラシを作る作業」ではなく、「売上を上げる仕組み」を売ったからです。

この成功体験を経た卒業生は、帰国後も決して安売りをしません。
「どうすれば相手の利益になるか」を徹底的に考え、その対価として正当な報酬を請求する。このマインドセットこそが、フリーランスとして生き残るための生命線です。

英語力という「提案の武器」

提案の幅を広げる上で、英語力(English Dialogue)は強力な武器になります。
日本のWebトレンドは、海外から数年遅れてやってきます。英語で情報を取れるということは、数年先の未来の答えを持っているのと同じことです。

「アメリカの同業種では、今こういう集客手法が流行っています。これを日本向けにローカライズして導入しませんか?」
この一言が言えるだけで、あなたの希少性は劇的に高まります。

また、使用するツールにおいても、海外製の優れたSaaSやNoCodeツールを知っていれば、開発工数を半分にしつつ、クオリティを上げることが可能です。
英語は単なるコミュニケーションツールではなく、提案の引き出しを増やすための「情報収集ツール」なのです。

ビジネステック留学という選択肢

スキルを磨くことは重要です。しかし、それを「どう売るか」を知らなければ、宝の持ち腐れになってしまう。
技術(Tech)とビジネス(Business)、そして英語(English)。この3つを掛け合わせ、実務の中で「提案→受注→納品」のサイクルを回す経験。

アクトハウスが180日という期間を設けているのは、このプロセスを肌で覚えるためにどうしても必要な時間だからです。
机上の空論ではなく、実際にお金が動く現場で、自分の提案が通る喜びと、通らない悔しさを味わう。その経験の数が、あなたの「単価」を決定づけます。

「自分には営業センスがない」と諦める必要はありません。
提案はセンスではなく、論理(ロジック)です。相手の課題を因数分解し、解決策を組み立てる技術です。それは、プログラミングと同じように、正しく学べば誰でも習得可能なスキルなのです。

単なる作業員として買い叩かれる未来を避けるために。
ここには、あなたの価値を正当に証明するための戦術と、それを試せるフィールドがあります。

次はあなたの番です。自分の市場価値を、自分の手でハックしに来てください。

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著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成に従事。

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