Webサービスはどう動いている? サーバー、ドメイン、データベースの仕組みと連携


私たちが普段何気なく利用しているWebサイトやアプリケーション。スマホの画面をタップすれば、一瞬で求めていた情報が表示され、メッセージが届き、動画が再生されます。この「当たり前」の裏側で、一体どのような技術的連携が行われているのか、あなたは説明できるでしょうか。

もし、「魔法のようなもの」あるいは「詳しいことはエンジニアに任せておけばいい」と考えているなら、その認識はAI時代において致命的です。ChatGPTやCopilotを使えば、コードは誰でも書けるようになりました。しかし、それらのコードがどこで動き、どうデータを保存し、どうユーザーに届くのかという「構造(アーキテクチャ)」を理解していなければ、あなたはAIが生成した部品を組み立てることすらできない「指示待ち人間」に成り下がります。

アクトハウスが育成するのは、システムの全体像を俯瞰し、ビジネスの要件に合わせて最適な設計図を描ける「ビジネステック人材」です。本稿では、Webサービスを支える三種の神器――「サーバー」「ドメイン」「データベース」――の役割と、それらが連携するダイナミズムについて、エンジニアリングの基礎教養として解説します。

Webの世界は「土地」「住所」「家」でできている

Webの仕組みを理解する際、最も古典的かつ直感的なアナロジー(比喩)として使われるのが「不動産」の例えです。まずはこのイメージを頭にインストールしてください。

  1. サーバー = 「土地」または「建物」

    Web上のデータを置いておくためのスペースです。ここがないと何も始まりません。

  2. ドメイン = 「住所」

    その土地(サーバー)がインターネット上のどこにあるかを示す場所の名前です。「https://www.google.com/search?q=google.com」や「acthouse.jp」などがこれに当たります。

  3. Webサイト/アプリ = 「家」または「お店」

    サーバーという土地の上に建てられた、ユーザーが実際に訪れる建物です。HTMLやCSS、プログラムファイルという建材で作られています。

そして、ここに現代のWebサービスに不可欠な要素を加えます。

  1. データベース = 「高機能な倉庫」または「図書館」

    家の中にあり、膨大な商品情報や顧客名簿、過去の投稿データなどを整理整頓して保管しておく場所です。

あなたがブラウザ(ChromeやSafari)にURLを入力してEnterキーを押すという行為は、現実世界に例えれば、「住所(ドメイン)」を頼りに「土地(サーバー)」へ向かい、そこに建っている「お店(Webサイト)」に入店し、「店員(プログラム)」に商品を注文する行動と同じです。

サーバー:24時間365日、リクエストを待ち続ける献身的な給仕人

サーバー(Server)の語源は「Serve(仕える・提供する)」です。レストランのサーバー(給仕係)と同じく、客(ユーザーのブラウザ)からの「このページを見せて」という注文(リクエスト)を受け取り、「はい、どうぞ」と料理(データ)を提供するコンピュータのことを指します。

初心者が誤解しがちなのは、サーバーは何か特別な巨大な機械だと思っている点です。確かにデータセンターにあるサーバーは巨大ですが、機能としてはあなたの手元にあるPCと同じです。ただ、圧倒的に処理能力が高く、決して電源が落ちないように管理され、インターネットに常時接続されている点が異なります。

アクトハウスの「Logic Prompt(プログラミング)」の授業では、自分のPC内に仮想的なサーバー環境を構築し、そこでプログラムを動かす実験を行います。これにより、「自分の書いたコードが、サーバー内部でどのように解釈され、実行されているか」を体感します。

近年では、AWS(Amazon Web Services)やGCP(Google Cloud Platform)といった「クラウドサーバー」が主流です。物理的な機械を購入するのではなく、インターネット経由で必要なスペックのサーバーを必要な時間だけ借りる。この柔軟性こそが、スタートアップ企業が低コストで爆発的な成長(スケーリング)を実現できる理由です。

ドメインとDNS:インターネットの電話帳

サーバーには、本来「IPアドレス」という数字の羅列(例:192.0.2.1)が割り当てられています。これが本当の住所です。しかし、人間にとって「192.0.2.1にアクセスして」と覚えるのは困難です。そこで、「acthouse.jp」のような人間が理解しやすい文字列(ドメイン)を被せることで、アクセスを容易にしています。

ここで重要な役割を果たすのが「DNS(Domain Name System)」です。これは、ドメイン名とIPアドレスを紐付ける「電話帳」のようなシステムです。

ユーザーが「acthouse.jp」にアクセスしようとすると、ブラウザはまずDNSサーバーに問い合わせます。「acthouse.jpというドメインのIPアドレスを教えてください」。DNSサーバーは「それは192.0.2.1ですよ」と答えます。ブラウザはそのIPアドレスに向かって接続を開始します。この一連のやり取りは、0.1秒以下の世界で行われています。

ビジネス視点(Marketing/Strategy)で言えば、ドメインは「ブランド」そのものです。短く、覚えやすく、信頼できるドメイン(.comや.jpなど)を持つことは、ユーザーの安心感に直結します。無料のドメインでビジネスを始めることは、住所不定のテントで商売をするようなものであり、プロフェッショナルとしては避けるべき選択。

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データベース:動的なWebサービスの心臓部

昔のWebサイト(ホームページ)は、一度作った情報をそのまま表示するだけの「静的」なものが主流でした。新聞やチラシのようなものです。これにはデータベースは必須ではありません。

しかし、現代のWebサービス(SNS、ECサイト、予約システムなど)は「動的」です。

ユーザーAさんがログインすればAさんのマイページが表示され、BさんがログインすればBさんの情報が表示される。検索窓に「セブ島」と入れればセブ島の記事だけが並ぶ。

このように、アクセスする人やタイミングによって表示内容を変えるために必要なのが「データベース(DB)」です。

データベースは、ただデータを保存するだけではありません。「整理・検索・抽出」に特化しています。

Excelを想像してください。何十万行もあるデータの中から、「20代」「男性」「東京在住」という条件で瞬時にフィルタリングして表示する。これをWeb上で高速に行っているのがデータベース(MySQLやPostgreSQLなど)です。

プログラミングにおいて、最も挫折しやすいのがこのデータベース連携です。しかし、ここを制する者がWebを制します。ユーザーデータ、商品データ、決済データ。これら「資産」をどう設計し、どう守るか。アクトハウスのカリキュラムでは、単なるSQL文の書き方だけでなく、ビジネス要件に基づいた「データベース設計(モデリング)」の重要性を説きます。

もし、あなたが「プログラミングを勉強しているが、データベースのところでつまづいている」なら、それは独学の限界かもしれません。複雑なデータ構造を理解するには、体系的な指導と、実際に動くシステムを作る経験が必要です。[ >> アクトハウスの個別相談へ ] データの流れが見えれば、プログラミングは一気に面白くなります。

三位一体の連携プレー:リクエストからレスポンスまで

では、これら3つがどのように連携して動いているのか、ECサイトで「商品一覧ページ」を見る時の流れを整理しましょう。

①ユーザーがリンクをクリック(リクエスト発生)。

②DNSがドメインをIPアドレスに変換。

③ブラウザがそのIPアドレスの「サーバー」に接続。

④サーバー内のプログラム(PHPやRubyなど)が起動。「商品一覧を見たいんだな」と理解する。

⑤プログラムが「データベース」に命令。「在庫がある商品のリストを全部出してくれ」と頼む。

⑥データベースがデータを検索し、結果をプログラムに返す。

⑦プログラムが受け取ったデータを、HTMLという見やすい形に整形する。

⑧サーバーがそのHTMLをブラウザに送り返す(レスポンス)。

⑨ブラウザがHTMLを画面に描画し、あなたが商品一覧を目にする。

⑩このバケツリレーのような連携が、エラーなく、かつ一瞬で行われることで、Webサービスは成立しています。

エンジニアの仕事とは、このバケツリレーのどこかで詰まりが起きないように設計し、もし詰まったら即座に原因(サーバーが重いのか、DBの検索が遅いのか、プログラムのバグか)を特定して修正することです。

インフラ知識が「ビジネスの数字」を左右する

なぜ、コードを書く人だけでなく、ディレクターやマーケターもこの仕組みを知っておくべきなのでしょうか。それは、インフラの品質がビジネスの利益に直結するからです。

例えば、「サーバーの表示速度が1秒遅れると、Amazonの売上は16億ドル減少する」という有名なデータがあります。

データベースの設計が悪いと、ユーザーが増えた時に検索が遅くなり、離脱率が上がります。

ドメインの管理を怠ると、更新忘れでサイトが消滅し、積み上げたSEO評価がゼロになるリスクがあります。

「Logic Prompt」を学ぶということは、単に機能を実装することだけではありません。システムが置かれる環境(インフラ)を含めて、最適なパフォーマンスが出せるようにコントロールする能力を指します。

AWSのコストをどう抑えるか、アクセス集中にどう耐えるか。これらは経営判断そのものです。

ブラックボックスを開けろ

Webサービスを「魔法の箱」のままにしておいてはいけません。

箱の中で何が起きているのか。歯車と歯車がどう噛み合っているのか。その解像度を高めることが、AIに代替されない人材になるための第一歩です。

AIはコードを書いてくれますが、「どのサーバー構成がこのビジネスに最適か」というアーキテクチャの選定までは、まだ責任を持ってくれません。最終的な決定権と責任を持つのは、人間であるあなたです。

サーバー、ドメイン、データベース。

この3つの基礎知識は、Webという広大な海を航海するための羅針盤です。

羅針盤の読み方を知らずに、船を出すことはできません。

アクトハウスでの180日間は、表面的なコーディングスキルの習得では終わりません。

裏側で動いている巨大なシステムの脈動を感じ、それを自分の手で構築し、支配下に置く。

そんなエンジニアリングの本質的な喜びと、ビジネスへの応用力を、あなたに授けます。

仕組みを知れば、恐怖は消え、好奇心に変わります。

その好奇心が、あなたをプロフェッショナルへと導く最大の原動力となるのです。

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著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成に従事。

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