将来性あるプログラミング言語は? 流行に流されない「技術選定」の視点

「これからプログラミングを学ぶなら、どの言語が一番稼げますか?」

「Javaはもう古いですか? Python一択でしょうか?」

アクトハウスの個別相談において、これらは最も頻出する質問の一つです。しかし、敢えて厳しいことを言います。この質問をしている時点で、あなたのエンジニアとしての、あるいは起業家としての視座は「低い」と言わざるを得ません。

なぜなら、プログラミング言語は単なる「道具(ツール)」であり、目的ではないからです。「大工になりたいのですが、金槌とノコギリ、どちらが将来性がありますか?」と聞いているのと同じような違和感を、プロのエンジニアは感じ取ります。家を建てる(=サービスを作る)ためには、適材適所で両方使うのが当たり前だからです。

しかし、初学者が不安になる気持ちも理解できます。移り変わりの激しいIT業界において、せっかく覚えた技術が数年で「オワコン」になるリスクは避けたいはず。

重要なのは、特定の言語名(名詞)に飛びつくことではなく、なぜその技術が選ばれるのかという「技術選定のロジック(構造)」を理解することです。

本記事では、流行り廃りに流されない「本質的な技術選定の視点」と、AI時代におけるプログラミング言語の生存戦略について、アクトハウスの哲学に基づいて解説します。

将来性という「幻想」。ランキングサイトを見るな

毎年発表される「人気プログラミング言語ランキング」や「年収ランキング」。これらはメディアにとっては良いコンテンツですが、これからキャリアを築こうとするあなたにとっては「ノイズ」でしかありません。ランキング上位の言語を学べば安泰、という思考停止こそが、最もリスクの高い選択です。

その「1位」は、あなたの戦場にあるか

例えば、Pythonは現在、AIやデータサイエンスの隆盛により世界的に人気です。しかし、あなたが「Webサービスのフロントエンド(ユーザーが見る画面)」を作りたいと考えているなら、Pythonは主役になり得ません。ブラウザで動くのはJavaScript(およびその派生)だけだからです。

また、Go言語(Golang)は年収が高い傾向にありますが、それはGoを採用するような高トラフィックを裁くメガベンチャーやマイクロサービス企業の求人が中心であり、未経験者がいきなり参画できる案件は極めて少ないのが現実です。

「人気がある=仕事がある」でもなければ、「年収が高い=初心者でも稼げる」でもありません。自分の目指すキャリア(起業なのか、フリーランスなのか、Web制作なのか)という「戦場」が決まって初めて、選ぶべき「武器」が決まるのです。文脈を無視したランキング崇拝は、時間の浪費に直結します。

言語は「宗教」ではなく「資産」である

エンジニアの中には「Rubyは美しい、PHPは汚い」といった感情的な議論を好む人もいますが、ビジネス視点を持つ皆様はそこに参加してはいけません。言語は宗教ではなく、ビジネスを成立させるための資産です。

アクトハウスが重視するのは「Logic Prompt」。つまり、論理的に最適な解を導き出す力です。「開発スピードを優先するならRails」「堅牢性を求めるならJava」「リアルタイム通信が必要ならNode.js」といったように、要件に合わせて柔軟に言語をスイッチできる能力こそが、真の「将来性」です。一つの言語と心中するのではなく、複数の言語を俯瞰し、使い分けられる「ポリグロット(多言語)」な人材を目指すべき。

技術の寿命と「学習投資対効果(ROI)」

プログラミング言語やフレームワークには、人間と同じように「寿命」があります。誕生し、流行し、標準化し、そしてレガシーとなり衰退していく。このサイクルを見極め、どのタイミングで学習リソースを投下するかという「投資判断」が重要です。

枯れた技術(レガシー)の底堅さ

新しい技術(トレンド)は魅力的です。しかし、ビジネスの現場では「新しさ」よりも「安定性」が優先される場面が多々あります。

例えば、PHPは度々「オワコン」と揶揄されますが、世界のWebサイトの約7割(WordPress含む)はいまだにPHPで稼働しています。これは、PHPを扱えるだけで、世の中のWebサイトの過半数の改修案件に関われることを意味します。

起業家やフリーランスにとって、最新技術を追うことは重要ですが、同時に「食いっぱぐれない技術」を持っておくこともリスクヘッジになります。「最先端ではないが、巨大な需要がある」。この市場を見極める目を持つことが、サバイバル能力を高めます。

先行者利益か、ドミナント戦略か

逆に、登場したばかりの新しいフレームワークや言語(例えば最近のRustのWeb利用や、特定のAIライブラリなど)に一点張りするのはハイリスク・ハイリターンな戦略です。当たれば「その技術の第一人者」として高単価を得られますが、廃れれば学習時間は水泡に帰します。

アクトハウスのカリキュラムは、このバランスを計算し尽くしています。

Webの共通語である「JavaScript/TypeScript」や、サーバーサイドの巨人「PHP」といった、今後10年は揺るがないであろう「基盤技術」を徹底的に固めた上で、最新のAI技術やノーコードツールを上乗せする。

基礎(Science)という土台があって初めて、流行(Trend)を乗りこなせるのです。もしあなたが、目先の流行に惑わされず、10年先も通用する盤石な技術スタックを築きたいなら、我々のカリキュラムがその最適解となるでしょう。

さて、次はAI時代特有の「選定基準」について深掘りします。

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AI時代に「選ばれる」言語の条件

ChatGPTやClaudeなどのLLM(大規模言語モデル)の登場により、プログラミング言語の価値基準に新たな軸が加わりました。それは「AIとの親和性」です。これからの時代、AIにコードを書かせる、あるいはAIをシステムに組み込むことが前提となります。

AIが「学習」している言語を選べ

LLMは、インターネット上に公開されている膨大なコードを学習して成長しています。つまり、「ネット上に情報量(コード資産)が多い言語」ほど、AIは正確なコードを出力できるということです。

PythonやJavaScriptは、GitHub上にあるコード量が圧倒的であるため、ChatGPTに指示を出した時の回答精度が極めて高い。対して、マイナーな言語や独自の構文を持つツールは、AIが幻覚(ハルシネーション)を起こしやすく、AIによる開発支援の恩恵を十分に受けられません。

「AIという最強の部下」を使いこなすためには、部下が熟知している言語を選ぶ。これもまた、AIネイティブな起業家が持つべき戦略的視点です。

ライブラリという「巨人の肩」

また、AI開発においてPythonが覇権を握っている理由は、文法が簡単だからだけではありません。TensorFlowやPyTorchといった、機械学習やディープラーニングのためのライブラリ(部品群)が充実しているからです。

これからの開発は、ゼロからロジックを書くのではなく、既存の優秀なライブラリをどう組み合わせるか、という「統率力」が問われます。豊富なエコシステムを持つ言語を選ぶことは、それだけで開発工数を半分以下に圧縮する可能性を秘めています。

言語選びで迷うな。「作りたいもの」が先だ

ここまで技術的な視点を述べてきましたが、最終的な結論はシンプルです。「何を作りたいか」が決まれば、言語は自動的に決まります。

目的逆算の思考法

■「Webサービスで起業したい」
素早いプロトタイプ作成と人材確保の容易さから、フロントエンドはReact/Next.js (JavaScript/TypeScript)、バックエンドはNode.jsか、開発速度重視でRuby on Rails、あるいはLaravel (PHP) が有力候補になります。

■「データ分析やAIツールを開発したい」
Python一択です。豊富なライブラリとAIとの親和性が、他言語を圧倒しています。

■「企業の業務システムを受託したい」
堅牢性と保守性が求められるため、JavaやC#が選ばれることが多いですが、近年はGoやTypeScriptの採用も増えています。

 

このように、目的(ゴール)を明確にすれば、手段(言語)は必然的に絞り込まれます。「どの言語が良いか」と悩むのは、ゴールが決まっていない証拠です。アクトハウスが、入学前に徹底したカウンセリングを行い、カリキュラム内で「ビジネスプランニング」を行うのは、この「目的意識」を確立させるためです。目的のない技術習得は、地図を持たずに航海に出るようなものです。

アクトハウスがJavaScriptとPHPを教える理由

その上で、なぜアクトハウスは数ある言語の中で、JavaScriptとPHP(WordPress含む)も据えているのか。それには明確な「ビジネス戦略」があります。

■フリーランス・起業の初速:
Web制作や中小規模のシステム開発案件において、PHPとJavaScriptの需要は依然として最大規模です。特にWordPress案件は、独立初期の「現金(キャッシュ)」を作るための最強の武器になります。

■Webの支配者:
JavaScriptは、ブラウザで動く唯一の言語です。Webサービスを作る以上、これを避けて通ることは不可能です。

■汎用性と拡張性:
JavaScript (Node.js) を学べばサーバーサイドも書けますし、React Nativeを使えばスマホアプリも作れます。一つの言語で守備範囲を最大化できる、極めてROI(投資対効果)の高い言語だからです。

我々は、単なる技術オタクを育てたいわけではありません。「稼げるエンジニア」「事業を作れる起業家」を育てたい。だからこそ、市場需要と学習効率のバランスが最も優れた技術セットを選定しています。

結論。「習得」ではなく「適応」を目指せ

最後に伝えたいのは、特定の言語をマスターすることに固執してはいけないということです。技術トレンドは5年で変わります。今学んでいる言語が、10年後には全く使われていない可能性も十分にあります。

一生食えるエンジニアの正体

真に将来性のあるエンジニアとは、Javaを極めた人でも、Pythonの達人でもありません。「新しい技術が登場した時に、短期間でキャッチアップし、適応できる人」です。

プログラミングの根底にある「Logic(論理構造)」、データをどう扱い、どう処理するかというアルゴリズムの基礎、そしてコンピュータサイエンスの原理原則。これらを深く理解していれば、言語の文法が変わろうとも、本質は同じであることに気づきます。英語をマスターした人が、ドイツ語やフランス語を習得しやすいのと同じ理屈です。

アクトハウスの180日間は、特定の言語の暗記に費やす時間ではありません。

プログラミングという「思考の型」を脳に刻み込み、ビジネス(Marketing)、デザイン(Art)、英語(Dialogue)と掛け合わせることで、どんな環境変化にも耐えうる「強靭な個」を作り上げる期間です。

どの言語を学ぶべきか、まだ迷っていますか?

それとも、言語という枠を超えて、市場価値の高い人材になるためのロードマップを描きたいですか?

もし後者であれば、アクトハウスはあなたのための場所です。セブ島での半年間が、技術選定の悩みなど些細なことだと思えるほどの、圧倒的な視座の高さを提供します。

[ >> アクトハウスにLINEで質問する]

著者:清宮 雄(アクトハウス代表) 起業家・ブランドアーキテクト。2014年にセブ島でIT留学の草分けアクトハウスを設立。「ビジネス×テック」をテーマに、時代に左右されない強靭な個の育成に従事。

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