計画には意味がない? 偶然を味方にする「計画的偶発性理論」とは?

「計画」がつまらない理由

事業計画にキャリアプラン、経営計画に年間スケジュールなどなど、世の中は「計画」にあふれている

人間の気質なのか、あるいは日本人の特性か、先々までのスケジュールを綿密に決めると「あとはこの通りにやるだけだ」「これでOK」とミッションの第一段階をこなしたような安堵感に包まれる。まだ始まってさえもいないのに。

振り返ると、私たちは小学生時代には「夏休みの計画」を作らされることがあったり、就職した会社でさえも「目標管理シート」なる類のものを書かされることがある。

この「書かされる・作らされる」という「される」の行為がすでに、掲げた目標を「重い宿題」に硬化させてしまい、魅力を半減させてしまう。

自分で書いた目標だからこそブーメランとなるのがわかっているゆえ、やがてその扉を開けることさえしなくなる。

しかし不思議なことに、反対に人は「無計画」にはスリルや好奇心を抱き、前向きになる傾向さえある。なぜだろう?

「無計画」がワクワクする理由

計画とは反対に、なぜ適当の極みにも見える「無計画」に人はある種のリラックスや興味を抱くのか?

YouTubeや映画、テレビ番組において「突然自宅を訪問/ドキュメンタリー/ノンフィクション」あるいは「ドッキリ企画」なるジャンルが支持を得ているのは、そこにある不確実性に人が惹かれるからだ。「筋書きのないドラマ」なるキャッチコピーをたびたび目にする理由はそこにある。

結果が決まってないもの、実際には多少演出が入っているとはいえヤラセ的ではないもの、という映像や書籍は人気が高い。しかしシナリオが存在しないだけに、オチや展開にメリハリが効かないリスクは多分にある。

「無計画」「偶発性」は想定外の爆発力を兼ね備えているため、このコンテンツが消滅することはない。

むしろ今後、リアルを求める世代から需要がさらに高まる可能性さえある。

「無計画」は人生のさまざまな場面に

無計画の傾向は近年の「旅行」にも見られる。予定がギチギチに詰まったツアーよりも「一人旅」や「往復の航空券のみで滞在スケジュールはノープラン」を選択する人が増えてきたのは不確実性にある「あそび」を期待してのこと。最近ではピーチ航空の『行き先がわからない旅ガチャ』も話題になった。「ガチガチに作り込んだ計画」「ツアー業者の思惑が見え隠れする旅行」に人はワクワクを覚えなくなってきている。

これは恋愛でも同じ。無計画に心が躍る、次に何が起こるんだろうとドキドキすることで、新しい発想やポジティブな思考が芽生えてくる。まさか好きになった人のデータを徹底的にかき集め、さらに年間のデートの日程や食事の回数など全て決めてから付き合う人などいない。これは人生の一大決断「結婚」さえも同様のことが言える。「先がわからない/未来を一緒に手探りで進んでいく」からワクワクするのである。たとえその先の未来で離婚するリスクがあっても、希望を優先することに賭けてみる。結果がどうであれその瞬間はとても冒険的であり、ポジティブだ。

それなのに人は、ビジネスや就職活動になったとたん「計画」がないと不安で仕方なくなり、ワクワクを葬り、急にしかめっ面で先々の予定、時に数年越しの計画を立てようとし、そして立てられず、恐怖におびえる。

ここの打開策はあるのだろうか?

計画的偶発性理論

ひとつの打開策をここで紹介しよう。

スティーブ・ジョブズのスピーチでも有名なカリフォルニア州・スタンフォード大学の「ジョン・D・クランボルツ教授」らが提唱した「計画的偶発性理論」という概念がある。要約するとその内容はこうだ。

 

✔キャリアの8割は偶発的なことによって決定される
✔その偶然を計画的に変換・発展させる
偶発性を活用し自分のキャリアを向上させる

 

しかしここで忘れてはならないのが「完全なる無計画がいい」とは一言も語られてないこと。これまでの流れなかで一瞬でも「偶然なのね、じゃあ何も考えないでオッケーなのね」「流れに身を任せるならラクチンでいいや」と、自信を持って甘えそうになった人は要注意だ。

あくまで計画的偶発性理論は、以下の「5つの行動特性」を持っている人物に”訪れる”という結論になっている。

 

好奇心(Curiosity)
持続性(Persistence)
柔軟性(Flexibility)
楽観性(Optimism)
冒険心(Risk Taking)

 

これらに共通するのは「行動力」。書いてしまえばなんとも曖昧な言語になるものの、つまり「目標を定めて動き続けろ」ということ。

「目標」を定めないことには、偶発も何も起こったもんじゃないということを示している。

では、偶発を引き寄せるには何が必要なのだろう?

偶発を引き寄せる「2つの行動」

 

偶発を引き寄せるのに必要なこと。

それは「審美眼」「封印」。この2つがキーポイントになる。

 

▶「審美眼」とは?

審美眼(しんびがん)とは「美しいものを的確に見極める力」のこと。これは「デザイン思考」に通じる考え方で「これは果たして正しいのか?美しいのか」を自己に問い、それを改善や決断に反映する「眼きき・センス・勘」のことを言う。

つまり人生の過程、キャリアの途上において巻き起こる数々の事象を「これは自分にとって美しいのか、正しいのか」と判断できる力を持っておかなければならない。もちろん誰でも失敗や見誤りはあるゆえ、判断ミスや大失敗さえも織り込んでおく。

しかしここで「目標」だけはきちんと定まっていれば、軌道修正という審美に基づいた「行動」へとつなげることができる。前項での「行動力」はここにつながってくる。

一時メディアを騒がした「闇営業」なるものも、個々の芸人は金とネガティブな偶発性に流されず「審美眼」を持っていれば「この行動は自分のキャリアにとって美しいか・そうでないか」を判断でき、自身の人生に大きな傷を作らずに済んだと言える事案だ。

 

▶「封印」とは?

そして2つ目の「封印」。これは「逃走言語・逃避思考」を永遠に闇へ葬ること。「行動」を妨げる、体で不定期に増殖するこれらの言語と思考を捨てることである。ここで「やらない人・3大セリフ」の例を挙げてみよう。

「やろうと思っている」
「少し様子を見てから」
「もうちょっと考えてから」

これらはすべて「行動しない」につながる言語。YES・NOの結論を出さず、現状の自分を1ミリも動かさずに、それらしい返答をしているだけ。考えてるように見せて全てを放棄している。「計画的偶発性理論」を呼び寄せるどころか、水と油、最も遠いところにある思考だ。

身に覚えがある人、口グセになっている人、心のなかで口グセになっている人は今日中に封印しよう。

そして同時に、気をつけなければならないことがある。それは何か?

計画が「悪」なのではない

「計画的偶発性理論」を展開していくための2つのキーポイント「審美眼・封印」から生まれるのが、真の行動力。

しかしここで気をつけておきたいのは「計画=悪ではない」ということ。

「計画的偶発性理論」は怠け者には一切作用しない。「目標」を決め「行動」を決めるということは、それは傍から見れば「計画している人」となっている。このパラドックスは重要だ。

ビジネスで言えば資金調達や融資を受ける際に口頭でペラペラ話すだけでは、話はまとまらない。第三者・第四者にもムラのない情報を提供するために「事業計画」なるものが存在する。

計画をプレゼンすること、はビジネスでは頻繁に登場する。そこでの計画は悪どころか「必要最低限」のツールに転じてくる。計画をバカにし、全否定し、軽率に扱うと「何も考えてないヤツ」という思わぬしっぺ返しを喰らう。

では最後に、必要なことをまとめておこう。

偶発を変換・発展させる

目標に挑むには行動が必要で、その行動を起こすには「ざっくり計画は持っておく」こと。これはビジネスでもキャリプランでも同様だ。緻密であったり、保険を効かせまくったり、リスクヘッジや将来の不安など織り込む必要はない。100点満点を狙うクセをやめ、あくまでざっくりの方向性にとどめよう。

ことキャリアプランにおいて重要なのは計画中毒にならず、ビクビクせず「計画などは当てにならない、人生何が起こるかわからない」と自分を常にフラットにしておくこと。

そしていざ行動に出た際は「審美眼」と「封印」を駆使してキャリアを強引に前へ推し進める。トラブルにも「この偶発は何につながるのか?」という面の皮の厚さを持っておこう。偶発を計画に変換し発展させ、次の冒険に迷わず出かけるのだ。

行動力を軸にアクションを続け「行ってみる・会ってみる・聞いてみる」。

情報は体験ではない。パソコンとスマホを置いて世界に直接、触れにいこう。

そこで起こる「偶発」の重なりが、あなたのキャリアを予想もつかない未来へと導いてくれる。

偶発性に挑むIT留学

これまでお話してきた「計画的偶発性理論」。

これをカリキュラム化しているのが、セブ島のIT留学アクトハウス。

前半3ヶ月は計画的に勉強をすすめひたすらインプット。後半3ヶ月は自由に解き放たれ、それぞれが起業準備やWEB案件にトライ、自身のメディアの立ち上げや海外でのイベント開催など偶発性を探るアウトプットに挑む。

計画と偶発のなかで自身の今後のキャリアを方向づける。結果、卒業生は初心者からのエンジニア独立や海外就職、起業、国内IT大手へのキャリアチェンジなど続々と新しいステージへとシフトしている。ひたすら打ち込む「プログラミング/英語/デザイン/ビジネス」を学ぶハードな半年間。もっと詳しくは下記のリンクからどうぞ。

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著者:清宮 雄
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