あなたは「すぐ決められる人」ですか?

「早く決めてしまうのがいい」

こんな考え方があります。

「スピードは命。即断即決」という美徳は、ネット上でも散見されます。

「優柔不断」という言葉は、ネガティブな表現で使われています。

しかし、即決を信条にしていても、無理がかかる場面はどうしてもやってくるー。

ビジネスにおいても同様です。

自分だけの裁量の範囲であれば、早く決めてしまっても後で修正は効くかもしれません。

しかし、即断即決のクセが効きすぎて、無意味にせっかちとなり「ノープランで決めちゃった」となっては、それは「無責任」という領域に入ってきます。自分で尻拭いをしない場合の決断であれば、なおさらです。

「海外旅行のチケットを取ってしまう!」という、リスクがキャンセル料金レベルの話とはちがう次元の場合、即断即決だけでは厳しい場合もあるでしょう。

で、即断即決はどんなとき?

筆者のケースで言えば、メールやFBメッセンジャー、LINEやslackなどの返信はビジネスに関わるものでも即断即決で対応していきます。

と、書くとなんだかすごそうですが、それは「過去のなんとなくの経験」から返答できるようになった、という積み重ねが効いています。

体験してきた色々な場面から「怖さ」がなかったり、取り返しのつきそうなことなら「度胸」がついたり。

そういった「決断のバックボーン」があること、「修正の効く決断であるか」の見定めができるからこそ即決できていると感じています。勢いだけで返事をしてはいない、ということです。

また即決するのは「保留やスルーすることで、相手の時間を奪いたくない」という人間関係上の事情があります。

即断即決は「宿題」を自分に残さずいいし、リマインダーに何か書き込むこともなく、結果的に気持ちもラクだし、いいことずくめなのです。

じゃ、熟慮断行は?

感覚的な表現になってしまいますが「いま調子にのってるな」そう思うときや「こんなうまいことが続くはずがない」なんて直感が働いた場面。

そういったときは、いったん足を止め「即断即決フェチになってないか」を考えます。そういうシーンはたいがい「過去に前例がない」ときで、それでも自分のなかのデータを集積し「比較的早く」決断します。これは「なるべく短時間の熟考」と言うこともできます。

こう見ると、即断即決と熟慮断行は、どっち派かに分けなければいけないほどの断絶は必要ないのではないか、と仮説を立てることもできると思います。

なんでも打率10割じゃない

早くスパッと決めておいて、実際に撤回することもあります。

「うわー馬鹿な決断した…すいません!」

謝って取り消すこともある。なんでも10割の打率ではないのは、もう諦めるしかありません

でも。

慎重に決めても打率が10割になる保証はないのです。

すごいざっくり言ってしまえば「即断即決も熟慮断行も、勝率はたいして変わらないんじゃないか」と思えます。

実際に、世の中の「即断即決vs熟慮断行の勝率」は、いかほどなんでしょうか。

〜即決の格言〜

しかし即断即決に関しては、結構いろいろな大物が言葉を残しています。

ちょっと見てみましょう。

 

必要な条件をすべて与えられながら、即座に決断を下すことのできない人は、いかなる決断も下すことはできない。
アンドリュー・カーネギー(米国の実業家。大富豪)

決裁のためには日ごろから頭の中にレーダーを置いておくことです。レーダーを回しておくと、海の中であれば他船や岩礁とか何か障害物を感知してピカッと光るように、いまこういう問題があるなと頭の中にぱっと浮かぶわけです。
生田正治(「商船三井」社長・会長)

60%即決主義を地でいくには、このビジネスは成功するという信念を強く持っている必要があります。その確信を得るためには、とりもなおさず、時代潮流の本質をしっかりつかまえておく必要があります。
前田新造(資生堂社長)

即断即決というと決断の速さばかりに目が行きがちですが、いかに早く最適な判断ができるかは事前にどれだけ時間をかけて、情報の収集や分析などの準備ができているかにかかっています。
苅谷道郎(ニコン社長)

 

ここまで読むと「即断即決・熟慮断行」は表裏一体、ミックスされているようにも見えてきます。

即断即決とは、あくまで「それまでのいろいろな思考・経験」が元になり「勘」というアウトプットになっているんだという考え方。

それは表裏一体

結論ですが「ビジネスは熟慮断行し続けるという長い時間軸のなかに、即断即決がいくつも点在する」という見方ができると思います。

マラソンで言えば、42.195キロを走るなかで「どこで休むか」「どこで相手を抜くか」などを即断即決していくけれど、実行に移すなかで「やっぱりやめよう」「もうちょっと先でスパートをかけよう」など、修正に次ぐ修正が、即断即決のなかで繰り返されます。ただしその姿は、第三者からみれば42.195キロを常に熟慮断行しながら、慎重に走っているように見えるでしょう。

「着眼大局、着手小局」という言葉があります。

着眼大局とは「全体を大きく見て、戦略を練ること」。すなわち熟慮に近い考え方。

着手小局とは「小さな戦術を積み重ね、ゴールへ到達すること」。こちらは即決性を求められるスピード感。

マクロ(大きな)視点とミクロ(小さな)視点の双方を持っておくこと。

即断即決とは熟慮断行のアウトプット。

熟慮断行とは即断即決の積み重ね。

どちらがいいということでなく、この2つは相互関係にあること。

即決できるようになるには、日頃から誰よりも熟慮しておくことが必要です。

 

▶︎著者:清宮 雄
フィリピン・セブ島在住。起業家・ビジネスパーソンを育成するIT留学「アクトハウス」代表。メンターとして現場でも奮闘中。アクトハウスの体験談はこちら >>>

  目次   
このエントリーをはてなブックマークに追加
起業・フリーランス・キャリアチェンジ 新期生限定募集
体験談:在校生&卒業生
20代のスタートアップ セブ島で起業する
起業・フリーランス・キャリアチェンジ 新期生限定募集
体験談:在校生&卒業生
20代のスタートアップ セブ島で起業する