起業家は「自由じゃないけど自由」の理由。

世界の起業家

なんだか一見はなばなしい、起業家をとりまく国内外の話題。

資金調達にイノベーション、AIにIoT、株式公開やクラウドファンディング。キラキラで豪快、彼らは自分の望む自由を手にし、小さな悩みとは無縁の人生を歩んでいるようにも見えます。

しかし起業で得られる自由とは、本当にそんな映画のようなものなのでしょうか。

映画のような人生

起業家、事業家と呼ばれる人たちの実態は、実は「朝は早く・夜は遅い人」もたくさんいます。むしろ自由時間はなく、独立前より働いていることの方が多いようです。

また一方でなぜか、みなどこか楽しそうです。なにか見えない「自由というオーラ」に包まれているようにも。

ずっと働いてるのに「自由に見える」ってどういうこと…?

今回はビジネススキルやマーケティングのことではなく、起業家の「心」にフォーカスをしていきたいと思います。

起業家のイメージ

例えば、大富豪。

ビジネスで儲けて、使い切れないほどのお金を手にしてセレブのような生活。口座のお金はいつまでたっても減らず、少なくとも生きている間はまったく問題ない。そういったお金持ちも世界には数多くいると思いますが、起業家の生き様というのは、それには当てはまるかというと少しちがうようです。

もちろん、M&A(Mergers and Acquisitions:事業売却)で大儲けというストーリーも痛快ですが、それでも起業家はまた新しいビジネスにチャレンジしたりします。お金だけを追っているようには見えません。

夢を追っている? いや、そこまで浮世離れをしているようでもなく「今を生きている」という方が近いでしょうか。

「いまは仕方なくこの仕事をやっている」といった姿勢である人は皆無である、と言えるでしょう。その仕事に全身全霊で臨み、ひらめきも悔しさも、人生まるごとで味わっている。

世に生きる起業家が放つ、そんな「自由」さとはいったい何なのでしょうか。

起業家の自由とは?

自由の定義。

まずそれを2つに分けてみます。

 

▶︎パターンA
働かないでいい。お金に困らない生活。もちろん会社も行かない。一生南国でゆったり。

▶︎︎パターンB
生きがいを見つけ、それと共に生きる。誰にも縛られない。

 

一般的に自由のイメージは「パターンA」かもしれません。

しかし世の起業家たちの放つ自由は「パターンB」であるように思います。

起業家マインド

自らビジネスを切り拓いている人たちのサイトやブログ、SNSを見ていても、自分のビジネスについて常に改善と発展を重ねていたり、いつもどこかの国にいたり、何かをリリースしていたり、かと思えばイベントや勉強会にも出席していたり、人によってはその隙間で育児にも精を出すなど、多忙を極めている。

多忙ではあるけれど、その全ては「自分の裁量」で決めていることが多いようにも見られます。

自分の裁量すなわち「やりたいこと」をやっている。

人から見て「いつ休んでるのか」「勤め人をやってた方が良かったんじゃない」と見えることもあるかもしれません。そして実際にサラリーマン時代の方が土日も休めてボーナスも出ていた、なんていう起業家の方は多いと思われます。

しかし彼らは「自由」という自覚を強く持っています。

その自由とは何か。

それは「勉強も冒険も、痛恨も喜びも、全部自分で開拓する自由」

まさか、朝起きる時間が自由、土日だけでなく月曜も休める、いつでも飲みにいける、海外旅行も好きなときに、なんていうレベルにはない「精神の自由」です。

起業家の横顔

起業してビジネスを起こすと、四六時中そのことが頭から離れず、プライベートと仕事をわざわざ分けない人もいます。趣味と仕事が直結してるパターンがそれです。はたからみれば「休みなし」でも本人は「アレをやってみよう、コレをやったらどうなるだろう」という冒険を続けています。

逆に言うとそれは、誰かに「アレをやっといて、コレをやっといて」と言われないで生きる人生を手にしているとも言えます。

事業を運営する楽しさ

ところで起業家は「ひとりブラック企業」とも言えます。それは、終わることなき困難の連続。

ビジネスの立ち上げは24時間365日フル稼働、見返りがあるとしたら「自分に裁量がある」ということ。

それが2人になるとブラックが少し薄まって、グレー企業になります。その分ちょっとだけ仕事が楽になりますが、まだまだ人出は足りません。

3人になると、薄いグレーになってきます。

そうして人数が増えてくると、仕事と時間がシェアされ、過重労働も少なくなり、お互い無理せず、ホワイト企業のステイタスに。

さらに人が増えて巨大になってくると…今度は何もしないで給料をもらおうとする透明人間が増えてきて、透明企業になってしまいます。

大企業のビル

つまり、起業したては仕事も本当に大変なのですが、こころの自由は無限大です。人が必要以上に増えてくると、気づかいや人間関係の調整も発生し、その自由を保つのが難しくなってきます。しかし人は助けあって生きています。結束する以上、自分のことだけを考えてはいけません。

ビジネスが好転し、仲間が増えてきて、組織らしい組織のスケールになっていくとき。

それまで謳歌できていたシンプルな自由とはサヨナラかもしれません。それは経営者として、次のステージに来たということ。会社が大人になるタイミングとは、経営陣が大人になるタイミングでもあります。

しかし仲間と共に一喜一憂する臨場感と一体感に出逢うことができ、孤独な単身起業時代には得ることができなかった幸せを体験することができます。

起業家の自由

起業して自由を得たい。そう考える人は多いものです。

その自由の解釈がどうあれ、ピュアな思いは起業時に最も大切なもののひとつ。しかし起業後の自由とは、遊び呆けていい自由ではなく、いつまでも寝てていい自由なんてわけでもなく「自分で人生を切り拓く自由」なのです。

しかしその一見大変そうな自由は、一度体験するとやめられないものであることも確かです。

1秒1秒を、自分のために使えるからです。

起業家のマインドとは

起業という決断。

事業を運営していくという冒険。

そこから得られるのは天国でもあり地獄でもあり、日々手応えのない一進一退のシャドウボクシングでもある、さまざまな体験の連続です。

雲の隙間から晴間が見えたと思うと、すぐに暗雲が立ち込める。そんな時はレインコートを着て、長靴を履き、豪雨の中へ入っていくのが起業家です。

土砂降りのなか、雨風を防ぐための屋根の補繕を行わなければなりません。「とりあえず様子を見よう」などと無策でじっとしていては、不測の事態に対応することができず朽ち果てていくだけだからです。自社を支えてくださる顧客を、信じてくれている会社のスタッフを、路頭に迷わせてはいけません。

そんな極限の緊張が、限界を超える体験の連続が、後ろ盾なき前進の連続が、いつしか人生のステージを上げてくれます。自分を成長させるのは、他でもない自分自身なのです。

起業して事業を運営するということ、それは終点のない旅にも似ています。

自由に飛ぶ気球

失敗にやり直し、別れや裏切り。挫折と苦悩、叱責と葛藤。つらいことがほとんどの割合を占める、でも「成し遂げたいこと」だけを胸に進んでいく。トラブルも珍事も矛盾も涙も笑いも、てんこ盛りの旅。もちろん行き先は、誰も教えてくれない。

その旅を丸ごと楽しめる人が、起業家と言われる人なのかもしれません。
 

▶︎著者:清宮 雄
フィリピン・セブ島在住。国際的な起業家・ビジネスパーソンを育成するIT留学「アクトハウス」代表。アクトハウスの体験談はこちら >>>

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