ビジネスは「いかに途方に暮れないか」にかかっている。

起業で気をつけたいこと

最初は盛り上がる。しかし…

さあ、ビジネスを始めよう。

仲間と一緒にサービスを考えよう。

事業を開始する際の、ブレインストーミングする高潮感。真っ白なホワイトボードが、いろんな曲線で埋め尽くされていく臨場感。議論が議論を呼び、付箋が貼り付けられ、だんだんと輪郭をともなってくるライブ感。

アイディアが固まり、チームはみるみる結束し、サイトも出来上がった。

ここまでは、いい。

そしてたいがい数日後、それぞれが途方に暮れるー。

スタートアップの注意点

それは最初の経営判断

事業を開始することは「果てしない旅の始まり」でもあります。ゴールはなく、誰かが設定してくれるわけでもありません。そうは分かっていても、サービスを走らせた瞬間、その直前まであり得なかった「悪寒」が背中に走るのです。

「これじゃない(かも)」

昨日までの楽しさ、弾んでいた仲間との会話や、あれだけ輝いていたサイトがみるみる光を失っていくように見えてきます。目の前に積み上げられていくタスクの量に閉口することもあるでしょう。シンプルイズベストであった仕事のはずが「会社の残業」「学校の宿題」のように感じてくるー。

いきなり途方に暮れたとき、どうするか。

これはいったい、何なのか。

最初の経営判断は、想像以上に早く、想像以上にリアルにやってきます。

起業家の心得

部屋のなかに象がいる

ビジネスはスピード、と言われます。反対に言えば、慎重に進めることが成功の秘訣ではありません。かといって、何でもかんでもエイヤと進めて良いはずもなく、これがビジネスの難しいところです。

「部屋のなかに象がいるのに、誰もそのことに触れない」

これは、知人や友人と起業した際に出てくる、お約束の問題。

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誰も目の前の大きな課題、今回の場合であれば「実は途方に暮れている」ことに触れようとしません。言ってはいけない空気もあるし、面倒くさいから口には出さない。「忙しい」ということにして、時間に任せます。

しかしやがてそれは、歪曲したかたちで顕在化してきます。そう、影口や不満というかたちとして。中途半端に仲が良い場合、組織内の問題はひたすら先送りになっていくー。

そうならないために、まずは「サービスを立ち上げた直後、途方に暮れてしまった理由」を整理しましょう。

 
●集客の反応がゼロで気力が失せてくる
●有料広告を打ち続ける資金もない
●よく考えたら競合に勝てない気がする
●やることが多すぎて情熱が保てなそう
●義務が発生した瞬間にテンション落ちた
●やっぱり固定給じゃないなんてあり得ない
●自分がこれをやらなくても誰も困らない
 

まるで、意中の恋人と付き合い始めた瞬間に百年の恋が冷めていくように、事業開始後に突如パッションが保てなくなる現象。一度冷えた心の着火は、なかなか難しいものです。

では、途方に暮れてしまった際にはどうすればいいのでしょうか?

起業・ビジネスの打開策

ビジネス起業時「7つの打開策」

その打開策を「7つの項目」で挙げてみます。

●1. ごく小さな目標に切り替える︎
大きな夢を一時封印し、できることから。

●2. 自我を捨てる
こだわり・プライドを捨てる。

●3. 仲間の仕事に口を出す
「言える仲」に戻る。

●4. 現場に行く
Webサーチだけで分かった気にならない。

●5. 現在地を変える
これまでと真逆のやり方を採用する。

●6. 競合会社のファンになる
何が魅力か認め否定しない。

●7. 以上を、1日でやる
修復に時間をかけない。

 
プロジェクト開始直後の大きな夢から現実に戻って来る際に、人によって「現実に戻るスピード」はさまざま。やや前向きな人もいれば、だいぶネガティブな人もいます。この個人差が、仲間割れの原因になることを知っておきましょう。

「アイツ最近やる気ねえな」「あの人最近変わったよね」となるのは、お互いの現実への戻り方に速度差・温度差が生じている故。

起業家の留意点

現実へ戻る気持ちをそろえる

先述の7項目に共通すること。

それは「現実へ戻る気持ちをそろえるため」の行動であること、です。

誰だって大きな夢は共有し合えるし、楽しいことは分かち合えます。問題はその先なのです。ビジネスを誰かと遂行するというのは「苦しい時間を共に過ごす時間の方が多いこと」を事前に理解しておく必要があります。

現実に戻る際のデリケートな気持ちの速度。ここで温度差を出さずに「上手に現実に帰る」こと。これがスタートアップのチームに再ブーストをかける秘訣。

事業を始めるにあたって

ハイテンションから上手に平静へ

前に進むだけがビジネスではありません。

時に戻り、またちょっと進む。

右往左往しながら、右往左往に対処していく。

まるでワルツを踊るかのように、しかし複雑なステップでフロアを縦横無尽にダンスする。慣れてくれば、その困難も楽しめるようになる。ただしひとつだけ条件があります。床に埋め込まれた地雷を決して踏んではいけません。間違った判断は、プロジェクトの消滅のみならず会社の倒産へと結びつきます。

スタートアップは「いかに途方に暮れないか」にかかっています。

それでも途方に暮れそうな局面は、どうしてもやってくる。

そのときは、はいはいきましたねと「上手に途方に暮れる」ことを意識してみましょう。

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著者:清宮 雄
フィリピン在住の事業家。起業家・海外フリーランスを輩出するIT留学「アクトハウス」代表。アクトハウスについてはこちら。

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