【やっぱりか】学生が起業前にいったんすべきこと。それは「就職」だったりする。

あなたがいま学生で、将来、

「起業」
「社長」
「フリーランス」

を目指すなら。

有無を言わさず、一瞬でも「就職」してしまおう。

会社ではいろいろなことをやっておけるからだ。

たとえば「プレゼンテーション」。
あなたは本当のこれを知っているだろうか?

たとえば「究極の提案書」。
これが何だかわかるだろうか?

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「いや〜サラリーマンとか、なりたくないっしょ」

学生のなかでよく聞かれる言葉だ。

しかし、世の中を支えているのは「会社に務めるサラリーマン」であることを覚えておこう。

サラリーマンたちの考え方やマナー、常識や非常識、生態系を知っておかないと、当然、起業しても失敗する。多くの場合、独立後の客やパートナーは彼らになるからだ。そして当然、最大の敵になるのも同じくである。

彼らは想像以上に優秀で、ズルく、賢い。

学校を出たばかりの子供が勝負を挑むには、やはり「サラリーマンとは何者であるか」を知っておくに越したことはない。それをリアルに実感できるのが就職という「一時的な手段」である。

Contemporary business

【例えば、プレゼンひとつでも】

商品やサービスを売る場合「プレゼンテーション」をする必要がある。それはお客の会社へ乗り込んで行くこともあるし、ネット上ではランディングページというかたちで商品の魅力を延々と語ることもあるだろう。

しかし忘れがちなことがある。

例えば客先でプレゼンをする場合。アップルのスティーブ・ジョブズのように、満員の観衆に「今か今か」と待ちわびてもらい、そこであっと驚く新製品と共に登場するスターCEOのようなお膳立ては、もちろんない。

むしろプレゼンとは「完全にアウェイ」な状況だ。

それは、自社の製品を他社に売るための行為、自社のサービスを導入してもらうための長ったらしい説明の場である。

つまり、プレゼンを聞く側にとっては、

「あ〜ダルいな」
「別に興味ないよ」
「っていうかお値段いくらよ」

というモードになっている。プレゼン途中に資料を1人で読み進み、全部読み終えて「はいつまんね」と、貧乏揺すりを始める人も出てくる。

もちろん話す側は、こんなことで折れてはいけない。

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こういった状況を「一気に大逆転させる」大仕事がプレゼンである。マイナス50や100の劣勢から、やっとこさプラマイ0地点に持っていき、最後はプラス1000のポジティブなムードへとビルドアップしていく。そして最後に、

「いいねえ」
「よし、買おう」
「御社に決めよう」

と着地させるのがミッションだ。

これを知っておかないと、プレゼンの極意を身につけようと小手先の書籍を拾い読みし、分かった気になってしまう。よくある「ポイントは3つで」「キャッチコピーは簡潔に」「話は子供にもわかるように」という二次的な知識にだけ踊らされる。そういった細かい技よりも「圧倒的アウェイの場」をどうなぎ倒し制するか「食うか食われるかの1回限りの勝負」であることを軸に考えよう。

こういった数々の修羅場をアシスタントとして横で観察し、時にプレゼンターとして話をさせてもらい、経験を手っ取り早く積んでいけるのが「会社」である。

経営層が聞いたら憤慨するだろうが、例え失注したり大失敗をこいても、突然クビになったり給与が止まるわけではない。しかも、うまくやりきれば評価も給与も上がるオマケつきだ。だから思い切ってぶつかるだけのこと。

独立起業したら失敗続きは許されない。しかし会社では、こんなことが「練習」できるのである。

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【究極の提案書】

ところでプレゼンには必須の「究極の提案書」を知っているだろうか。

パワーポイントでつくる? キーノートの方がオシャレ? A4サイズ1枚にまとめる? それは「手段」の話だ。「究極の提案書」とは、

見積書

である。相手が決定権のある企業トップの場合、幹部クラスの場合、最終的ににらめっこするのは見積書、すなわち「金」だ。

企画内容は提案全体の「50%」にすぎず、どんなに素晴らしい提案でも価格に隔たりがあれば話はなくなってしまう。

価格がフィットしていても「内訳」や「納期」がおかしければつっこまれる。全てがキレイに納まっていても「誤字」があれば失注する。見積書とはそれだけセンシティブな「提案書」なのだ。

プレゼンに使う「資料」はあくまで見積もりにもっていくための大いなる前座である。楽しく、夢のあるプレゼンにお客のテンションは上がり、ご機嫌になることはよくある話だ。話がうまい人、よくできた提案資料があれば、ここまでは「素晴らしい」「そういうのを待ってたよ」という評価も得られるだろう。しかし、見積書のフェーズに入ったとたん、お客はどうなるか。

一気に素にかえる

この「素にかえる具合」をいかに「収集がつく範囲で収めるか」がスキルになってくる。前段の提案クオリティが高いのはむしろ当たり前の最低ライン。価格は安すぎれば利益が出ず、高すぎれば受注できない。中途半端な値段で盛りだくさんの作業内容では、自分たちが疲弊してしまう。

だからこそ提案資料をつくる、となった際に「必ず見積もりとタッグで」考えることは必須中の必須である。「提案資料〜見積書」というストーリーを途切れさせず、双方のパワーで受注を勝ち取る。特に「お金」の話を明確かつ気負いなく語ることができれば、受注確度は高まる。

だから、ジョブズの本をいくら読んでもそこには限界がある。ビジネスの生々しい現場では「アウェイを制する心臓」そして「見積書」の持つ力は果てしなく大きい。

独立起業したらたびたびの失敗は許されない。しかし会社では、こんなことが「練習」できるのである。

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【「つまらない」の先にあるもの】

昔のように「ひとつの会社に3年はいないと」という時代ではない。会社によっては半年でも1年でも十分だろう。

そこで学べることは、実は果てしなく「つまらないこと」ばかりある。学校という自由な空間にいた者からすると、絶対に必要のないと思えるものがズラリと並ぶ。

しかも最初はプレゼンの現場や、商品開発のメンバーに呼ばれることさえもないだろう。そこでやらされるのは、こんなことだ。


 
◉毎朝起きて会社に行くこと
◉風邪でも休まないこと
◉月曜日の朝に元気であること
◉時間厳守・5分前にスタンバイすること
◉有給休暇が申請しにくいこと
◉飲み屋で先輩の長話を聞くこと
◉社長の話にうなずくこと
◉作り笑いをすること
◉資料をホッチキスでとめること
◉見積もりをプリントアウトすること
◉残業をすること
◉早く仕事が終わっても帰りにくいこと
◉土日もお客からメールが来ること
◉デートや記念日にも仕事が入ること
◉休日出勤させられること
◉飲み会の幹事をさせられること
 


 

など、地獄の「つまらなさ」が目白押しである。できればこんな毎日は過ごしたくない。しかし、これらを「どうでもいいこと」と、とらえる前にー。

「こんなことになってんだ、社会って」

と、距離を置いてこの異常な世界を味わってみることが大事なのだ。将来起業したい、独立したいなら、数ヶ月や1年足らずでさっさと辞めればいい。むしろ会社に喰い潰される前に、脱出すべきだろう。

しかし、いつか独りで会社をおこした際に、まさかのこの「つまらない日々」が役立ってくる。

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例えば、打合せの場で、お客がこう言ったとしよう。

「締め日なんですよね」

締め日…?

「まず稟議ですね」

りんぎ…?

「NDA送っておきます」

エヌディーエー…?

その他にも、いわゆる「接待」である会食の席、お客を見送る際のエレベーターの乗り方まで「つまらないこと」を社会はこれでもか、と投下してる。

「そんなもん知らなくなって、自由人めざすから関係ねえ」

と、一蹴することはできそうだが、人間一人では生きていけない。あなたにギャランティを払ってくれるお客は全てあなたと同じような人ではなく、一般の企業人や、年上の人だったり、あるいはエリートであったり、とても古風な考えを持っていたりもする。

そういった「お金を払ってくれる人たち」から嫌われたり、避けられたら。そもそも自由人ライフを続けることはできないのだ。

だから「彼ら」の行動形態、趣味嗜好を知っておく必要がある。敵を制すには、敵を知らなければならない。

例えば面倒でも、仕事はもちろん食事や遊びに付き合ってみることで、そのお客は将来の自分のクライアントになってくれる可能性だってある。これは「媚びる」ということではなく「ウマの合う人」との巡り合いを大切する、ということだ。

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【リアル社会科見学へ】

いきなりの学生起業もエキサイティングで、チャンスがあれば飛び込むのも素晴らしいチャレンジだ。トライする価値、そこで得られるものは果てしないだろう。その機会に恵まれているならば、若いときに挑戦しておくと良い。

一方で最も手堅いのは「学生時代、就職時代も、心のなかで独立への意識を持って勉強や仕事に取り組んでおくこと」だ。

自分の将来が固まっていない場合は、ふわふわと「起業したいな〜」「サラリーマン以外の仕事がいいな〜」「自由人になりたいわ〜」など逃げ腰にならずに、

「ちょっと社会科見学いってくる」

と、アッサリ&ビビらず「会社」に飛び込もう。

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社会において何が失礼で、何がマナー違反なのかを知っておくことが、独立後の自分のビジネスを円滑に回していく鍵になる。自分の将来の協業パートナーやお客さんを増やすことへもつながっていくから、就職は決して頭から否定できない。

自由への助走期間と位置づけ、嫌々の就職の間に、世の中の「感じ」をつかんでおく。同時に独立に向けての勉強と準備を水面下で進めておく。

「日々の労働」と「独立へのスタンバイ」。

2つの同時並行は、時には苦しく、土日も祝日もなくなってしまうかもしれない。週末は遊びほうける同僚たちが羨ましくもなるだろう。でも、どんなに遊んでも人間成長しない。そういった誘惑に負けない我慢さえも、意義ある練習と考えよう。このツライ体験は、起業した後にとてつもない起爆剤となってくれる。

「やっと自由だ。ここまで耐えたんだ。絶対やってやる」と。
 

▶︎著者:清宮 雄 プロフィール
フィリピン・セブ島在住。IoTそしてA.I.時代の国際的な起業家・ビジネスパーソンを育成するIT留学「アクトハウス」代表。メンターとして現場でも奮闘中。アクトハウスの体験談はこちら >>>

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