「働く女性」をとりまく現状。「30年」遅れた日本でどうキャリアアップするか。

仕事が優秀で能力もやる気もある女性が、出産をした後、そして十分な育児休暇を取った後にも、元のポジションで活躍できる社会。先進国の一部、また東南アジアなどにおいても、それが単に理想論ではなく当たり前のものとして成り立っている。だからこそ各国では、男女平等の労働環境・精神的コンセンサスがあり、女性は必死に積み上げてきたキャリアを一時停止しても、その続きが保証される安心のなかで働くことができる。当然、育児は男性にも課せられ、本当の意味での「平等の取り組み」がなされている。

優秀な男女が共に意識を持ってより良い仕事を生み出し続けることは、言うまでもなくその国の経済発展に直結する。逆に言えば、それができていない国は、停滞し、やがて沈んでいく運命にある。

今回は「働く女性」をテーマに、以下の3つの順に沿って話を進めていきたい。


 
1. 各国の事例

2. 後進大国の現状

3. 日本の女性がもっと自由に働くことができる道とは?
 


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では最初に、働く女性のために「法整備と国民の意識改革」に成功した各国の事例として、どんな国がどういった法律や仕組みを作ってきたのかを追っていこう。
 


 
1.スウェーデン

《結論》
生活と仕事の調和「ワークライフバランス」の理想に最も近いと言われている国。育児休業(育休)や社会意識の定着度も高い。

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【ここがスゴイ】
◉女性の社会進出率世界1位(日本は57位)※
◉専業主婦の比率2%(日本は35%超)
◉21歳から65歳までの女性労働率は80%
◉会社の組織構成を女性4割以上にする法律(クオーター制)
◉女性議員の比率45%(日本の11.3%多)

※ ジェンダーエンパワーメント指数統計(引用:Wikipedia)

〜育児支援は?〜
◉育休が法律で制定
◉育休は両親合計480日と制定
◉育休期間(44週間)は給与100%支給

【今後のカダイ】
◉男性の育休の方が短い
◉給与から引かれる税金が高い
◉社会保険料80%(日本は5%)
◉消費税も25%

(参考:日本経済新聞:2013/10/25・2014/6/21)


 
2.フランス

《結論》
国策で「男女平等」を推進。出産後も手厚いサポート。スウェーデンをも凌駕するほどの改革を進めている。

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【ここがスゴイ】
◉女性の就業率84%
◉政治政党の男女構成比5:5で法律制定(パリテ法)
◉企業取締役会の男女比率に法律制定(コペ・ジンメーマン法)
◉夫婦別姓が可能(結婚後や離婚後キャリアに支障出ない)
◉年間の法定有給5週間

〜育児支援は?〜
◉育休は有給で16週間
1年間の育児休暇を取得可
◉育児手当が30種以上の充実
◉育児後の復職を完全保証

【今後のカダイ】
◉保育所の入所競争率が高すぎる
◉育児で出世逃す「マミートラック」も
◉家族手当が手厚い分、法人税が高い
◉女性起業家は少ない

(出典・参考:ハフィントン・ポスト在日フランス大使館東洋経済)


 
では次に「取り組みに出遅れた後進大国の現状」を追っていこう。
 


 
1.アメリカ

《結論》
女性の上位職は多く、チャンスはあるが、育休その他社会制度については実は「超後進国」。既婚女性の24%は夫より収入多く、女性の管理職・重役が多いなどアメリカン・ドリームな傾向もある。が…

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【現状のカダイ】
◉産休・育休の法制度がない
◉保育所が高額。1週間4〜5万円もざら
◉主夫の文化が根付いていない
◉育休は最長12週OKだが無給
◉医療費が尋常じゃなく高額

(出典・参考:NewsphereThe Huffington PostPouch)


 
2.日本

《結論》
諸外国に比べ30年は出遅れている。ちょうど30年前のスウェーデン、フランスの状態が現在の日本である。

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【現状】
◉女性の労働人口は42.9%
⇒スウェーデン、フランス共に80%以上

【問題01】
IOL発表の女性の「管理職比率」ランキングでは、全108ランキング中「96位」。
(※IOL:国際労働機関。世界の労働条件と生活水準の改善を目的とする国連機関)

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(資料:Women in Business Management:英字資料)


 
【問題02】
=IOLから指摘を受けている=
◉指摘01
「日本や韓国といった一部の先進国では、伝統的な男女の規範が果たす強い役割分担が、女性の上位職就任の阻害要因となっている」

◉指摘02
「会社組織の伝統、就職活動や昇進制度に関連し、改善すべき構造的な課題がある」


 
【問題03】
=OECDからも指摘を受けている=
(※OECD:経済協力開発機構。ヨーロッパ諸国を中心に日・米を含め34 ヶ国の先進国が加盟する国際機関)

◉指摘内容
各国の政府が子育ての支援にかけている予算は、GDP比でスウェーデン3.21%、フランス3.00%、ドイツ2.22%に対し「日本は0.81%と先進国中最も少ない国」のひとつ。特に6歳以下の子どもへの支援額がOECD諸国平均と比べ「非常に低い」と指摘された。


 
もちろん、改善の取り組みは宣言されている。日本政府は《2020年までに上位職の女性割合を30%程度にする》方針を掲げた。来る東京オリンピックの年に、日本の社会はどれだけの変貌を遂げているのだろうか。

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「日本の女性がもっと自由に働くことができる道とは?」
 


 
日本の企業の一部でもワークライフバランスに注力する会社が出始め、産休や育休に理解と対応を示す会社も出てきた。しかしまだまだ「社会全体」としては、いまだに「保育園は17時までにお迎え」といった、通常のワークライフからは無理のあるルールに縛られ、産休から復帰直後の女性が職場を16時くらいにいそいそ出ていく光景も頻繁にある。また家庭内では、父親自体に子供の「共育」の理解が浸透しきっていないため、だんだんと仕事と家庭のストレスに圧されていく女性は多い。社会全体の意識醸成には、まだまだ時間がかかることは否めない。

将来を見据え、日本国内で「理解ある会社」を探して転職するというのは、あまりに困難で不本意すぎる。

しかし、現代はひとつの人生や職場に執着せず、大胆なキャリアチェンジ、技術や資格を取得しての新しい道への歩み、留学やワーキングホリデーで人生をリチャージするなど選択肢は幅広い。時代が変わるのを待てない人は、あらかじめ世界へ飛び出すスタンバイを着々と始めるのもひとつの手だろう。
 
【日本を待たず自分を変える】

日本が変わっていくこと、そこに傍観者にならず意識を持っていくことはもちろん国民として大事なことだ。しかし今この瞬間、まったなしの人生を送るなかでは来週、来月、再来月から人生を一気に変えていかなければならない。時は待ってくれず、これだけは誰も支援をしてくれないからだ。

そこで、能力を秘めた女性、何かを成し得たい女性が世界へ飛び出すことは有効な手段である。しかし、それには「技術」が必要だ。社会や組織の仕組み、伝統や年齢に関係なく「あなたでなければ」と頼られる「技術」を持つことで「お金」を稼ぎ、同時に「キャリア」を積み上げることができる。結婚も出産も育児も、あるいは離婚も関係なく、場所も国も時間も選ばない働き方が日本にないならば、できる「場所」を見つける。では、その「場所」はどこにあるのか―。
 
【Webという突破口】

場所も国も時間も選ばない働き方が出来る場所。

それは、たった今あなたが目にしている場所にある。そう「Web」という世界だ。ここに勝機がある。単純にエキサイティングな世界であるだけでなく、ニーズの高い業界だけに「つぶし」も効くのが特長だ。

ホームページが作れる、プログラミングができる、Webがどう作られているのか知っている、制作チームをきりもりできる、デザインができる。文系でも素人でも、今なら誰でもトライすることができるこの世界。必要なのはパソコン1台。この時代に生まれ、どこかに飛び出したいならば、こいつを利用しない手はない。

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例えば、あなたには「少しでも得意なもの」「興味あるもの」があるだろうか、このなかで。

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▶︎ 文章が得意 ⇒ 記事・原稿の執筆・編集。
▶︎ 商売が得意 ⇒ ECサイトの運営、支援。
▶︎ 調和が得意 ⇒ 窓口として制作陣を率いる。
▶︎ 整理が得意 ⇒ デザイナー。Webは情報整理。
▶︎ 絵が得意 ⇒ イラストレーター。Webの絵描き。
▶︎ 解決が得意 ⇒ コーダー。Web基礎構成を担う。
▶︎ 組立てが得意 ⇒ プログラマー。基盤を支える。

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簡単に属性分けするだけでも、実にさまざまな得意分野の人が集まっているのがIT・Webの世界。自分のちょっとした特技や興味をWebの世界に照らし合わせてみる。あるいは、その業界の人に相談し照らし合わせてもらう。上記の得意分野の全部でなくとも、1つを極めるか、2つないしは3つを特技として抑えていくことで、クリエイターやディレクター、コンサルタントとしての独立が見えてくる。デザインもコーディングもできなくても「アカウント(営業)」や「ディレクター」という道がある。Webで得るマーケティング、ブランディングの知識を通じて、商品のプロデュースや宣伝、動画やメディアの創造にも当然入っていける。入り口がWebなだけで、ITは想像以上に、幅が広大な世界なのだ。

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場所も時間も、国も年齢もない働き方。時代を見極める行動派の女性のライフスタイルは、自らで創りあげるべき時代に入っている。国の発展や法統制を待っているほど時間はない。思えば人生は、いつだって自分で風穴を開けなければならないもの。「手に職」を付け、Webという無限の世界に身を置き、また実際に職場や通勤から開放されることで、日本国内で「新しい女性の働き方」を発信することもできるし、文字通り「世界中」をパソコン1台で転々とし、収入を得ながら場所と時間を選ばない人生を手に入れることもできる。決して、型にはまった就職・転職だけが全てではない。年をとるにつれ自由になれる仕事、キャリアを積むほど時間が手に入る仕事を選択する。最初は苦労があっても、こういった計画的な決断が人生を価値あるものに変えていく。

そういう意味では、現代の「Webのやりようで、いかようにも勝てる」という群雄割拠の時代に突入したことは、ITがもたらした男女平等の正しい「競争社会」とも言えるだろう。

若さは永遠じゃない。自由を手に入れるなら、早め早めに動くことが重要となってくる。
 
▶︎▶︎コラム世界の「女性 起業家」に学ぶ「ありえない突破力」も読む
 

▶︎著者:清宮 雄
フィリピン・セブ島在住。IoTそしてA.I.時代の国際的な起業家・ビジネスパーソンを育成するセブ島留学の「アクトハウス」代表。メンターとして現場でも奮闘中。アクトハウスの体験談はこちら >>>

 
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