いる?いらない? あの「大御所アプリ」たちの新機能。

2016年6月27日。

米Twitterは、iOS及びAndroidのユーザーに向けて「ステッカー」機能を順次提供していく、と発表した。

「ステッカー」は写真を加工できるアプリで、そのバラエティは100種以上が用意されるという。この機能追加以前にも、同社の象徴である「140文字制限」の緩和が発表されるなど、アップデートという名のもとに機能は少しづつ増加している。

こういった変更は何もTwitterに限ったことでなく、特にアプリの世界では目に見えて顕著な動きだ。

tw

例えば、未だSNSの覇者であるFacebookには、もはや映画「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)で描かれていた頃のトップページの面影はない。

fb

インターフェイスはもちろん、細かな機能はすべて年々追加され現在に至る。

メッセンジャーやアンケート、クーポン、動画機能もさることながら、この数ヶ月内での最も大きな変更は、同社そのものでもあった「いいねボタン」のバラエティが著しく増えたことだろう。

受け入れるユーザー、抵抗のあるユーザー、可もなく不可もないユーザーなど、当時その反応は様々だった。

fb2

アップデート、新機能、新サービス。

シンプルでいることは難しい。

シンプルでい続けることは不可能だ。

最初が美しければ美しいほど、太っていく。

停滞は許されず、常に進化を求められる。

ap

機能が増えてくると、古くからのユーザーは

「昔の方が良かった」

と言って、離れ始める。

しかし難しいのは、そういった老舗のユーザーも、全ての新機能にNOを突きつけているわけではなく、自分にフィットした仕様については無言で受け入れていたりする。

わざわざ声を上げて賞賛まではせずとも、新機能よってそのアプリへさらに愛着を持つこともある。アップデートは未開拓層のユーザーを取り込む意図も当然あり、一様に改悪などとは決して言い切れない。単純に端末の進化についていかなければならないというプログラミング的な宿命もある。

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ぶっちゃけプロダクトの制作サイドは、新機能追加など本意ではないかもしれない。何もしないでユーザー数が右肩上がりであれば、それに越したことはないからだ。

Facebookに800億円で買収された頃のInstagramの「社員13人・売上ゼロ」だった。設立から買収までたった551日。正方形の写真を加工してアップするだけのアプリは世界を席巻していた。しかし当然、その正方形だけの世界にも、新機能は追加され続けている。

2016年6月23日、Instagramにはキャプションやコメント、プロフィールなどに「翻訳を見る」ボタンが順次設置されることが発表された。異国の著名人コメントを自国の言葉で閲覧できるようになる、同アプリならではの強みを際立たせる施策だろう。

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ビジネスモデル。

それは「削ぎ落としたもの」「シンプルなもの」が成功するとされ「常にわかりやすくあれ」と言われ続けている。アップルのデザインが引き合いに出され「究極のシンプル」として手本とされる。

しかし実際にはビジネスを、サービスを、シンプルのまま継続するのは難しい。シンプルの継続は「停滞」というマンネリを招くことになりかねない。

お手本とされるアップルさえも現状はやや劣勢とも言える。iPhoneの進化の停滞に、ちらほらと落胆の声が出始めて久しい。ユーザーは目立った進化がないならないで不満であるし、余計な進化は却下する。どんな進化が受け入れられるか、これはどんなに実験しても実際に市場に出すまでは誰もわからない。

ユーザーをリードし「サプライズと感動」を与え続けることが、アプリの世界では利益につながる。これが毎度賛否両論となる「アップデート」のひとつの正体だろう。

企業側の都合が顕著に見え隠れするようなマイクロソフトのWindows10の更新については、どうしても非難の声が絶えなかった。たとえ壮大なビジョンを元にした企業側が善意だったとしても、ユーザーのアップデート・ハラスメントが不信感につながり、そこに乖離が生じている。アップデートに強制感を感じたユーザーはWindowsを警戒している。

もはや時代は「たかがアップデート」ではなくなっている。アップデートが製品の運命を左右する現象が起きている。

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時代は刻々と変わり、環境は変わり続け、世代は入れ替わり、トレンドは姿を変え、個人の思想や言論がシースルーでWeb上に混在している。全ての人を納得させるアップデートは不可能ながら、世界のアプリはアップデートという終わりなきレールの上を走り続けている。

アップデートをすることで快適になり、競合に差をつけ、あるいは評価が地に落ちることもある。

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全世界のユーザーはそれをソファに座り、親指でアプリの改変を審査する。アップデートの説明だけをパッと読み、使わずに判断しているかもしれない。その仕様変更に何億円、何万時間、何百人が費やされていたとしても。ユーザーは使いご心地や使う前の「心象」で改悪かを判断している。

アップデート。

ユーザーが無言でその可否を決め続ける、つくづく残酷な世界である。

 

▶︎著者:清宮 雄 プロフィール
フィリピン・セブ島在住。次世代の起業家・イノベーターを育てるIT留学「アクトハウス」代表。熱血メンターとして現場でも奮闘中。アクトハウスの講座レポートはこちら >>>

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