そのサービスでうまくいく?
ニーズはどこに潜んでいるか。

さあビジネスを始めよう。

画期的なサービスを考えよう。

それが起業であれ、会社内のプロジェクトであれ、世の中に打って出るとき。

どの市場に入っていくか」で、全ては決まる。

そんなとき、よく使われるビジネス/マーケティング用語に「レッドオーシャン」「ブルーオーシャン」がある。一時ほど多用はされなくなったものの、サラッと使用される頻度の定番ワードと言ってもいいだろう。

これらは文字通り「赤い海」「青い海」を示している。

赤とは血。
青とは平和。

▶︎レッドオーシャン
すでに開拓されており、ライバル他社の争いが絶えない市場。競争が激しいゆえ血の海となっており、後進は不利とされる。

▶︎ブルーオーシャン
ライバル他社がいない未開拓市場。静かな海。ビジネスではこの市場を発見できれば第一人者であり、優位になれるという。

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《レッド or ブルー》

狙うのはブルーオーシャンであり、後からレッドオーシャンに入っていくのは不利である。だからブルーオーシャンを探せ、とはよく言われることだ。

一方でレッドオーシャンは成熟した市場であるゆえに既成概念にとらわれており「いくらでも革命は起こせる」という見方もできる。さらにはユーザーは大多数存在しているゆえ、豊潤な市場と言えるだろう。

自らのビジネスは、どちらに立脚すべきか。

これはスタートアップのみならず、既存の企業がサービスリリースや方向転換をする際にも吟味される重要なトピックだ。

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《両極端な市場》

血が流れるレッドオーシャンは確かに成熟はしているが、後進には不利でつぶされる可能性が高い。

しかし例えば、iPhone以前にもスマートフォンは世の中に存在し、何よりも「電話」「パソコン」という圧倒的な市場がそこにあった。アップルはその成熟した土壌で革命を起こした。スタイリッシュで機能的なスマートフォン、という戦略で大きな成功を収めた。もちろん同社の「スタイリッシュで機能的」は行き当たりばったりではなく、ずっと醸成してきたノウハウの結晶でもあった。

ブルーオーシャンにも、もちろん魅力がある。

ここでは最初に踏み入ったものが先駆者であり、オリジネーターだ。だれもいないその市場では、ユーザーに気づいてもらえさえすれば、あとは一網打尽。それが競合他社の参入が容易でない参入障壁が高いものであればあるほど、優位に自社の存在感を発揮し続けることができる。他の選択しがない、というレベルの存在にまで上り詰めれば、あとは倍々ゲームであり、レジェンドになれる。

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《パープルはあるか》

ではレッドとブルーの「」は存在しないのだろうか。

赤と青を混ぜた紫の海「パープルオーシャン」。

その海は、多少はライバル他社が開拓はしてくれており、最初から作り上げていく必要はない。ユーザーもそこそこは回遊している。しかし市場としては成長はしておらず、停滞している。誰もが知っているマーケットながら、放っておかれマンネリだ。この中途半端な土壌は、結構狙い目だろう。

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《紫色のマーケット》

過去の例で言えば、アメリカ・マサチューセッツ州ベッドフォードに本社を置く、iRobot Corporation。軍事用、業務用、家庭用のロボットを設計開発する同社の「Roomba®(ルンバ)」は、このパープルオーシャンに入っていった船と言える。

前述のiPhoneと微妙に異なるのが、この例は、成熟しているマーケットに「存在しなかったもの」を投入した点だ。

「掃除用具」「掃除機」といった、日常生活に密着している広大な市場ながらも、そこは完全に既成概念で凝り固まっていた。各メーカーは日常的に「高性能の掃除機」の開発には力を入れ、日本国内のメーカーはもちろん、外来としてはダイソン、フォアベルクなどの一流企業も参入し長らく経っていた。

この停滞マーケットに「ロボット掃除機」を投入したのが同社だ。これまでにあり得なかったもの。話題性はもちろん、その支持率は着実に拡大し、さらにはロボットそのものに興味あるIoTな顧客層も取り入れ、社会現象にもなっていった。

これはまさに「成熟しきった市場」「顧客自体はいるが停滞していた」パープルオーシャンでの革命だろう。

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《あの「ペン」も》

また今や定番の「消せるボールペン・フリクション」も絶妙な事例と言える。

日本の「株式会社パイロットコーポレーション」は当時、完全に頭打ちになっていた業界内において、このアイディアで自ら風穴を開けた。もはや1点の曇りもないと思われたレッドオーシャンのなかに、紫の海を見つけだしたのだ。

得意分野、成熟市場のボールペンに軸足を起きつつも、シャープペンシルや鉛筆ともまったく違うもの。「クッキリとは書きたいが、消せる保険は欲しい」というユーザーのわがままな潜在ニーズを掘り当て、新たな市場を開拓したのである。些細な事だろうか、単なる偶然だろうか。

この「消せるボールペン」はイロモノでなく、世間一般の必需品へと昇格して久しい。もちろん、国際的にも大きなブレイクを果たしている。

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ビジネスを立ち上げる際の「レッドオーシャン・ブルーオーシャン」議論。

勝ちに行くのならば、その両軸のみで考えず、真ん中の市場「パープル」も想定したい。

その海ではユーザーはすでに存在し、しかし停滞しており、でも言葉にできない不満タラタラで革命を待ち続けている。

 

▶︎著者:清宮 雄 プロフィール
フィリピン・セブ島在住。次世代の起業家・イノベーターを育成するIT留学「アクトハウス」代表。仕事しながら旅しつつも、熱血講師として現場でも奮闘中。アクトハウスの講座レポートはこちら >>>

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