独立起業のその前に。気をつけるべき「3つのカン違い」。


「独立」や「起業」という夢を口にしながらも「結局は会社を辞めない人」の定番セリフがある。

1.「いま辞めたら会社が大変。落ち着いたら」辞めるつもり。
2.「将来は独立するので」辞めるつもり。
3.「次のボーナスが出たら」辞めるつもり。
4.「基盤ができたら」辞めるつもり。
5.「資金を貯めたら」辞めるつもり。

それらしく計画をしているようで、具体性と現実性がない。つまりこれらは、

「自分は、本当はこんな会社にいる人間じゃないのさ」

と、言いたいだけの言葉なのである。だからもし、本当に独立を目指すならば、こんなオオカミ少年のような言動を居酒屋の片隅で繰り返してはいけない。気づけば周りから「何年も同じことを言っている」と、後ろ指を刺されキャリアは終了だ。

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では、ウダウダ言わずに「勢いだけで」起業をしていいか。時に起業は「勢いと決断」と言われるが、そんな耳障りのいいアドバイスに心動かされてはいけない。だから日本では、70%の起業会社が3年以内に倒産する。

会社を立ち上げる前に、まず何よりも自覚しておくべきもの。それは「自分」だ。社長になろうとする自分が「3つの自己満病」にかかっていないかを、診断しておこう。

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【3つの自己満病】
〜独立起業で気をつけるべき勘違い〜

◉「言いたい病」にかかってないか?
これまでの知り合いに「起業した」と言いたいだけ。経営計画そのものが曖昧。雰囲気起業。

◉「書きたい病」にかかってないか?
名刺やSNSに「代表取締役社長」と書きたいだけ。至るところに書きまくることが目的。自己顕示起業。

◉「辞めたい病」にかかってないか?
今の会社を辞めたいだけ。独立したら好きな時に寝て、好きな時に休めるという幻想を持っている。現実逃避起業。
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筆者が見てきた限りでは、これら「自己満病」に始まるスタートアップは「1年以内」にことごとく倒産している。「結果」ありきで仕事の体勢を次々と变化させていくカメレオン経営でなく、なによりもまず仕事の「スタイル」や「言い方」にこだわる会社ごっこをしているうちに消えていく。にも関わらず、棺桶に片足を突っ込んだまま名乗りを上げる「自己満起業」は後を絶たない。ここに陥りそうな人は「ビジネスの本質」に立ち返ろう。

◉ビジネスとは「遊び」でなく「結果」である。
◉ビジネスとは「スタイル」でなく「結果」である。
◉ビジネスとは「肩書き」でなく「結果」である。

自分がこの世に何を問えるか。そのために誰と何をし、どこに投下するのか。そしてどのタイミングでマーケットを抑え、さらに事業を継続するのかバイアウトするのか。また一方で、危機的状況を迎えた場合はどんなカードを切っていくのかー。独立起業、そしてその後に控える事業継続には待ったなしのフルコンタクトが強いられることを、肝に銘じておこう。ヘラヘラと、中途半端な気持ちでこの戦場に入って来てはいけない。君が思っている以上に、世間は汚く、頭がいいからだ。

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では簡潔に、自己満起業に陥らないために「独立起業の初歩の初歩」を記していこう。

結論、ポイントは3つ。「着眼」「戦略」「数字」だ。

1. 着眼

自社のサービスを思案する際に、目の付けどころを「世の中の矛盾」に持ってくる。

◉不便を便利に
◉不公平を公平に
◉不満を満足に
◉悲しみを笑顔に
◉混乱を秩序に
◉混沌をシンプルに
◉非情を愛情に

人々の視点を「180度以内」で変えるもの。その角度は30度の時もあれば、120度の時もあるだろう。そしてそれがパラダイムを大転換させる「固定概念の正反対=180度」の角度でキレイに振り切れたとき、最もビジネスはブレイクする。人々が思わず「これを待っていた」と喜びのため息をもらし、その感動を自分のことのようにシェアしてしまうもの。イノベーションのヒントは、とことんシンプルな「キレイごとのなか」に隠れている。正面突破で立案されたアイディアほど市場にインパクトを与え、また人の心に刺さりやすい。インターネットの普及で価値観が超多様化している現在、変化球やインチキはすぐに見破られる。やるならばシンプルに、そして共感を呼ぶ正しいビジネスに「着眼」する。

2. 戦略

そして、ビジネスを社会に広め、他社やニセモノが追いつけないレベルまで成長と変化を重ね続けるための「戦略」。ゲリラなのかランチェスターなのか、ソーシャルなのかリアルなのか。はたまた電子営業か飛び込みか。パターンや目的によってその手段はさまざまだ。例えば、足で稼ぐ情報と営業も否定してはいけない。ターゲットにより、またその地域性やマーケットにより、何が最適かは追究しないと見えてこないからだ。バーチャル&デジタル思考の一辺倒は絶対に避け、人間の眼と耳の「草の根マーケティング」も深耕する。

3. 数字

最後の砦は「数字」。数字の読めない経営者は問題外だ。実際に起業する際は「営業」や「技術」など、何らかの技術に秀でた人物をトップにスタートするだろう。しかし悲しいかな、そういった1分野のプロフェッショナルは、会社の存命を完璧に左右する「お金」にはほとんど知識がないのが現状である。スキルやビジョンやイノベーションも大切だが「財務の知識」を持っていなければならない。「数字は人任せ」が、最も起業や事業継続においてリスキーであることを覚えておこう。数字が読めれば「売上げを上げるでなく、下げることで利益を出す」という、一般社員が聞いたら「?」な経営手腕で不況を乗り切ることもできるのだ。B/S(貸借対照表)・P/L(損益計算書)・C/S(キャッシュ・フロー計算書)の存在意義、そして読み取りくらいはできないと恥ずかしい。一度始まれば待ったなしの企業経営、「数字」から逃げてはいけない。なお「数字」については、この次のコラムで詳しく取り上げるのでチェックしてみよう。

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世の中に斬り込む経営者、世界を沸かせる起業家、社会を揺るがす事業家は「飢餓感と危機感」のカタマリだ。世界中にゴマンといる猛者たちと肩を並べ戦うには、日本国内で肩書きをチラつかせているヒマなど1秒もないのである。

独立起業を夢見るならば「有名になりたい」などという思想をまず捨てよう。名声は結果についてくる。世界は君の「肩書き」を待っているのではない。君にしか出せない「アイディア」を待っているのだ。
 

▶︎著者:清宮 雄 プロフィール
フィリピン・セブ島在住。IoTそしてA.I.時代の国際的な起業家・ビジネスパーソンを育成するIT留学「アクトハウス」代表。メンターとして現場でも奮闘中。アクトハウスの体験談はこちら >>>

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