サランラップは何枚目? スタートアップによろしく。

前提がある。

それは、多くのスタートアップが、寝れない・休めないのではない。

「寝ない・休まない」のだ。

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《起業家=浦島太郎?》

寝ない・休まない。

これは体育会系、文化系の問題ではありません。ビジネスをおこして動き始める際、そして動き始めたら。

もう誰も、あなたを止めることはできないのです。

それは、あなた自身さえも。

そしてそういった言動に突入していくことを知らずに始めると、気づかないうちに多くのものを犠牲にしてしまう可能性があります。友人、家族に恋人。唯一の趣味だった映画鑑賞も遠い昔に置いてくることになります。あなたが起業前に好きだった俳優は、気づいたらもう人気がないという事態も。

起業家になるということは、事業に熱中しすぎて、浦島太郎になることでもあるのです。

多くのファウンダーはこう口にします。

「あの期間は、世間のニュースをまったく知らない」

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《起業家=ハッカー?》

アメリカ、カリフォルニア。

実際に行ってみれば国道沿いの丘しか見えないシリコンバレー。そこに立てばシリコンバレーとは地名でなく「現象」であることがわかります。しかしここでdropboxが生まれ、airbnbが生まれたことは確かです。そしてそれらを輩出したYコンビネータの総帥・ポールグレアムはこう言います。

「成功したスタートアップは一切、よそ見しない。食う・寝る・運動する以外はプログラミングだ

自らを、そしてYコンビネータに集まる次世代の創業者たちのことを、彼は愛着を込めて「ハッカー」と呼びます。

ここでのハッカーとは基幹システムに侵入するハッカーでなく、そもそもの気高い語源であるハッカーを指します。高い技術的知見を持ち、そのナレッジで難題をクリアする人たちのこと。

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《起業家=ドラキュラ?》

成功したスタートアップは、24時間フル稼働であることがほとんどです。

寝ている間も、仕事の夢を見ます。うなされることもあります。

しかしこれは、自ら望んでそうなっています。

働いている、という概念がそもそもないのです。

アイディアを描き、それをかたちにしていく。それは、8割完成してゼロに戻ることもある。ゼロならまだいいほうで、マイナス50まで引き返し、窓の外から光が差し込んできてタイムアウト、なんてのも日常茶飯事。

ドラキュラのように、日の出と共に仮眠するファウンダーが多いのは、好きでやっているわけではない、というのが本音だと思います。さらにドラキュラとは違うと証明できることがあります。彼らは仮眠した2時間後には、また仕事をしているのです。

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《起業=ブラック?》

こういった創業者、起業家、ファウンダーの「ひとりブラック企業」の習性は、何も現代に始まったことではありません。そして成功する事業家は若くして引退のステージへ駆け上がるため、人生の通算では、働いている時間は通常のサラリーマンより少なくなります。

事業が好転している会社の社長が、30〜40代にして悠々自適な生活ペースを手に入れているのは、人の数百倍を「先に働いていただけ」

みんなが寝ている間に考え、みんなが起きている間に働いているからこそ、自由を若くして手に入れたにすぎないのです。そしてそれを「濡れ手に粟」と笑うのは外野だけで、当の本人は事業がどうなっても、何度でも這い上がる覚悟でやっています。だからこそ年々タフになっていくように見えます。

そこには失敗という二文字はそこにはなく、挑戦という二文字があるのみです。

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《起業=サランラップ?》

ということは、長時間労働しないと成功しないの?

この話題になると、結局回り回って、最初の話になってきます。

スタートアップは、寝れない・休めないのでは決してない。
自ら「寝ない・休まない」のだ、と。

その仕事が好きで、自分のアイディアは1秒でも速く投入したいのが起業家です。

シャワーをしてればアイディアがひらめき、寝ようと思えばバグに気づいてしまうのです。それらは、その場でやっておかないといけない。翌朝覚えているほど自分を信じてないからということ、そして次の展開は「仕掛けていかないと」見えないからです。彼らはノンストップで仕掛け続けます。

そんな繰り返しの積み重ねは、まるで「サランラップを1枚1枚重ねる作業」に似ています。それは他人が見たら、馬鹿げた行動に見えるかもしれません。1枚1枚は透明で、薄さは測れない、単なる透明のシート。しかもフワフワしていて頼りない。こんなものを重ね続けても、何の意味があるのかわからない。

しかしそれらを毎日積み重ねていると、やがてそれは個体となり、重みが出てきます。いびつながらも、知らない間に形になっており、存在感さえ放ち出します。やがてそのボリュームは、誰もが無視できなくなってくるのです。

一朝一夕に行かないのがビジネスであり「止まってはいけない理由」がここにあります。

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サランラップを何枚積み重ねていけるか。

あきらめず、それを継続できるか。

特に創業時は「強風」に注意しなければならない。

手で抑えてないと、それは寝ている間に吹き飛ぶ可能性があるからです。

今日もこの瞬間、世界のどこかで、人知れず、本日のサランラップを1枚重ね終わった創業者がいるはずです。

こんなことしてて、本当に意味があるのだろうかと自問自答しながら。

そしてそれがいつか雲を突き抜け、誰も登ることができないほどの、バベルの塔になると信じながら。

 

▶︎著者:清宮 雄 プロフィール
フィリピン・セブ島在住。IoTそしてA.I.時代の国際的な起業家・ビジネスパーソンを育成するIT留学「アクトハウス」代表。メンターとして現場でも奮闘中。アクトハウスの体験談はこちら >>>

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