ビジネスでの”話し下手”を解決する《9+1》の法則って?

あなたは「話す」のは得意ですか?

日常会話でなく、ビジネスの場面で。

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友人とのチャットなんかはサクサクコミュニケーションできるのに、現実世界では口ベタだったりしないでしょうか。

もしそうだとしても、仕方ないことなんです。

仕事って、世界がちがいます。

プレゼンに営業トーク、これらって普段はあり得ないシチュエーションや責任感が伴うからです。

だから「普段の会話」と比較するほうが間違い。

最初できなくても、落ち込む必要はないんですよ。

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それはビジネスの鍵

ビジネスを成功させる鍵。

その重要な役目を担うひとつ、それが「言葉」です。

世界の名だたるCEOのプレゼンテーション、そして『TED』に代表される名演説など、人の心を揺さぶるのは「言葉」です。これは自分のポジションが経営でも営業でも開発でも管理でも、同じこと。

自分が作ったもの、売りたいもの、企画したもの、周知したいものを「伝える」には、どんなポジションであれ「会話力」が求められます。

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SNSでは元気なのに

しかし悲しいかな、この「ネット時代」において「SNSやメールではテンポが良いのに、実際の会話が下手」なビジネスパーソンは非常に多いように思えます。そう、「リアルの会話がどうもうまくない」のです。

しかし、仕事の質が高くなれば高くなるほど、また額がデカくなればデカくなるほど、このディスアドバンテージは足かせになってきます。会社ではもちろん、今後起業やフリーランス、あるいは海外で活躍していきたいのであれば、なおさらこの点は早急に解決しておかなければなりません。

ネット上やメールでは勢いがあっても、対面や電話での価格交渉、打合せやネット会議の現場できっちりと立ち回ることができなければ、結果には結びつきません。

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《9+1》のビジネストーク術

僭越ながら筆者は以前、企業にて営業部門を統括してきたいわゆる「元・トップ成績の営業マン」でした。商談現場においては、世界的な大企業から人情味溢れる町工場まで、まさに100社100様の社長や担当者とお話をさせていただき、数々の成約をいただいた経験があります。もちろん、最初はダメダメでした。でも、場数を踏み、成約を重ね、予算も規模も大きくなっていくなかで「法則」があることに気づいたのです。

今回はその体験のなかで得てきた「法則」のなかから「これがビジネストークのポイント」というノウハウを「9つ+1つ」でご紹介していきます。

細かすぎるものからシンプルなものまで、そのテクニックはいろいろですが、必ず現場で役立つものを集めてみました。起業家や事業家の人はもちろん、組織内での出世を目指す営業担当やクリエイター陣も、参考にしてくれたらと思います。

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1.まず大前提。脳を「ハーフ&ハーフ」に。

まず、細かいテクニックの前に「大前提」を。

例えば今日から、テレビの討論番組や話のうまいタレント、司会者、あるいは知人や友人などにいる「話す名人」の「表情」に注目してみてください。話し方、でなく「表情」に、です。彼らは人の話を聞いている最中、あいづちを打ちながらも、よーく見ると「目はやや座り気味、実は次の話題を構築中」という「半分冷たい顔」をしているのにお気づきになるでしょう。そう、目は全く笑ってないのです。

彼らは相手が話をしている最中、もちろんそれを聞きながらも「会話の数分先に早回り」し、次の質問は何を言うか、どこで笑わせるか、何パターンもの「切り返しの準備」に入っています。まず、これこそが会話がうまくなるコツと考えてください。言葉を発する前で明暗は決まっています。そのイメージは図のように、脳の「半分をヒアリングに、半分はシンキングに」。

この「脳内ハーフ&ハーフ」のイメージを持って、打合せや商談の現場にのぞんでください。

では、以降の具体例に入っていきたいと思います。

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2.会話は「かるめに反復&即質問」

LINEなどのチャットではテンポが良い「無駄のない会話」も、リアルの会話では「なぜか冷たく」なってしまうー。これを解消するコツとしては、一瞬「話題の反復」を入れること、そして間髪入れずに即質問。これは商談の現場において「あなたのお話、聞いてますよ、喰らいついてますよ」という地味なアピールとなり、ボディブローのように相手に好印象を与え続けます。では《☓下手な例》《◯上手な例》で比較していきましょう。

《☓下手な例》
お客】昨日、大阪へ出張だったんですよ。
自分】そうなんですか。おつかれさまです。

《◯上手な例》
お客】昨日、大阪へ出張だったんですよ。
自分】大阪へ出張だったんですね、いかがでした?
お客】いや、それがさ、もう人がすごくてね…
自分】人がすごかったんですか…新幹線ですか?
お客】そうそう、帰省ラッシュに当たってしまってね。

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3.返答の冒頭で「否定しない」

相手が話し終わった直後に、否定の言葉となる「でも」や、ひどい場合は「っていうか」など、否定の言葉から入る人がいます。「でも」の後に、特に否定的なコメントをするわけでもないのに、です。相手が同意を求めているのに、わざわざ最初に無駄なノイズを入れてしまうと、相手は一瞬、無意識下で違和感を覚えます。この繰り返しはやがて「なんかこの人とは、合わないな」という確信に変わってしまのです。そうならないよう、会話の「流れ」を重視し「同意を求められたらいったん同意」。もし異なる具体案や代替案があるのならば、後ほど提案する流れを心がけましょう。

《☓下手な例》
お客】この企画が売れるといいよね。
自分】でも、多分売れると思いますよ。

《◯上手な例》
お客】この企画が売れるといいよね。
自分】そうですね。ブレイクさせたいですね。ところで…(この後で代替案を出す)

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4.会話中に「相手の名前を織り交ぜる」

実は、人は何度も名前を呼ばれると、だんだん親近感を抱き始めます。実際に初対面で相手の名前を口にするのはこっ恥ずかしいときもあるし、正直面倒なときもあるでしょう。しかしあえて、わざわざ、入れ込んでいくのです。

《☓下手な例》
お客】この仕事も頼んでもいい?
自分】了解しました。ご確認ですが、この部分で合っていますか?

《◯上手な例》
お客】この仕事も頼んでもいい?
自分】了解しました。山田様、ご確認ですが、この部分で合っていますか?

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5.反論したい場合も「ナチュラル」に。

単なるYESマンは、最終的には好かれません。お客は自分の会社を「第三者から見た本音」で聞きたがっています。とはいえ、あまりストレートに批判すると、場合よっては炎上するため、逆の意見を言いたいときも、節度を持って切り返すことがポイントです。反論を目的にせず「最良の結論」を目指すことを忘れずに。

《☓下手な例》
お客】若手は、まだ育てる必要ないかなと。
自分】いや、来年あたりから育てたほうがいいんじゃないですか。

《◯上手な例》
お客】若手は、まだ育てる必要ないかなと。
自分】なるほど。そうかもしれないですね。ちなみに、来年以降はどうお考えですか?

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6.相手の「口調と姿勢」をマネる。

これは対面する相手の「鏡」になったように、口調と体勢をさりげなくマネるというテクニックです。例えば練習のつもりで、友人や恋人との日常の中などでさりげなく、試してみましょう。相手は、潜在意識で「なんとなく自分と似てる人な気がする」と、いっそうの親しみを持ち始めてくれるはずです。

【ポイント01】
お客の座り方やかがみ方、腕の位置もだんだんと、ピッタリまねる。

【ポイント02】
お客の声のトーンやちょっとした言い回し、口癖もピッタリまねる。

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7.否定にも「ご指摘ありがとうございます」

この世に完璧な提案や見積書なんてありません。お客がスマートであればあるほど、直球で矛盾や疑問をぶつけられることになります。しかしその際「反論」や「言い訳」をするでなく、まずは1クッション入れましょう。その際に使えるのが「ご指摘ありがとうございます」です。この「0.数秒」で空気を悪くせず、脱線しかかる話を瞬時にレールにささっと戻します。

《☓下手な例》
お客】ねえこれさ、他社の提案に比べて内容薄くない?
自分】え、そうですか、いや、でもトータルでみると…(以降が言い訳になってしまう)

《◯上手な例》
お客】ねえこれさ、他社の提案に比べて内容薄くない?
自分】ご指摘ありがとうございます。ご提案書については…(以降も通常の会話が継続)

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8.商談の後半は「早口」に。

もちろん、いきなり早口にするのではありません。だんだんと、会話のテンポを早くしていくのです。極端に言えばその商談の「ラスト後半10分だけ早口」にします。このテンポの速さを相手は「会話が盛り上がっている」と感じてくれるからです。そしてマックスのスピードに達し、会話のキャッチボールが継続している最中には「話が合うなあ」「面白いひとだなあ」「気が合うかも」と思ってくれます。「飲み会のラスト数分」「誰かとの盛り上がっている別れ際」の、あの臨場感です。

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9.お金の話は「最後」に。

見積もり価格など、お金の話は最後にします。特に日本では、いきなりお金の話をするのは「場があったまってないのに」「信頼関係がまだないのに」「結局お金か」というネガティブな印象を持たれることが多いからです。あくまでデリケートな話題は最後に、しかしダラダラ言い訳するような価格説明でなく、スパっといきましょう。

以上が商談現場での「リアルなコツ9つ」です。

そして…せっかくここまで読んでくれた方に、とても大事なことを「+1」でお伝えします。

これは商談を決める「最後の貴重な一手」であります。

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10.「沈黙」には「沈黙」で。

商談の、最後の最後。

お客は見積もり価格を見て、急に我に返ってしまいます。「う〜ん、思ったより金額高いねえ」と、ご機嫌斜めになることも。ここで、さっきまでの盛り上がりがウソのように「沈黙」してしまうことも多々あります。金額を見た瞬間「お客が見積もりとにらめっこ」を始めてしまうのです。ここで、慣れない営業マンは沈黙に耐えられなくなり、いらない話をし始めてしまいます。

「えっとですね、このプランは〜」

「もしアレならですね〜」

「どのへんが気になります?」

など。

しかし、これは絶対にやってはいけません。じっと「お客と一緒に黙り続ける」のが最も効果が高く、トラブルにもならないことを覚えておきましょう。

金額が大きければ大きいほどこの「お金と向き合うお客の沈黙」は長くなりますが、耐え続けるのです。「お客が1人になりたい時間」を、絶対に邪魔してはいけません。相手がやっと口を開いて質問してきたら、そこでやっと会話が解禁となります。お客が「では、検討します」と、いきなりエンディングをかましてきたら「よろしくお願いします」とキリッと返す。デキるビジネスマンは、こういった「場の質感」をきちっと読む柔軟性を持っています。

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いかがだったでしょうか。

以上が《9+1》のビジネストーク術です。

ビジネスの会話とは決して「話の量」や、ましてや「笑いの数」ではありません。また、パワープレイと呼ばれる心理戦だけでもありません。商談のなかで、いかに相手を尊重しつつ、さりげなくリードし、その商談の場を美しく創りあげていけるか。そして最後に「お金〜沈黙」の緊張ゾーンをいかにクールに突破できるか。

今回のテクニックは商談の本番のみならず、練習として知人や友人、家族や恋人との会話でも試せるものばかりなので、日常的に体に馴染ませておくと良いでしょう。すると本番の現場にて、自然にこれらを使いまわせるようになってきます。

緊張を極める現場で得てきた、とても地味ですが大切にしてきたノウハウ。

もしひとつでも、大事な商談の場でのバックアップやキャリアアップのサポートになれば、これ以上のことはありません。
 

▶︎著者:清宮 雄 プロフィール
フィリピン・セブ島在住。IoT/A.I.時代の国際的な起業家・ビジネスパーソンを育成するセブ島留学の「アクトハウス」代表。セブ島の現場でもビジネス/マーケティング講座を担当。アクトハウスの体験談はこちら >>>

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