ビジネスで勝てる「2つの武器」。その微妙な関係。

ビジネスを支える2つの武器。

「ブランディング」と「マーケティング」。

聞いたことはある言葉。

しかし理解するには、それぞれ本を何冊も読まないと分からないような印象、ちょっと近づきがたい感じも。

英語で、似たような字面で、専門家もいるようだし、これらを「別個のもの」と考えている人もいるかもしれません。

もちろん双方ともに奥深い世界なのですが、このWeb定番の時代、Webが商売の大きな要素となる現代において、この2つのジャンルはもはや「一心同体」「表裏一体」と言えるものになっています。

まずはそれぞれの言葉を一行で説明してみましょう。

 

▶︎ブランディング
人々の心に印象付けること。

▶︎マーケティング
サービスを売る仕組みのこと。

 

「印象」と「仕組み」。

確かに別モノには見えるものの、そこには微妙な相互関係が成り立っています。

スクリーンショット 2016-06-08 17.31.38

《一心同体・表裏一体》

ブランディングというと「デザインの世界」の話に見え、マーケティングというと「コンサルタントの世界」の話に感じる人もいると思います。前者は「表現」で、後者は「分析」という。

もちろん、そういった素養も十分にあります。

実際にブランディングとはその企業やサービスの「印象」をつくるものです。そこにはコンセプトメイキングから始まり、それを象徴するシンボルのロゴマーク、キャッチコピーはもちろん、そのビジネスを表現するWebサイトから名刺まで、あまねく素材にその「印象」を波及させます。

一方でマーケティングとは、ビジネスのターゲットを設定し、そのターゲットへどうアプローチし、気づいてもらい、クリックや来店をしてもらい、購入や問合せにつなげ、さらにはリピーターになってもらうための「仕組み」を作っていくことです。

そういった視点から見ると、前者は「表現」で、後者は「分析」という見方は間違っておらず、むしろ正しいと言えます。

しかし理解をしておくべきは、このWebの時代において「ブランディングとマーケティングは別のジャンルのもの」という認識を持つのはビジネスにおいて整合性が取れず、むしろナンセンスにもなりうるということです。

この2つのジャンルは、切っても切れないコインのオモテとウラ

「一心同体」「表裏一体」である、という理解が、ビジネスの促進につながります。

その理由を説明していきます。

brm

《もし「ハンカチ」を売る場合》

話をわかりやすくするため、例え話で説明します。

まず復習ですが、先ほどのブランディングとマーケティングの特長を再度記載しておきます。

 

▶︎ブランディング
人々の心に印象付けること。

▶︎マーケティング
サービスを売る仕組みのこと。

 

例えばあなたが「ハンカチ」を売ることになったとします。

そのハンカチの「ブランディング」を、ある会社に依頼をしたと仮定します。すると、その会社の人はこういった質問をしてくると思います。


◉なぜハンカチを売ろうと思ったのか
◉ターゲットの性別は
◉ターゲットの年代は
◉どんな媒体で売ろうと思うのか
◉ネット販売なのか直販なのか
◉売るのは何種類か
◉どれくらいの生産ペースなのか
◉売上はいくらが目標なのか


細かい質問を全て書くとキリがないため、上記で留めておきますが、ブランディングを依頼された会社は、ざっとこのような質問をあなたにしてきます。この質問をそれぞれ属性で分けていくと、決して「デザイン」の話だけでなく「マーケティング」の質問が混在していることが分かります。

同じ質問に()を付けて属性を書いてみます。


◉なぜハンカチを売ろうと思ったのか(マーケティング)
◉ターゲットの性別は何か(マーケティング)
◉ターゲットの年代は何か(マーケティング)
◉どんな媒体で売ろうと思うのか(マーケティング)
◉ネット販売なのか直販なのか(マーケティング)
◉売るのは何種類か(マーケティング)
◉どれくらいの生産ペースなのか(マーケティング)
◉売上はいくらが目標なのか(マーケティング)


b

実は、さきほどの質問の全てが「マーケティング」に関する質問でした。ブランディングをするにはマーケティング情報は欠かせません。

ブランディング、そしてデザインという行為は、その商品に関する情報を「整理整頓」する作業なのです。整理整頓するためには情報が必要です。その情報は「マーケティング」に潜んでいます。

これは反対でも言えることです。

商品に対し「マーケティング施策」を立案していく場合。

今度はブランディングに関する質問が多くなってきます。


◉なぜその商品名なのか(ブランディング)
◉なぜその色なのか(ブランディング)
◉なぜその形なのか(ブランディング)
◉なぜそのキャッチコピーなのか(ブランディング)
◉なぜそのWebデザインなのか(ブランディング)


ブランディングをしようと思えばマーケティング情報が必要で、マーケティングをしようと思えばブランディング情報が必要になる、という関係性がここにあります。

orange

《昔はセンス》

マーケティングという言葉がなかった時代。

その時代は大げさに言うと「なんとなくやっていた」側面があります。

わずかな情報を元に、デザイナーやコピーライターが「センス」を頼りにモノづくりを行っていました。良く言えば「個人のスキル頼り」であり、悪く言えば「勘」というやつです。だからこそ破天荒なアイディアが飛び交っていたという見方もできるので、この時代を否定するとか、そういうことは後ろ向きであり、きちんと学ぶべき遺産も数多くある時代です。

《現代はデータ》

しかしこの現代、Webで「ユーザーの解析」ができるようになりました。

Webサイトに訪れるユーザーの「性別・場所・ページ滞在時間・離脱したページ・リピート回数・検索キーワード」などなど、無数の情報が手に入ります。これらの情報が現代の「マーケティング」の基盤のひとつになっています。もちろんここにも分析センスは必須ですが、元の情報は動かぬ数字のため、施策立案の精度は決して勘頼りではありません。PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act)という言葉に重みが出てきたのも、Webがマーケットを大きく占めるようになってからです。


◉マーケティングを元にブランディングする。

◉ブランディングを元にマーケティングする。


まさにマーケティングあってのブランディング、ブランディングあってのマーケティングです。

trg

《経営層も》

デザイナーはマーケティングを理解すべき時代。

マーケッターはデザインを理解すべき時代。

それだけでなく、お客さんと話し込む「営業」も、ブランディングとマーケティングは知っておかなければなりません。勘やノリで提案する時代はとっくに終わっています。

さらには、社長はもちろん経営層も例外ではありません。

自社の命運を握るブランディングとマーケティングは知っておかなければ経営戦略の立てようがない、ということになります。経営層が「ヒト・モノ・カネ」だけ管理するのでは、現場に起こっている問題点、それに対する改善点をジャッジすることができません。

ブランディングとマーケティング。

カタカナ言葉だから、難しそうだから、と避けずに、また肩肘張って別々に学ぼうとはせずに。

相互関係を意識しながら知見を深めていけると、精度の高い戦略構築の道が開けてきます。

 

▶︎著者:清宮 雄 プロフィール
フィリピン・セブ島在住。IoTそしてA.I.時代の国際的な起業家・ビジネスパーソンを育成するIT留学「アクトハウス」代表。メンターとして現場でも奮闘中。アクトハウスの体験談はこちら >>>

  目次   
このエントリーをはてなブックマークに追加
限定16名 第4期生募集スタート
体験談:在校生&卒業生
講師インタビュー
2016年度 新期生限定募集
体験談:在校生&卒業生
講師インタビュー